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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
53/124

53 豚に楽器

6/7 誤字の報告をいただきましたので修文しました。

名前は覚えてないけど、ラ○ュタに出てくる将軍っぽいのが目の前にいます。


それほど暑い時期じゃないのに、息をプヒプヒさせながら汗を流してる。

なんか近寄ると酸っぱいにおいがしそうな感じだ。

・・・と思ったら、食欲なくしそうな強烈に甘ったるい香水の臭いが漂ってきた。


「お前。うちの息子がその楽器を欲しがってる。いくらだ?」

「ムルスイ殿。いま私がロック君と話をしていたんだけどね。それを邪魔するほど重要な話かな?」


おー。

ムルスイのおっさんは何と言うか、ダメな貴族のテンプレの様な人だ。

ある意味、尊敬した。

俺が本当の意味で尊敬してるのは親父殿なわけだが。


「家の息子が先ほどから流れている音に非常に興味を持ちましてな。子の願いを叶えるのは親の務めでしょう?」

「うむ。その前に金で解決できないことも有ることを教えるために、自ら学ぶべきだムルスイ殿。」


大抵の場合は、威圧感はあれど丁寧な対応をする親父殿が慇懃無礼な感じだ!?

モローのおっさんも眉の根をしかめてるし、かなり嫌われ者なのか?


「ふん!たまたま領地に港町があって荒稼ぎして大抵の事は金で解決するライト家が何を言うか。」


親父に直接喧嘩を売ったよ!?

その豚の様な体のどこにそんな勇気が詰まっているの!?

そのアン○ンマンの様に丸い鼻に詰まってるの!?


「うむ。ライト家の者から物を買いたいならば、滞納している船舶の料金を完済してからにしてもらおう。そもそも、借金だらけのムルスイ家が見栄の為だけに初日に王都に入るのはお勧めできぬが?」

「何時あってもガメツイ男だ!顔を併せれば金金と!そんなもの今年中に返済してやるわ!どうせ、その楽器も、王の歓心を買うために国外から仕入れたものなんだろうがな。そんなもので王の歓心を買えるとは到底思えんがな!」


よし。

言質は取った。

親父殿の方を向いたら、鬼のようなニヤリ顔を俺に向けて来たのでウィンクを返しつつ、脳内保存完了。

後で魔石をもらって出力すればミッションコンプリートだ。

これを王の前で突き付れば、「貴族は自分の発言に責任を」ってなって、借金を増やしてでもお金を返さなきゃならなくなるわけだ。

たぶん、親父殿のことだから、このムルスイって奴の前で借金の話をすれば、そういう話の流れになるって読み切ってたんだろうな。


「ムルスイ殿。解りやすく言わないと解らないようだが、わたしがロック君と話をしている邪魔をしたいのかね?非常に不愉快なんだが?」

「うっ!しぇ、シェード殿・・・。申し訳ありませんでしたな。ふん!」

「あっ!」


バギッ!


あの短い脚が良く上がると言うほどの高さに上がり、踵落としのように俺に向けて落ちてきた。

ビビッてよけようとしたら、俺が持ってたサジックスに踵をひっかけ、そのまま地面にたたきつけられ、木管部分がひしゃげて潰れていた。


「サジックスが・・・」

「どうぞ、お話をお続けください。ライト!王に献上する物が無くなって残念だったな!ブヒャヒャヒャヒャ・・・ぐぁ!」


ちょっと涙目の俺はそこで録音を止めた。


ダメ貴族はファンタジーのテンプレだと思いますが、自分の立場を笠にきた横暴な人は現実にも存在するものです。

そう言う人に限ってその場の思いつきで仕事を振った挙句、しばらくたってから話に行くと「そんなこと言ってない」というセリフを吐きます。

生まれ変わる前のロックではないですが、自衛のためにICレコーダーを持ち歩いている同僚が何人かいて、世知辛い世の中だと思うわけです。


ついに書き溜めた分に追いつかれてしまいました。

次回からは平日に書き溜めた分を翌週の10時にアップしていくペースになります。

更新ペースは落ちますが今後も読んでくれるとうれしいです。

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