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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
14/124

14 ばれてーら

6/7 誤字報告をいただきましたので修文しました。

6/14 口調などを含め一部改稿しました。

   また、今後のために暦を設定したところ、1か月が60日になったため、今後のために1か月の庶民に必要な賃金を銀貨10枚から20枚に書き直しました。

「昨晩、ミアスよりお前の魔法について聞いた」


おーう。

お母様?秘密って言ったよね?


「うむ。お前の魔法、実に面白い。【ヌイグルミ】と言うものについても、もう少し形を整えれば売り物になるだろう」


いきなりお金儲けの話ですか。

ライト家ってかなりお金があるイメージだけど、このくらい商売っ気が強くないと、これだけの財力を築けないんだろうな。


「なにより、通常はクズ魔石として廃棄するだけの家畜の魔石の有効利用が可能なことだ。あの鳴き声の魔石。一日に何個ほど作ることが出来る?」

「100個程度でしょうか?」

「なに!?」


あれ?大分少なめに見積もって話したんだけど、それでも多すぎたか?


「うむ。クズ魔石であればタダ同然だ。【ヌイグルミ】を作るにも、それほど多くの布は必要ないから、ライト家に出入りしている服飾屋に言えば端切れを融通してもらえるだろう」


親父、けっこうガメツイな。

伯爵家が商売するのにクズ魔石に服飾屋の端切れって、他の貴族家とかに馬鹿にされたりしないのか?


「お前が生まれた時に確認した結果、光属性では無いどころか、通常の属性でもなかったのは分かってると思う。お前の属性について色々な文献を調べさせたりしたが、昨夜、ミアスから話を聞く属性に関する情報すらなかった」


うん?


「ライト家の子息として仕事をすることも可能だが、お前の個人的な財産が多ければ選択肢も増えるだろう。【ヌイグルミ】の核になる魔石作成者であるお前の取り分は売上の5割。【ヌイグルミ】部分を作成する者に1割。おそらく仕立て屋に頼むことになるだろう。残りの4割から原材料費を引いた分を税金としてライト家に納めればいい」


あ、本当に俺の将来の話なのね?

俺が思ってた以上に色々と考えてくれてたんだな。


「販売額はこれから詰めて行けばいいが、お前の魔法は私が調べた限りで言えば今までに無い特殊な物だ。その魔法が込められた【ヌイグルミ】は安く売り出すことはできない。当面は貴族の子女相手に販売していくことになるが問題ないな?」

「ちょっと待ってください」

「どうした?」


俺の考えるヌイグルミってのは、貴族にのみ売り出す所謂ステータスアイテム的な物じゃなくて、もっとその辺に居るような庶民の女の子が可愛がって、ベッドに持ち込んで一緒に寝たりするものだと思うんだよなぁ。

親父にこの話をしてわかってもらえるかわかんないけど、とりあえず話すだけ話してみるか。


「父上、あのヌイグルミは僕と母上がルナーのために作ったものです。なぜなら、ピンクでフワフワでてかわいい物なら、女の子が好きだと思ったからです。【ヌイグルミ】は決して貴族のためのものではなくて、全ての女の子のためのものだと思うんです。出来れば庶民の親が自分の娘に買ってあげられるような安価で売りたいのですが」

「うむ。であれば尚の事、貴族の子女の手に渡るようにすべきだろうな」

「何故です?」

「うむ。貴族とは領民の衆目にさらされるものであり、その子女も例外ではない。貴族の子女が【ヌイグルミ】を手にしていれば、それに憧れた騎士層や富裕層の娘達も欲しがるだろう。そうなれば聡い商人や仕立て屋が【ヌイグルミ】をまねて売り出すたりするようになる。そうして段々と浸透していけば、時間はかかるがお前の望む層の子ども達の手に届くような【ヌイグルミ】も出てくる」


なるほど。貴族はある意味ファッションリーダー的な部分があって、貴族の子女に広告塔になってもらうってことか。


「わかりました。父上の言うとおりに進めていただいて結構です。ところで、ヌイグルミ一ついくらくらいで売るおつもりなのですか?」

「うむ。魔石の代金も含めて金貨3枚ほどだ」


金貨ってきっと高いよな?

この世界に来てからお金自体を見たことが無いし、外出したことが無いから買い物をしたことも無いせいで、金貨の貨幣価値が全然わからないな。


「金貨がどのくらいの価値なのか良く解らないのですが」

「うむ。庶民の暮らしは税金を差し引いた上で、一か月で銀貨20枚ほどで成り立つ。銀貨100枚で金貨1枚だ」


ヌイグルミ一つで庶民が2年も遊んで暮らせるの!?



次の話は明日の10時に更新します。

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