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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
13/124

13 父は領主で偉いんです

なんか短い話ばっかりになってきてしまいました。

もうちょっと頑張りたいと思います。

「父上、ロックです。入ってもよろしいでしょうか?」


親父の執務室の入口にはホーの部下の護衛隊の隊員が左右に一人ずつ立っている。

ホーは護衛隊長だから大抵の場合は親父と一緒にいるし、今も部屋の中だろう。


「入れ」


声とともに護衛の人が扉を開けてくれた。

執務室の中は、大量の書籍と書類、執務机は重厚な木製机の上に書類仕事がしやすいように磨かれて鏡のようになった板状の石が敷かれている。

その横においてある会議用のテーブルも重厚な作りをしており、執務机とデザインを併せて作成されているのがよくわかる。

執務机の上には大量の書類や陳情書、商売の許可願などが置かれている。

素人が見ても処理済みの書類と未処理の書類が非常に丁寧に整理されているが、それでも山積みと呼べるほどの量の書類が積んである。

一人でこの雑多な内容の書類を処理していると思うと、とてもじゃないが領主になる気は無くなる。

光属性じゃないから領主にはなれないんだけど。


でも、書類の山や屋敷の中に居る人を思い出してみても、領主の仕事を他の人に割り振ってるイメージが無いな。

執事が業務をサポートしているとはいえ、ライト家の余剰人員で官僚体制的なものを組んで、各部門ごとに仕事を割り振れば親父本人の仕事量は大分減るんじゃないのか?

浮いてるライト家の人間にも光属性の魔石づくり以外の仕事が出来てWinWinだと思うんだけどな。

この年齢で提案しても聞いてもらえないだろうから、もうちょっと成長したら提案してみよう。


「うむ。この急ぎの書類に目を通し終わるまでそこの椅子に座っていなさい」


と、こちらに目を向けることなく、手に持ってたペンで会議テーブルの一角をさす。

特にこの部屋で出来ることもないし、なんとはなしに父の見ている書類に目を向けた。

どうやら、隣国の大使から商船の港への接舷許可願だ。

俺の知る限り隣国との関係は良好であり、頼まれれば嫌とは言えない間柄だが、問題はそこじゃない。

貿易で成り立っているこの港町の港は常にギリギリで運用を行っており、それぞれの商船が船着き場に接舷していい時間も1時間単位で細かく決められている。

特に河口の両サイドにある港は商業地帯や倉庫地帯に隣接しているため、常に込み合っており、荷物の積み下ろしが終わろうが終わるまいが時間をオーバーすると次にその場所に停泊する予定の船に対する補償金としての罰金が発生するほどなのだ。

おそらく、荷物の積み降ろしのために港の使用頻度を増やして欲しいって内容だろうけど、向こう半年くらい使用予定が詰まってたはずだ。

外交との兼ね合いもあるだろうし親父も頭が痛い話なんだろう。

領主はお金があっても無くても大変だな。

色々考えてる間に、その書簡に対する返事まで書き終わったようだ。


「さて、ロック。お前をここへ呼んだのは、お前の今後の話をするためだ」


おーう。

3歳児に対していきなりヘビーだな。




次の話は明日の10時に更新します。

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