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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
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11 朝の風景(改稿版)

ロックの日常と立ち位置を書きたかったので、この話と次の話はちょっと今まではと毛色の違う話になってしまいました。


6/7 誤字の報告をいただきましたので修文しました。

6/14 口調などを含め一部改稿しました。

9/23 表現や口調・矛盾点等について改稿いたしました。

「おはようフー」

「おはようございます、ロック様。早く着替えないと朝食の時間に間に合わなくなりますよ?また、お父様に怒られたくはないですよね?」

「何度も父上には言ってるけど、日の出とともに起床して、その後、着替えが終わり次第すぐに朝食って言うのは早すぎると思うんだよね」

「まだ眠いからってそんな事言わないでください。世間的にはそれが普通なんです。漁師なんかは夜が明ける何時間も前に沖に向かって船を出すそうですから、むしろ遅い方では?」

「それも何度も聞いてるからわかってるんだけどね~。着替えるから手伝って」

「はいはい。ではまず寝巻を脱ぎましょうね」


フーは護衛も兼ねているので、服装はゆったりとした黒い長ズボンとボタンで前を止める襟の無いシャツの上に黒いベスト。

ブラジャーの類は無いらしく胸はサラシで絞めており、黒い前掛けをしているので、乳母とかメイドと言うより服がぶかぶかの女性バーテンダーって感じだ。

前にそんな薄手の服で護衛とか出来るのか聞いたら、普段着ている服装の黒い布は猫族に伝わる特殊な布でできているそうで、ナイフ程度なら通さないそうな。

なんか前の世界のケブラー繊維っぽいな。

ちなみにみんなが興味津々の尻尾部分は、根元の10センチほどが布で覆われており、尻尾の分の半ズボンがあるイメージでズボンの中は見えないようにいて、ズボンの尻尾部分の形状は男女共通だ。

ズボンを履くときにあの穴にいちいち尻尾を通すのは大変そうだけど、慣れれば問題ないんだろうし、それが無いと穴からお尻が見えちゃう方が問題なのかもしれない。

ちなみに俺の服には防刃能力とかはなくて、ただの高級な布地を使って作られてるんだが、着用の方法や順番が複雑怪奇でいまだに一人で着換えが出来ない。


「ねぇ、いつもフーに着替えさせてもらってるけど、この服って一人で着れる人いるの?」

「いいえ。貴族の服は基本的に従者等が手伝って着用するのが前提で仕立てられてます」


そもそも一人で着替えないのが前提の服なのかよ。

確かに大抵の貴族なら使用人が居て、自分一人で服を着脱したりしないものなのか。

でも、普段着はもうちょっと楽な服を着てもいいと思うんだけどな。

俺がこの世界に生まれてから一人で着ることが出来そうな服装って寝巻だけだぞ。


「どうせ爵位と領地を継ぐのは僕じゃないんだから、もうちょっと楽な服装でいさせてくれないかな」

「領主の子息としての身分を捨てない限りは無理でしょうね。将来的には直系の血縁者として何らかの執務に携わるでしょうし、婚姻する場合も相手の家はライト家の血筋へ娘を嫁がせると考えるでしょう。貴族としての立ち居振る舞いや服装については今から慣れておいた方が良いでしょう」

「・・・わかった。頑張る」


こんな早朝の朝飯前から俺の将来の嫁さんのこととか、超ヘビーな話にまで発展するとは思わなかったよ。

ここでフーに抵抗しても全く意味が無い。

フーに手伝ってもらってさっさと着替えを終わらせ、空腹のために騒ぎ出しそうな胃袋を満たすために食堂へ向かうことにした。


次の話は明日の10時に更新します。

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