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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
39/124

39 3歳児の手に余る物

俺は愕然とした。


そもそも懐剣ですら3歳児が使うような作りにはなってない。

柄が太すぎて持てないし、持てても振り回したら手からすっぽ抜けてしまう。

俺の厨二心を満足させるのはもっと体が大きくなるまでお預けのようだ。


「私も手の大きさまでは考えなかったな。だから一定年齢になるまで武器の修練をはじめないのか。納得がいった。」


親父殿もそこまで考えて無かったらしい。

だが、男子としては見てるだけでワクワクするもんだ。

此処はよそ行きで頼んでみるか。


「父上、持てなくても良いので色々見てみたいです。」

「うむ。ではしばらく見せてもらおう。」


やった。

エントシーで鍛冶屋を見学したのも胸熱だったが、王都への準備の一環で立ち寄っただけでじっくり見たわけじゃないし、なにより完成品を見たわけじゃなかったからな。

全体を見るに、刀身から柄まで一体成型のものが多いようだ。

色を見るに鉄剣が基本で、それ以外の材料を使ったものや魔物の素材を一部に使用した物もある。

ファンタジーRPGとかだと最初の武器は“銅の剣”だったりするが、わざわざ硬度の低い銅で作ったりしないんだな。

あと、直剣と曲刀が半々でおいてあるのは、水上での戦闘を想定したものと、陸上での戦闘を想定した物で違うのか?

やっぱ船乗りって言うと大きく曲がった曲刀ってイメージが強いしな。


ざっと端から見ていくと、隅の方の投げナイフのコーナーに苦無とか棒手裏剣とか、ジャパニーズ心をくすぐりつつ俺でも握れるくらいのものが置いてあった。


「これ、手に取ってみていいでしょうか?」

「店主、よいか?」

「どうぞどうぞ。ただし、そのあたりの物は基本的に投げて使うもので、投げ方を練習しないと使えないものもありますが?もし、試してみるようでしたら裏手に武器を試し振りしたりするためのスペースも有りますから是非どうぞ。」


よし。これでアレが試せる。


「店主さん、糸があったら貸してほしいんですが。」

「糸、ですか?・・・こんなものでよろしいでしょうか?」

「はい。では父上、裏に行ってみましょう。」


まず、棒手裏剣を二本と糸を借りて裏手のスペースへ。

糸で棒手裏剣の一本を吊るして、もう一本で軽く叩く。


“キィィィィィィィ・・・・・”


それなりの硬度が有るのか澄んだ金属音がしたので、それを録音。

再生しながら音の高さを調整していると、上手く共鳴振動を起こす音を見つけ出せた。

でもって、吊るしてた棒手裏剣を手に持って、共鳴振動音を再生。

お、手の中の棒手裏剣が振動し始めた。

もうお分かりの方もいるだろう。

俺がやりたいのは前から気になってた振動剣。

で、このまま音声を上げて行けば・・・・・


「痛っ!」


チョット音量を上げただけで振動が強すぎて持ってられなかった。

あと、振動が細かすぎるのか取り落とした後も手がビリビリする。

なんかこのままじゃ使えないっぽいな。


「ロック、今の神経を引き裂くような音は何だ!?」


あれ?俺はそんなに気にならなかったが、超音波に近い振動だろうしきつかったのかな?

何にせよ、振動剣はこのままじゃ使えないことが判明した。

オラノワクワクヲカエシテクレ。



明日も10時に投稿されます。

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