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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
20/124

20 汝の名は・・・

6/7 誤字の報告をいただきましたので修文しました。

造った楽器をお披露目しつつ、お袋なんかは興味深げに色々といじってる。


「あら~?魔力を強く流すと音が大きくなるのね~?形状を工夫して抱えるような形にすれば、吟遊詩人も演奏しやすいかもしれないわね~。でも、音量の微調整が難しいから普通の生活が出来る程度の魔力操作じゃ上手に演奏できないわね~。」

「僕は思い通りの音量に調節できますが、普通の人は無理なのですか?」

「あなたは、自分の魔法だもの~。普通の人がやるより操作方法がわかってるんだから当たり前じゃない~。そうねぇ、私も魔力操作はそれなりに上手いつもりだから、少なくとも魔術学校を卒業したくらい人じゃないと、音を出す以上の操作は無理じゃないかしら~?」


そりゃ、自分の魔法を上手く扱えるのは魔石に移しても一緒なのか。


「あと、大人が使うには魔石の幅が狭すぎるわ~。」

「それは、もともと僕がルナーにいろんな音を聞かせるために作ったので、大人の人が使うようには作ってないのです。」

「やっぱりね~。隙間が指一本分じゃ狭いもの。あと、木管がもっと大きければ音が反響してもっと良い音色にならないかしら?」

「そういった大きなものの作成については、父上がさっき手伝ってくれると仰っていたので、屋敷に帰ったら早速取り掛かりたいと思います。」

「!?」

「全部、金属で作ったら~、金額が高くなっちゃうわよ~?」

「たぶん、そのあたりも父上がどうにかしてくださるつもりなのでしょう。」

「いや、そこまでの事は言ってないのだが・・・」

「いえ、父上。これを聞いてください。」


そういうと、さっきの会話を再生する。


『わかりました。でも、帰ったらまた作りたいので、父上も手伝ってくださいますか?』

『うむ、もちろんだ。・・・良いのか?』

『わかりました。では父上、二人でもっと立派なものを作りましょう!』

『うむ!・・・良いのか?』


親父、俺が子供と侮ったな?

俺を相手に、『言った』『言わない』の押し問答は通用しない。

なぜなら日中の自分を含めたすべての会話は記録してあるからだ!

保存期間は1か月だけど。

今度から、親父の言質を取った時は脳内保存すると色々便利そうだ。


「そ、そうだな。どんなことをすればいいかわからないが、約束したことだし出来るだけの事はしよう。」


あ、出来るだけの事はしようとか言っちゃった。

・・・保存完了。

金がかかりすぎるとか文句言ったらこれを再生することに決定。

次は、1列5オクターブの木管二本を金管でつないで、一か所から音が出るようなものを造ろう。

どうせなら、いろんな種類の音の木管を何本もつないで、80年代のシンセサイザーみたいな配置の大掛かりな楽器を作りたい。


「ところでロック。」

「何でしょう父上?」

「この楽器は何という名前にするんだ?」

「え?」

「笛や弦楽器にも形状ごとにいろんな名前がついているのだ。楽器にも相応しい名前が必要であろう。」


いや、何にも考えてないですが。


「先に言っておくがライト家の人間は、ミドルネームを見ればわかるようにあまりそういう才能は無い。」

「え?」

「王に献上するにも、名も無い楽器を献上するわけにもいくまい。」

「王都につくまでにロックが思いつかないなら~、献上する際に王様に名付けていただけばいいんじゃないのかしら~?王様に作ったものの名前を決めてもらうなんてめったに無いことよ~?」


意に沿わない名前を付けられても嫌だし、当日まで必死に考えよう。


次の話は明日の10時に更新します。

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