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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
30/124

30 もらったものの末路

6/7・6/15 誤字等の報告をいただきましたので修文しました。

いや、王都の方向は北西なんだけど。


「アクオン、行ってしまいましたね。」

「竜と話が出来るとは・・・まるでおとぎ話の様だ。」


親父、意外とメルヘンチックな感想ですね。


「父上、何か刃物を貸してください。針でもいいですけど。」

「牙に血を垂らすのか?」

「はい。そうすることによってどうも僕にしか使えないものになるようですし。こっそり魔力を通してみたのですがそうしないと水も出ないようです。」

「では、このナイフを使うと良い。血を垂らす前に言っておくが、竜の牙と言えば幼竜のものでもオークションに出せば高額で競られる素材だ。成竜の牙となればオークションに国が介入する場合もある。古竜の牙ともなれば手に入れた者が爵位を受けて国に献上し、国が国宝にするレベルだな。」

「僕はこれに血を垂らしたら狙われるのでしょうか?」

「いや、共鳴させてお前にしか使えないようにしてしまえばその牙自体が狙われることは無い。各国で国宝になっているレベルの牙はその牙よりも効果も使用制限も低く使用しやすいものだ。そもそもアクオンの加護が無いと使えないとなれば、今の時代ではお前にしか使えまい。」

「僕ごと誘拐されると言うことは無いでしょうか?」

「・・・護衛を増やそう。お前も護身のために剣の扱いくらいは覚えた方がいいな。3歳ではかなり早いが背に腹は代えられん。お披露目が終わって領地に戻ったら早速始めよう。」


俺も護身術を学ばなきゃいけないレベルですか。


「この船の者たちはライト家で長年雇っている身内のようなものだ。言い含めれば情報を流すようなものはおるまい。が、武器への加工を依頼して、そこから情報が流れてはまずい。お前が自分の身をある程度守れるようになってからが良いだろう。」


え~。チョット伝説の武器っぽい物を装備できると思って、厨二心が湧き踊ってたのに。

安全には代えられないからいいけど。


「保管場所については私に心当たりがある。お前が意識すれば手元に戻ることだし、それまでは安全かつ対外的に情報が漏れないよう保管しておくべきだろう。」


・・・そういえば、子供の頃におもちゃを取り上げられた時の気分ってこんなだったな。

このガッカリ感が実に懐かしい。

だが、扱えないものを持ち歩くのも怖いし、親父が言うように本当に必要になった時に呼び出せばいいか。


「では、血を垂らしてみますね。」


そういうと、親指の先をチョビっと切ってみる。


「痛っ!」


ファンタジーとかでこういうシーンよく見るけど、みんな平然としてるのはなんでだ?

回復魔法がある世界なら多少の傷は気にしないのか?

回復魔法で傷が治るから痛みに鈍感になるのか?

ナイフの刃もそれほど切れ味が良くなかったせいでマジで痛い。

前の世界で紙工作の時にカッターで指をザックリ切った時の方がずっと痛くない気がする。

ちょっと涙目になりながら竜の牙に血を垂らし終わると、いきなりフーが大声をだした。


「誰か!傷薬を持ってきなさい!」

「どっちですか?」

「魔法薬の方を!大至急です!」


船員さんがあわてて船内にかけていく。

このくらいの傷だったらすぐに治るだろうし、フーも過保護すぎでしょ。


「心配かけてごめんなさい。」

「いえ。これも仕事ですから。」


フーがデレるのはいつなんだろうか?

まぁ、旦那さんがいるからデレられても困るが。


明日も10時に投稿されます。

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