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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
58/124

58 心は大人、体力は3歳児

今回は旅程を一気に飛ばしたので、あんまり会話は無いです。

子どもの合唱の話はモローさんとシェイナちゃんがノリノリで話を進めているようだ。

宿場でも宿は一緒な上に港町のリセムみたいに見る場所があるわけじゃないため、どの家の人たちも宿から出てなかったらしく、各家に対して食事や就寝前の酒に誘ったりして精力的に動いてた。

大人の方は精力的に動いてるのが侯爵家な上に、自分の子どもがインベントリを付与される可能性が高まるのなら、たとえムルスイと言えどもNOは無い。

子どもにしても、かわいい女の子がやる気満々で可愛らしく“お願い”してきた上に、歌を歌うこと自体が楽しかったらしく、こちらもNOは無かった。

おかげで、翌朝の出発時には大人も子供もニコニコ顔だった。

例外はムルスイだが、子供の将来の事を考えれば文句を言うほどではないらしく、むしろ、親父殿に対する嫌がらせとしてのサジックスぶっ壊し事件を後ろめたく思ってるようだ。

魔石と漏斗部分が壊れてなかったから王都に着いて木管部分さえ作ればどうにかなることだし、素直に謝りに来ればいいのにと思う。


その後、次の宿場に到着して王都が見える頃までは、馬車の中ではお袋の歌の練習、休憩所では子供の歌の練習と、練習三昧のまま王都に到着した。

王都に到着するまでに、一回だけホーンドックとか言うモンスターが10匹ほど襲撃をかけてきたが、どの家も護衛の腕が良い上に、騎士家まで居る一向の敵ではなかった。

ホーンドック?名前のとおり犬の額に角が生えたモンスターだったよ?

肉も臭くて食えないし素材も役に立たないから、倒した後は魔石だけ抜いて一まとめにして焼いてた。

魔石も家畜から取れるクズ魔石とまでは言わないけど、かなりグレードの低いもしか出ないし、一般的にもただの害獣扱いらしい。

各家もそんな魔石を欲しがらなかったため、俺がもらっておいた。

シェイナちゃんとお披露目が済んだら良いもの上げるって約束したからね。

ヌイグルミに入れる蛙声の魔石を作っておいて、仕立て屋に献上用のヌイグルミと同じ物を大至急で作ってもらうつもりだ。

なんせ、俺はシェード家がどこに領地があるのかも知らない。

たぶん川沿いからそれほど離れてないんだろうけど、わざわざヌイグルミ一個を届けてもらうくらいなら、王都に居る間に渡した方が効率的ってもんだ。


その間のサジックスの練習?

言わせんなよ恥ずかしい。

モウココロガオレルスンゼンデスヨ!?

親父殿はスペックが高すぎるんだよ、ちくしょうっ!

いくら俺の心が大人とはいえ、身体の造りも体力もまだ3歳児なんだよ!要求が高すぎるんだよっ!

泣くぞオラぁ!


・・・ふうスッキリ。

とても親父殿に喧嘩なんて売れないからね。

たまには不満を(心の中で)叫ばないとやってられないよね。

正直、体力が3歳児のままだから、馬車の中での練習とかマジで眠気に勝てない瞬間があるんだよな。

親父殿は寝落ちしても怒らないけど、子どもが遊んでる途中でエネルギー切れして一瞬でコテっと寝てしまう状態を実感してるよ。

なんていうか、精神的なエネルギー量に対して体力的なエネルギー量が圧倒的に足りない感じで、寝落ちする時は半分気絶してるみたいな感じだわ。

とりあえず王都に入る前に親父殿には説明しとかんと、こっちの体が持たない。


「親父殿、ちょっといいですか?」

「うむ。なんだ?」

「俺が転生者と知って、大人として扱ってもらえるのは本当にうれしいんですけど、体力的には普通の3歳児と変わらないんですよ。」

「うむ?何が言いたい?」

「練習中に寝落ちするのを見てるので解ってるのかもしれないですけど、3歳児の体力でこの練習量だと正直体が持たないです。」

「・・・うむ。大人としての会話が成立するのでその辺まで考えてなかった。すまん。」

「いえ、今後の練習ペースを考えていただければ問題ないんですけど。王も3歳児相手にそこまでの完璧を求めるとも思えないですし、変に完成度が高いと逆に問題になりそうな気がするんですよ。」

「うむ。確かに言うとおりだ。」

「なので、ひとまずお袋さんの歌の方は現状のクオリティーで完成として、王都での練習は子どもの合唱メインにしませんか?」

「うむ。そうしよう。」

「それぞれの家の子どもをライト家の屋敷に呼ぶことになってるんですよね?」

「うむ。各家の昼食が済んだらそれぞれ集まってもらって、ホールを使用して練習することになっている。」

「では、初めての旅で体もかなり疲れているので、到着からお披露目までの間は午前中は休ませてください。」

「うむ。よかろう。」


完璧超人の親父殿でも抜けることが有るんだなと思ってるうちに王都に到着した。




作者は地元を愛するナイスガイなので、日帰でも宿泊でもあんまり旅行とかしません。

ただ、旅行が嫌いなわけではなく、行くとなれば出発の前の準備等は非常に楽いです。

ただ、旅慣れてないため、鞄にあれもこれもと詰め込んでいると、ものすごい荷物になってしまいます。

必要と思って持って行っても使わずに鞄から出すものが荷物の半分を占める作者は、そもそも旅行に向いてない気がするのです。


次の更新は6月11日10:00を予定しています。


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