表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
6/124

06 3歳の日常(改稿版)

9/23 表現や口調・矛盾点等について改稿いたしました。

最近は、フーが絵本の読み聞かせをしてくれるので、その音声を録音しておき、フーが別の用事で俺から離れたら、絵本を本棚から引っ張り出して音声を脳内再生しながら文字を読み直している。

それなりに時間はかかったけど、最近は多少難しい表現が有っても読むことが出来るようになった。

読みについては、同じ本は基本的に一回読んだら音声のサンプリングが終わるし、その後は一人で黙々と読みながら発音があっているか確認作業をしてる。

最初のころは文字も全くわからなかったが、現在は俺の手の届く範囲にある絵本で読めない物は無くなってしまった。

文字を書くことについては、いくら練習してもミミズののたくったような文字しか書けなくて、書いた後は自分でも判読するのが大変だ。

そもそも線をまっすぐ引こうとしてもグニャグニャするので、恐らくはこの世界の筆記用具の羽ペンに馴れないせいもあるが、主に脳の運動野が発達しきってないせいなんだろうと思ってる。


大体の文字は覚えたし、絵本は読み切ってしまったため、最近は親父殿の書斎に置いてあった百科辞典を一から自分で読んでいる。

その際に自分で音読した音声を録音し、脳内保存及び脳内整理をして脳内音声アーカイブ作成の作業を鋭意進行中。

これは常に魔法を使い切っていた成果か、最近は丸一日録音を起動していても気絶しなくなり、録音容量に余裕が出てきたので始めたことだ。

録音した音声はそのまま放置しておけば1か月で消えるが、必要部分に脳内タイトルをつけて脳内保存すれば脳内整理をしたうえで永久保存が可能だ。

脳内タイトルを付けた音声は脳内検索が可能になるし、音声は脳内再生が可能なので、辞書を全部音声に変えて脳内保存できれば俺は歩くウィキ○ディアになれると思い、今からウキウキしている。

なんでこんな地道な作業を始めたかと言うと、基本的に屋敷の外に出させてもらえないし、フー以外に遊び相手もいない。

ライト家はお金は有るようだからオモチャなんかはそれなりに買い与えられてるんだが、精神年齢は大人な俺がそれで遊んでも暇つぶしにもならない。

俺が全く興味を示さないのがわかったのか、最近はあんまりおもちゃが増えなくなった。

ぶっちゃけると、体力をつけるために動き回る以外の時間は本を読む以外日中にやることが全くないのだ。

いくらライト家が貴族とはいえ、俺に対する教育的なこともまだ始まらないし、身体を動かしたり散歩したりするのも敷地内の庭限定だし。

フーは遊び相手になってくれるけど、俺の外見が幼児のせいでなんか違う。

そんなわけで、現在の俺は百科辞典を床に広げて座り込み、ぶつぶつ喋っては30秒ほどぼーっとする……と言う行動を繰り返す奇妙な幼児だ。

だが、脳内再生される音声も自分の声ばっかりじゃ味気ない。


「フー。ここ読んで~」


3歳児の天使の笑顔を食らえ!


「・・・またですか?ロック様、読むのは構いませんしお勉強するのは素晴らしいと思いますが、こう頻繁だと私も疲れてしまうのですが」

「大事なことなんだよ~」


俺の個人的な自己満足のためにフーには是非頑張ってもらいたいっ!


「ハイハイ。ではどこでを読めばいいのですが?」

「この項目から読んで~」

「・・・タイラ○ト(亜種)。各モンスターは生活環境・発生状況・など様々な理由により上位種とは異なる成長を遂げるモンスターが発生する場合があるが、タイラントについては・・・」

「・・・ダイン・グロース。享年73歳。当時のグロース家当主の三男として召喚系の特殊属性を持って生まれた。彼の魔力を込めた魔石は現在でも『ダインコレクション』と呼ばれ・・・・」

「・・・ダウノン。ダンジョンにのみ発生するモンスターとして知られる。どんなダンジョンでも20階層より深い場所でしか目撃情報は無く、また、討伐件数も数えるほどしか・・・」


~~~開始から1時間~~~


「・・・ロック様、そろそろ私も通常業務に戻らなければいけませんので、音読はまたの機会でよろしいでしょうか?」

「そうだね。フーも忙しいところ我儘に付き合ってくれてありがとう」

「い、いえ。ロック様のお相手を務めるのも業務の一環ですから全く問題ないのですが。こんなに百科事典を読ませて覚えられるのですか?」

「まさか~。でも、読んでもらえば、読み方がわかるから自分で調べたときに意味がわかるでしょ?」


意図的に上目使いで話しかけてみる。

まぁ、身長差があるからそんなことしなくても上目使いなんだけど。


「そうですか。好奇心を満たすために自ら進んで努力する姿勢は大変素晴らしいと思います」


3歳児の可愛さを前面に押し出したあざといお願いの仕方しておいてなんだけど、騙してるみたいで申し訳ないな。

読んでもらってるときは魔法を使ってるだけで、覚える努力なんて一ミクロンもしてないしね。


「読んでくれてありがとうね。フーはこれから忙しいみたいだから、今度は母上の所言って読んでもらうことにするよ」

「そうですね。ルーナ様が寝てるようでしたら、目が覚めるまでお願いしてみるのも良いでしょう。では申し訳ありませんが行きますね」

「は~い。お仕事がんばって~」


と、こんなペースで大体、自分で2時間、フーに1時間、お袋にはルーナが寝てる間だけ読んでもらうなどして、かなり作業も進んでいる。

百科事典はようやく全体の3割くらいまで到達したところだが、今のペースで読み進めていくと、あと何か月も作業をしたら終わってしまう。

この作業が終わったら次は何をしようかな~。


次は14日(月)の10時に更新します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ