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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
37/124

37 人は争うものなのか

6/7 誤字の報告をいただきましたので修文しました。

「父上、何かご存じなのですか?」

「お前のように前の生の記憶を持っている物は、多くは無いが歴史書などに事実として何人かの記載がある。発現する年齢はまちまちだが、大体の場合がその年齢ではありえない知識や判断力があるものだそうな。最初の内は聞き分けが良く聡い子程度の認識だったがな。こんなことが無ければお前から話してくれるのを待つつもりだったし、話してくれなければそれでもいいと思っていたのだ。」


あ、歴史的事実として俺の同類がいたのね?

ひとまず、こっちの世界に来る前の記憶がある程度あることと、神と話た記憶はおぼろげなこと、生まれた後の事などをしゃべった。


「念の為言っておきますが、放り投げるような大雑把な存在とは言え神のやることです。本来生まれるべき魂を押しのけて僕が生まれたわけではないと思いますよ?」

「そんなことは疑ってない。私とミアスの子として生まれたときからお前は私の息子だ。」


親ってそんなもんかもね。


「母上はご存じなんでしょうか?」

「ロック、お前その口調、無理して使ってないか?」

「え?」

「生まれたときからそういったしゃべり方を教育される貴族としての自然さが無い。どちらかと言えば商人が仕事上の必要で覚えたしゃべり方に近い。」

「はぁ、確かに前の世界の仕事で使ってた敬語を少しアレンジして使ってますが?」

「王や他の貴族の前では今まで通りの話し方をしてもらうが、家族の前でまで気負う必要は無い。本来のお前はどんなしゃべり方をするのかも興味があるしな。」

「・・・了解。では今後は家族だけの時は親父殿と呼ばせてもらうよ。これでもあんたの事は結構尊敬してるんだ。」

「そうか。わかった。ではこの話はひと段落として先ほどの続きを話そう。」

「お袋は知ってるのか?」

「あれが最初に私に進言してきたのだ。ああ見えて人の機微には聡い。」


あのエアリーディングスキル0LVのお袋が?

まぁいい。


「では、ひとまず質問。親父殿はその後どういった対応策を取りました?」

「この町からエントシー宛に転送書信を送った。お前の披露目が終わって領地へ戻ったら、どこからの指示か確認できるよう、ゴウラ国の大使邸とゴウラ船を急襲しゴウラ国民は全て抑えるよう領軍に指示を出した。」

「戦争になりますか?」

「ゴウラ国はライト家の領軍だけで相手が出来る程度の小国だ。向こうも本気で戦争を仕掛ける気などない。」

「ライト家内の者と通じて下剋上なんてことは無いんですか?」

「やってもいいが灯台は維持できん。対外的に解りやすいように儀式として光の玉の前で決めたことにしているが、時の領主が死ぬと血縁の中で最も属性と魔力の強い者に灯台維持のために必要な呪文が瞬時に受け継がれる。」

「ライト家の権勢の大部分は灯台によって維持されている現状で、わざわざ灯台を潰すようなまねはしないと言うことですか。」

「うむ。その通りだ。なおかつ、これは領主になったものしか知らないが、身内を直接的にせよ間接的にせよ殺した者には決して呪文が受け継がれることは無い。」


どんな術式を使えばそんな効果が得られるんだ?

まだ、勉強し始めとはいえ、皆目見当がつかん。


「・・・やはり理解力が大人のものだな。」

「有難うございます。当面、戦争の心配が無いことは解りました。この後は予定通りお披露目ですか?」

「うむ。今日一日は船旅の疲れを癒すためにこの町で一泊する予定だ。謁見式の際にヌイグルミと楽器の献上を行うから、今日と陸路を移動している間も練習しなければ間に合わないな。」

「・・・そうですか。」

「この町の太守邸にて一泊する予定だ。着いたらサロンか広間を借りて練習を開始しよう。」


話している間に大分眉毛も下がってきましたが、やっぱり鬼でした。


明日も10時に投稿されます。

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