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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
17/124

17 海が俺を呼んでいる~っ!

スタンダードにこのくらいの文字数で書けるといいなと思います。


6/8 誤字の報告をいただきましたので修文しました。

ま、今いるのは川の上を走ってる船の中なんですけどね。


大陸を縦断する大河を王都に向かってさかのぼり中です。

黄河とか長江とか、前の世界の某大国の大河をほうふつとさせる。

この川は多数の国を通過しているため、国によって違う名称で呼ばれているが、船乗りの間では共通的な呼称として「命の川」と呼ばれてるそうだ。

広くて深いので、風向きによっては帆の向きを変えるだけで川をさかのぼっていける。

風が無かったり向きがいまいち悪かったりしたら、風属性の魔法使いが数人で風を起こして進んだり、完全に逆風の場合は水属性の魔法使い数人で水流を操って進んだりするらしい。

こんな人件費のかかるやり方で強引に進むのは貴族だけって船員が言ってた。

今は海風がしっかり影響する範囲を走ってるので特に問題なく進んでる。


このまま船員の2交代制で昼夜に関わらず進んで、王都までは大体半月ほど。

今日で三日目だが、順調に進んで10日目あたりに町があって一休みするようだ。

夜中の川とか真っ暗で危ないと思ったが、光属性の魔石である程度行く先を確認しながら進むし、そもそも水深が深いので座礁などもほとんど起きない。

やることが川を眺めることと飯を食うことと寝ることくらいしかない2週間はさすがに暇を持て余すので、出発準備中に暇つぶしを持込み、今まさに作業中だ。


「ねぇロック。さっきから何やってるの?」


お袋がさっきから俺の部屋に来ては作業にちゃちゃを入れて来る。

やることが無くてよっぽど暇だったんだろう。


「今日中には完成しますから、それまではまっててください。」

「ちょっとくらい教えてくれてもいいじゃな~い。暇なのよ~。」


あ、暇だって言っちゃった。


「刺繍やレース編みでもしててくださいよ。」

「船でやると酔うから嫌なの~。旅って本当に暇でいやだわ。船は酔うし、馬車はお尻が痛くなるし~。それに暇なのよ~。」


我儘な子供か。

ちなみにルナーのお披露目も3歳なので、今回はネコミミの乳母に任せて屋敷でお留守番だ。1歳で半月の船旅は長すぎるしね。

妹がまだ赤ちゃんなのにお袋が一緒に同行してる理由なんだが、俺のお袋って元王族なんだって。

今回はお披露目と里帰りを兼ねている。

魔法をお袋にばらしてから、新事実が発覚しまくりだな。


「良いから出てってくださいよ。作業に集中できないじゃないですか。」

「・・・ケ~チ。」


マジで子供か。


今俺がやってる作業は、直径10cm位の木の管に魔石をはめるための穴が3cmごとに空いていて、横から曲がった漏斗状の金属の管が横を向いてるものに、チマチマと魔石をはめては固定している。

もうお分かりと思うが、新しい楽器を作成しているのだ。

録音した音の音程を上げたり下げたりできることは分かっていたので、脳内で調整してから魔石に音声をコピーして、木管にはめていく。穴は16個開けてもらったので、2オクターブまで音階が作成できる。

音の種類はまだそんなにないので、今回は木管を二本用意して2種類の音で作ることにした。

一本はオフザケバージョンで蛙の声。これで前の世界の蛙の歌とかやったら面白いと思ったからだ。

もう一本は真面目な音にしようと思って、鍛冶屋で録音したハンマーで金属をたたくキーンって音。

音量なんかを調節して鉄琴みたいな音に仕立てた。

これを木管で音をまとめて、漏斗から音を出せば結構いい楽器になると思ったので、町を回った後にフーに頼んで職人に作ってもらった。


音階は素人なので一発でうまくいくとも思えないので、余分に準備してもらい、微調整をしながら出来るだけ最適な音をはめていく。


脳内調整でぼーっとしては魔石をチマチマと木管にはめ込む作業を延々と続け、その日の夜半には俺の考えた楽器が完成した。

次の話は明日の10時に更新します。

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