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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
56/124

56 見た目は子供、心は腹黒

9/8 「かえるのうた」の歌詞の著作権が切れていませんでしたので、歌詞の部分について改稿しました。

子ども達で演奏してる途中でムルスイのおっさんも目を覚ましてた。

一回、こっちに近づこうとしてたけど、親父殿とモローさんに睨まれたのと、ウィスチャリアの父親らしき人にとどめられて何か言われて自分の馬車に戻って行ってた。

ウィスチャリアの親父さんはムルスイのおっさんが馬車の中に入って見えなくなってから、こっちに向かって軽く頭を下げてムルスイ家の馬車の横で待機してた。


「お館様。」

「うむ。ロック、そろそろ出発するぞ。」

「わかりました父上。」

「「「「え~~~~~~~~!」」」」


おーう。子供の甲高い声が俺の耳のそばで四重奏で重なったぞ。


「うむ。ここでの休憩も予定より長くなっている。これ以上延ばすと暗くなる前に町に着けなくなる。」


え!?リクエストにこたえて何度も演奏してたとはいえ、そんなに長時間歌ってたの?

この世界って娯楽も少ないし、そもそも歌って言うと吟遊詩人が奏でる長い物語風のものがメインだ。

そう言えばお袋の子守唄ですらファンタジック(この世界もファンタジー世界だけど)なストーリーがついてた。

短くて子供でも歌える歌自体がこの世界では珍しいのかもしれない。

子ども達にしてみれば斬新な遊びだったらしいな。


「「「「もっとおうたをうたいたいよ~~~~!」」」」


これは、このままじゃおさまらんなぁ。


「父上、ちょっとよろしいですか?」

「うむ。」


周りに聞こえないよう小声で耳打ちする。


「今の状況とはちょっと関係ありませんが、お披露目でインベントリを付与されるのは何人ですか?」

「8人だ。」

「そうですか・・・とりあえずこの場はあと一曲だけ歌って、そのあとに宿場の宿でうちの部屋に子供を集めて何回かやりましょう。」

「うむ。それでどうする?」

「お披露目について、当初はうちの家族でやる話でしたが、先ほどの子供による合唱にすればまた更に目新しいのでは?」

「うむ。確かにそうだ。」

「父上の話の持って行き方によっては、このグループの子供全員にインベントリを付与してもらうことも可能かもしれません。」

「うむ。なるほど、ムルスイに恩を売るのだな?」

「さすが親父殿。それでどの程度恩に着てくれるかはわかりませんが、少なくとも多数の貴族の前でそれをすれば恩が無いと言うことはできないでしょう。」

「うむ。そうだな。王は珍しい物が好きだから、特に私から何かアクションを起こさなくても、合唱によってインベントリを付与される可能性は高かろう。」

「それについて、ムルスイには事前に話をしておく必要はありますか?」

「私から話をしておこう。だが、他家との差をつけるためにも私たちの演奏の後にした方が良かろうな。」

「その辺はお任せします。では、最後に一回だけ歌うことで子ども達は説得しておきますので、他の貴族家への説明はよろしくお願いします。」


親父殿との演奏も結局やるのか。

ま、仕方あるまい。


「みんな~。お願いしたらあと一回だけ歌を歌っていいって!」

「「「「やった~!早く歌おうよ~」」」」

「わかったよ。じゃ、始めるよ。」


※ 蛙の歌の前半部分を子供が歌ってるところを想像してください。

““““キュロッキュロッキュロッキュロッ”””””

““““キュロキュロキュロキュロ キュッキュッキュッ”””””


さて、馬車に乗ったらお袋の子守唄を練習しないとな。




作者は幼稚園の頃は歌を歌うのが嫌いで、幼稚園のおゆうぎ会の時に舞台の上で一回も口を開かなかったそうです。

そんな作者も中学の頃から音楽を聴きはじめ、今では自分でサックスを演奏するくらい音楽好きに育ってしまいました。

仕事中も残業時間になると作業効率を上げる方法として、ヘッドホンで音楽を聴くことによって、パソコンと自分以外の世界をシャットアウトしてノリノリで作業をします。

たまにちょっと後方からの上司の呼びかけに気が付かず、拳骨をもらうことがあるもろ刃の剣でけどね。


次は週明けに更新します。

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