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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
15/124

15 魔石の価値は

6/7 誤字の報告をいただきましたので修文しました。

6/14・29 口調などを含め一部改稿しました。


「ただの布と綿の塊でそれは高すぎるでしょ!?」

「ロック、口調が荒れているぞ。ヌイグルミ単体であればそうだろう。誰かが思いつけば作れる程度のものでもある。が、そこにお前の魔法を込めた魔石を足した場合、クズ魔石でできていると言っても安すぎるくらいだ。私は金貨10枚でも良いと思っている」

「はぁ!?」

「お前の造った【鳴き声を上げるヌイグルミ】は、この世界でおそらくお前にしか作り出せないものだ。下手なアーティファクトより遥かに希少価値が高くなる」


なるほど。俺の魔石については供給が俺の作業量によるなら、供給量を制限した状態で需要が高まれば金額は天井知らずになるわけか。


「まずは、王に王女の人数分のヌイグルミを献上すれば、国内の貴族からは物珍しさも手伝って発注が来るだろう。蛙以外の鳴き声は作れないのか?」

「蛙ではまずいですか?」

「まずくは無いが、猫や鳴き声の美しい鳥などが作れれば、よりインパクトを与えることが出来ると考えてな」

「鳴き声だけなら僕が直接聞くか、僕の造った魔石に記録してきてもらえれば、作成できます」

「では、猫はともかく鳥の鳴き声などについては知遇の有る冒険者に頼んで記録してきてもらうか」

「僕が作った魔石は、一度音を記録すると再度記録することが出来ませんので、大量に魔石を持って行ってもらっても鳴き声を記録できない可能性があります。ヌイグルミを作る方も、作る者が実物を見たことが無いとなかなか難しいでしょう。まずは身近な動物から作成するのがいいと思います」

「うむ。なるほど」

「それから、王家に献上した場合、おそらく王から王女などへ渡されるのでしょうが、その際にいくつもの種類があると欲しい物が被った場合に取り合いになってしまい、それはそれで問題があるとおもいます」

「そうだな。では、まず猫の鳴き声の魔石を8個作ってくれ」

「その前に、僕は猫を直接見たことが無いのですが?」

「え?」

「猫族なら見たことがありますが、僕は屋敷から出たことが無いので猫を直接見たことが無いです」

「そ、そうか」

「あの蛙を選んだのは、色合い的に女の子が好みそうなこともありますが、僕が庭で直接見たことのある数少ない動物だからです」

「ほかの直接見たことのある動物とは?」

「あとは馬などの家畜と、ネズミ等です」

「ヌイグルミにするには適さないか」

「将来的には馬は男の子向けに子供が乗れる程度の大きさのものを作れば売れると思いますが、あまり鳴き声が綺麗とは言い難いので僕の意図するところと少しずれていますし。ネズミは蛙以上に嫌われているでしょう?」


この世界に雷を出すネズミとか黒い二足歩行のネズミはいないのだ。


「犬はどうだ?」

「記録する声も、元気に吠えている声が良いのか、甘えた声を出してるのが良いのか僕では判断が付きませんし、犬に記録したい通りの鳴き声で吠えてもらうのは難しいと思います。時間をかければ出来るかもしれませんが、犬も知らない他人がいれば警戒するでしょうから、上手く記録できない可能性の方が高いと思います」

「うむ。色々と条件があるのだな。そう考えると、可愛い鳴き声でどこにでもいて、誰でも知っている蛙をヌイグルミにするのはそれほど間違った選択ではないのか」

「蛙の鳴き声も、本人たちにとっては色々と違いがあるのかもしれませんが、人間が聞いても鳴き声はほぼ一緒ですからね」

「では、王都へ出発するまでに、蛙のヌイグルミを8個作っておくのだ。可能であれば犬と猫も作るように」

「父上は王都へ行かれるのですか?」

「何を言ってるんだ。半月後にお前も行くんだ。貴族家の子弟は王都で3歳のお披露目があり出席する」


・・・王都に行くなんて今知ったよ・・・



次の話は明日の10時に更新します。

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