22 その腕前じゃあ二番目だ!
6/7 誤字の報告をいただきましたので修文しました。
俺の魔法で俺が作った楽器だから俺が一番うまく演奏できるはずだったのにっ!
「・・・父上。楽器の名前が決まりました。」
「・・・ロック。なぜ涙目なのだ?」
言わせんなっ!察してくれよ!
三歳児のふりするために練習なんてしてなかったら半日でこれかよ!
「自分の作った楽器をお父様が上手に演奏しちゃってスネちゃったのよね~。ロックったら可愛いわ~。」
エアリーディングッ! プリーズッ! ママンッ!
俺をニッコリ追い詰めないでくれ~ッ!
「そうか。すまん。」
あ~や~ま~る~な~っ!仕舞いにゃ地団太ふむぞ!コンチクショウ!
夫婦そろってエアリーディングスキルがレベル0ですかそうですか。
「・・・もう良いです。」
俺は3歳児だから喜び勇んで走りこんで出鼻を挫かれたら拗ねてもいいのだ。
「まてロック。名前が決まったと言ったな。聞かせてくれ。」
「ほら、ロック。ベソ掻いてないでお父様に名前を教えてあげて~。」
「・・・サジックスです。」
「ほう?良い名前だな。どんな意味だ?」
「音の魔法がいっぱいって意味です。」
「やっぱり、ロックは天才ねぇ~。属性は光属性じゃなかったけど、きっと、お父様の血筋を色濃くひいてるんだわっ!あなたの演奏も素敵だものねぇ。」
・・・そうですか、今度は惚気ですか、リア充は輝けばいいのに。
いや、自分の親だから本当に輝かれても困る。
って言うか光属性だから勝手に輝いてる。言葉通りの意味で。
「うむ。では王に献上するときは【サジックス】として紹介しよう。」
「よろしくお願いします。王が何か別の名前を提案してきたらどうするんでしょうか?」
「王は横暴な人間ではない。もしより良い名前を思いついても製作者のお前の判断にゆだねるであろう。」
「わかりました。ところで父上。お願いがあるのですが。」
「なんだ?」
「サジックスの演奏を教えてください。」
前の世界では音楽なんてやったことのない俺に恥も外聞もない。
楽器の製作者であるというプライドはさっき粉々のチリになった。
使っているのは俺の魔法だし、親父に演奏方法を教えてもらって練習すれば、最終的には俺のほうが上手く演奏できるようになるはずだ。
「うむ。では夕食後にこの部屋で練習することにしよう。それにしても、この楽器は非常に有用であるな。」
「楽しそうね。私も一緒にやるわ~。私、蛙の方で練習するから、ロックは金属音の方ね。」
お袋は蛙がお好みらしい。
まぁ、最初のヌイグルミで蛙(?)を作ったのもお袋だし思い入れがあるのかもしれない。
「わかりました。もし王都につくまでに上手く演奏できるようになったら、献上するときに王の前で父上と演奏したいのですが?」
「うむ。私が演奏して紹介するつもりでいたが、それも良いだろう。だが、それであれば指導は厳しくいくぞ。」
「もちろんです。」
楽器の製作者が必ずしも最良の演奏者ではないのはわかっているが、そこは粉みじんになったとはいえちょっぴりだけプライドが残っている。
俺はこの楽器については早く親父より上手くなりたいのだ。
それはきっと今なら世界一の演奏ということになるだろう。
・・・将来はわかんないけどね。
4月13日段階で書き溜めた分については、ここまでですべてアップしました。
今後の書き溜め状況によりますが、更新ペースを落とすかもしれません。




