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113 同郷

しばらく日本語で会話が進んでます。

とりあえず、日本語はアクオンとの会話同様『』で進めますが、変えるかもしれません。


とりあえず馬車に入ってから最初にすべき質問は


「アル、君は……」

「ロック様、お察しの通りです」


やはり転生者か。

しかし、前世の記憶が影響しているとはいえ


「俺相手だからいいけど、貴族の言葉を途中で遮るのは危険だぞ?相手によっては無礼打ちにされることもある」

「存じてますよ。ロック様は良くも悪くも人柄まで有名ですから」

「ってことは狙って俺の前を横切ったの?」

「いぇいぇ、そこは本当に偶然ですよ」


それにしては、最後のセリフが狙いすましたかの様だ。


「お疑いですか?前から気にはなっていたのです。せっかくお言葉を賜ったのでいい機会と思い進言してみました」

「場合によってはフーに切り殺されてたかもしれないのにか?」

「視力がほぼないと言うのは、ロック様が想像しているよりはるかに厳しいのですよ。生まれながらならまた違ったのかもしれませんが、私には前世の記憶がありましたから余計に」


死んでもよかったってことか。

確かにこの世界はジャポネに比べると天と地ほど厳しい世界で、その世界で視力が効かないというハンデを背負った状態で今まで生き残れたこと自体が奇跡かもしれないな。


「一応、念のための確認だが『元日本人って認識で良いんだな?』」

『その認識で問題ない』

『日本語だと敬語なしで話すんだな』

『誰に聞かれようとも、まず内容がバレる心配がないからな』


確かにこの世界に存在しない言語であればそれだけで最上級の暗号になるか。


『ちなみに、社会的地位が無い生まれの前世持は、ばれるとたいていの場合が権力者が知識を利用するために攫って奴隷にされた呪術で縛られたりするんだ。これでもばれないようかなり苦労して隠してきたんだ。親は疑ってたがな』

『まて。【隷】属性や【呪】属性は生まれた段階で国家に登録されて、成人してからは役人として働いてるはずだぞ!?』

『何にでも裏があるんだよ』


とんでもない話を聞かされちまった。

情報料払ってパリスに詳しいところを聞いてみるか。

と、その前に、今後は同じ転生者としてアルと深く付き合って行くことになるだろうし、これだけは聞いておこう。


『同じ転生者として生まれにこれほどの差がついている俺を妬ましいと思うか?』

『ド直球な奴だな。まぁ、思わないとは言わないがそれも含めてただの運だ。前世の世界では日本に生まれただけで勝ち組だった。当たりの次にはずれを引いたか、連続で当たりを引いたかの違いしかねぇよ』


妙に達観した奴だな。


『とは言え、同じ転生者として今の生活から救い上げてくれるなら大歓迎だがな。音楽的なことではそれなりに助けに成れると思うぞ』

『そうだ。四分の一オクターブの違いが分かるって、なんか音楽に関わる職業だったのか?』


俺も記憶を頼りにできるだけドレミに近づけようと努力はしたけど、所詮は素人だからな。


『途中まではピアニストを目指してたな。だが、残念ながらピアノで食っていくほどの特出した何かを持ってなかった。それでもピアノと関わっていたくて、必死に勉強して調律師の資格を取ったばっかりだったんだよな~』


ご都合主義すぎる。

これは、神の作意を感じる気もするが時間を遡って転生者を生まれさせたりできるのか?それとも出会うところまで計算通りなのか?

まぁ、なんか神様は生まれた後にわざわざ謝罪(?)の連絡よこすくらいだし、もし作意があったとしても悪い意味はないだろ。


『俺の能力はチートって言うよりは、特殊属性って感じだが、アルは通常とは違う能力はあるの?』

『男なのに【生】属性もって生まれたね。しかも結構強力なレベルで。これが理由で按摩の師匠に弟子入りして生きていく術も手に入れられそうだから良かったよ。運が良いとは思えないけどね』

『え?』

『え?』


お・と・こ?男?漢?野郎でB・O・YでM・A・N?


『華奢過ぎんだろっ!』

『好きで華奢なんじゃない!見た目はともかく腕力と握力は大人にも負けないぞ!』


背は低いし華奢だし髪はちょっとボサボサしてるけど長いし、白いまつ毛も長いし、完全に女だと思ってた!

が、よく見ると庶民が着る服としては確かに男子的な装いだし胸がない。

なにより、よく見ると顔にうっすらと産毛的なひげが生えてもいる。


『ここにきて男の娘とか!ま・じ・だ・ま・さ・れ・た!』

『勝手に勘違いしたんだろ!按摩の師匠に弟子入りする前はこの見た目で危うく貴族に色子として買われそうになったのがプチトラウマなんだから、男の娘って言うなっ!』


おーう。

色子として買われそうになるとか波乱万丈すぎるだろ。


『年齢は?』

『こっちの世界では15歳、前世の年齢を合わせると45らいだな』

『え?前の世界の年齢覚えてるの?』

『むしろ、ロックは覚えてないの?』


覚えてない。

原因はおそらく魂衝突事故のせいだろうけど。

比較対象が無いからどの辺の記憶がないのか、詳細な部分は未だによくわかってないんだが、アルが居ればある程度わかるかもしれないな。

それよりも


『オッサンが男の娘とか!誰得だよ!』

『男の娘って言うな~~~~~~っ!』


この後、フーが分かる言語でしゃべってほしいと懇願してくるまで、二人で今まで吐き出せなかった事の仇をとるかのようにギャイギャイと騒いでた。


アルが女子だと(ry


この世界にも奴隷がいます。

主に借金奴隷と犯罪奴隷です。

【隷】属性が犯罪奴隷、【呪】属性が借金奴隷を縛るために使用されます。

それぞれ

【隷】属性の主要な業務は奴隷へ奴隷紋を刻むことではなく、生け捕りにしてきた騎乗に適したモンスターを隷属させることで、それだけで一般人よりはるかに高額の給料が出てます。

【呪】属性は奴隷紋を刻むのが主要な業務になりますが、恋人同士や主従の誓い等の誓約として利用される場合も多く、一般人からした【呪】属性とは語感よりはずっとライトなイメージとなってます。


って感じです。

レア属性と言うよりは、特定の一族がその属性を絶やさないように血縁結婚を続けてる感じですね。

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