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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
31/124

31 ライト家に敵するということ

※文中に昔語りとして「処刑」等に関して言及する部分が出てきます。ストーリー全体としてはそれほど影響がないので苦手な人は読み飛ばしてください。


6/7 誤字の報告をいただきましたので修文しました。

血を垂らした竜の牙に集中してみる。

感覚的には最初はボヤーっと牙が近くにあるのがわかる感じがだんだんはっきりしてきて、牙の存在感が非常にしっかりわかるようになった。

意識を向けて呼び出す方法は、非常に説明しづらいが『何となく』理解できた。

が、見た目的には特別な何かが起こることは無いようだ。

もっとこう、バーっと光り輝くとか俺との間に光のラインが結ばれるとか、そういうエフェクトに期待してたのに。

どうも、この世界はファンタジーなのにエフェクトが少なすぎると思う。


「どうだ?傍目には何も起こってないように見えるのだが。」


親父もそう思うよね?


「竜の牙の存在がしっかりわかるようになりました。手元に戻す方法も何となくですがわかったので呼び戻せるでしょう。」

「そうか。では、今後の安全の事もあるので、こちらで預かっておこう。呼び出すときはひと声かけるように。」

「わかりました父上。」


3歳児に与えるには過ぎた代物だ。

親の庇護下に居る間はそれほど危険なことも無いだろうし、渇き死にするような場所に出向くことも無いだろうから、当分出番はないだろう。


「全員、傾聴!」


うゎ!親父、声でけぇ!


「この船の上でロックに起きたことについて、一切の他言を禁じる!禁を犯したものは斬首!噂話すら許さん!」


斬首!?


「父上、斬首はやりすぎでは?」

「・・・ロックは黙ってなさい。禁を犯した者がたとえ逃げてもギルドに高額賞金を懸けてでも見つけ出す!今すぐ護衛船に通達!」


親父殿?家族愛にあふれるのは良いけど、マジでやりすぎではないですか?


「父上!?」

「これだけ言っても愚か者は出るだろうがな。私にはもう一人弟がいた。使用人が酒の席で他出の予定をうっかり話したことにより誘拐犯によって殺された。理由は港の使用頻度を減らされた商人が譲歩を求めるために依頼し、実行部隊がどうせなら自分たちで身代金をる方が儲かると踏んだ。いざ実行しようとしたら護衛の思わぬ抵抗により弟ごと殺してしまったそうだ。失敗した実行犯は商人に報告の上隣国へ逃走。商人も殺してしまっては交渉もできないと同様に隣国に逃走した。」

「・・・その後はどうなりましたか?」

「逃げ込んだ隣国に引渡しを要求したが、それなりに資産が大きく発言力のある商人だったらしく色よい返事が来なかった。当時の領主はお前の祖父にあたる人物だが、引渡しが行われるまで隣国の船は一切シーエントの港を使わせず、灯台の光が届く範囲を通る隣国の船を全て沈めていたら。1年で根を上げて商人及びその一族郎党を捕縛して引き渡してきた。引き渡された時に商人は謝罪をしていたようだが、祖父は『謝罪で息子が生き返るのか?』と問うたらそれ以降は無駄な抵抗を辞めた。一族は最後まで自分たちは無実だと。悪いのは商人一人だと叫んでいたが、商人の前で一人ずつ斬首し、最後に商人の家族を磔にした。」

「・・・」

「祖父もやりたくてやったことではない。残った家族を守るために貴族を、ライト家を敵に回すと言うことがどういうことか知らしめたのだ。そしてライト家にはそれを実行するだけの財力も権力もあることも知っておけ。」

「王家はその時どのように?国の外交方針と齟齬があれば問題になったのでは?」

「最初に報告した時に、後押しはするから好きにやるようにと時の王は言ったそうだ。」

「隣国の船を沈めてて戦争になったりしないのですか?」

「海上でライト家に戦争を仕掛けられる国は無い。」


スゲー。言い切ったよ。


「つまり、ロックを守るためには最低限、必要な措置だ。」


と言うわけですね。


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