表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
60/124

60 素人にとって緊張感はスパイスにならない

6/15 わかりづらい表現の文章を修文しました。

子どもは緊張より先に楽しみが来るようです。


なんだか俺が倒れたのは疲労だけが原因じゃないような気がしてきた。

もうね、人前で演奏するとか考えただけで緊張しすぎてね、もう胃がね、キリキリする気がするんだよね。

齢3歳にして胃潰瘍とかマジ無いわ~逃げたいわ~。


昨日、金属音のサジックスを治して魔石に触りやすいように深さを調整したりしてたら、もう人前で演奏するのが目前だとふと気が付いて以来、緊張のため飯が喉を通らない。

病み上がりで食事をしないわけにもいかないので、食事のたびに緩めのオートミールを作ってもらって無理やり流し込んでるのが現状だ。

なのに、子ども達は昼食が終わるか終らないかの時間にはもうライト家の屋敷に駆け込んできて早く歌おうとせっついてくる。

正直、そのポジティブな精神状態がうらめしい。


「親父殿、俺は前の世界でもパブリックなシーンで人前に立つような経験は無いし、正直、なところ、今から緊張で倒れそうなんだが、何か良い方法は無いですかね?」

「うむ。私は貴族家の子弟として教育されてきたから、人前に出るのに緊張すると言う感覚がわからないので、対処も解らない。前の世界ではそういう時の対処法は無かったのか?」

「手に“人”って書いて飲み込むとか、他人は全部野菜だと思えとか、既に出来ることはやってみた上で相談してるんですよ。」

「うむ。力になれなくてすまないな。」


なれないのかよ。

たしかに完璧超人の親父殿には、仕事で10人程度の前でプレゼンするってだけで、事前には胃潰瘍になり、当日は噛み噛みで、終了後にノックダウンしたヘタレの気持ちはわからないでしょうよ。


「「「ろっくくんはやく~」」」

「・・・は~い。いま行くよ~。」


・・・泣いたりしないんだからね。


「ロック。ムルスイへの対処については問題なかったと思っているが、子どもの前でやるべきではなかった。私が居るとテサードが歌えないからお前が指導しろ。」

「了解。道中も思ってたけど、やっぱりトラウマになっちゃいましたかね?」

「“とらうま”が何かわからないが、心の傷と言う意味ではその通りだと思う。私も自分の外見を考慮すべきだった。」

「心の傷って認識でいいです。まぁ成長とともに問題なくなるかもしれませんしね。お披露目の当日はどうします?」

「うむ。その辺りの段取りも決めないとな。私から王へ次の曲について話をしたら、前に呼んでもらい、それと同時に私とミアスは下がろう。」


・・・人前で俺一人の瞬間があるんですね?

・・・泣いたりしないんだからね。


「演奏開始は俺の合図で良いですかね?」

「うむ。それしかあるまい。緊張しているのも解るがどうにかなるであろう。」


・・・どうにもならない気がしてきました。

泣きごと言っててもしょうがないから、さっさと練習を始めますか。


 ・

 ・

 ・


その日の練習も滞りなく終わった。

むしろ、親父殿の指導により、俺と遊びで歌ってた頃より格段に上手くなってる。

さすが親父殿だ。

俺に対する指導はスパルタだったが、他家の子ども達にそこまではしなかったらしい。

むしろ、親父殿にビビッて動けなかったはずのテサードすら上達してるから、ほめながら事情を聞いてみた。

どうやらテサードはビビッりながらも親父殿の指導を覚えて帰り、ロダンと二人で家で必死に練習したそうだ。

負けず嫌いなところは話に聞くムルスイ家の気風って感じがするな。

良い方向に向かって育ってば、テサードも将来、カッコいい男になりそうだ。


練習後の夕飯も緩いオートミールを無理やり流し込みました。

早く領地に帰りたいです。

作者がサックスを始めたきっかけは、妹がもうやらないからと作者にくれたのがきっかけで、休日に某公園や河原等で練習したものです。

今でもたまに練習はしますが、しょせん下手の横好きの域は出ない感じです。

最近はニコ○コ動画の演奏してみたで○ターさんとか好きで良く動画を見に行きますが、あれくらい演奏できると、今以上に楽しいんだろうなと思う次第です


次回の更新は6月13日10:00を予定しています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ