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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
105/124

104 約束

読者の方達にはいろいろとご迷惑をおかけしました。

こちらが、当初の予定通り改稿前の話です。

その後、親父殿には一旦怒りを納めてもらい、夕食の時間までお互いの条件について話をしたが、その間に何度か親父殿の眉毛が跳ね上がってた。

なんていうか、殺されかけてるんだからパリスも軽口叩くのを辞めればいいのに、もう治らないんだろうな。


1つ。エッペンパリスファルティマンは以下の条件を満たす魔道具の開発を行うこと。ただし、情報の管理を徹底する限り他者に委託することは可能。

 ・ 魔道具は魔石交換により再利用が可能であること。

 ・ 魔石への記録と再生は別の魔道具とし、再生の魔道具にかけなければ内容を聞けないように細工すること。

 ・ 必要があれば呪文の開発も行うこと。呪文開発を行った場合はロック・ライトは呪文発動の実験に協力するものとする。

1つ。魔道具にかかる開発費については全てエッペンパリスファルティマンの負担とする。

1つ。魔道具の設計図及び資料等は原本を全てロック・ライトへ提出すること。

1つ。今後、エッペンパリスファルティマンはロック・ライト及びライト家に関する情報を能動的に探らず、受動的に入手した情報も他者へ売り渡さないこと。

1つ。エッペンパリスファルティマンが入手した情報において、ロック・ライト及びライト家にとって有用、もしくは有効利用可能であると判断される情報があった場合、優先的にロック・ライト及びライト家へ情報提供を行うこと。

1つ。ロック・ライトは開発した魔道具に必要な魔石の貸し出しを行う。金額は1つにつき銀貨1枚とする。ただし、エッペンパリスファルティマンが新たに魔石を借り受ける際は、使用済みの魔石全てとの交換とする。エッペンパリスファルティマンが使用済みの魔石を手元に残したい場合は該当の魔石を買い取ることが出来る。金額は金貨1枚とする。

1つ。契約当事者はお互いを直接・間接を問わず害さないこと。

1つ。一度に提供する魔石の個数についてはその都度ロック・ライトとエッペンパリスファルティマンの間で調整を行うこととする。

1つ。この契約は原則としてロック・ライト及びエッペンパリスファルティマンの当事者間のみとし、この契約を理由に他者が魔石及び情報の提供を受けることはできず、求めに応じる必要は無い。

1つ。この契約はロック・ライトの意向もしくは当事者の死亡によってのみ解除される。

1つ。この契約に記載されない事案が発生した場合は当事者間の同意をもって決定することとする。

1つ。この契約は締結された日を契約開始日とする。


うーむ。

こうして箇条書きにしてみるとビックリするほどの不平等契約だ。

俺とライト家に関する情報は貰い放題に追加して、貸し出した魔石に込められた情報も取り上げて、その上魔石の賃貸料を取りまくるのか。

その上でパリスは魔石の使用のみか。


「うむ。内容は決まったな。ホー、『契約の石版』と皮紙をもて」

「本拠地じゃないのに『契約の石版』あるとはさすがライト家っすね」


えっと、アーカイブにあったかな?

ああ、あったあった。

石版自体が魔道具で契約が履行されなかった場合に懲罰があるのか。

どういう原理かまったくわからんが百科事典に属性が判明してないって書いちゃっていいのかな?

何か聞き逃しが有ると嫌だから後でもう一回聞いて勉強しなおそう。


「うむ。『契約の石版』を出されても動揺せんとはな」

「商売柄、信用を示す必要もあるっすから。『契約の石版』を持ち出されるのも今回が初めてじゃないっすからね。ここまで一方的な内容も珍しいっすが、世界に効果の知れていない魔石とそれを使った魔道具のメリットは計り知れないっすからね。奴隷契約じゃなければ契約を交わす覚悟は何時でもあるっす」


あ、奴隷契約とかもこれでやるんだ。

そもそも、思い返すと奴隷事態をみたことないな。

奴隷制度があって家は貴族なんだからそれなりに居てもおかしくないはずだと思うんだけど、その辺どうなんだろう?


「うむ。ロック、『契約の石版』を使用して締結した契約は不履行が有ると額に印が出る。お前に印が出た場合は、その場で契約終了を口に出して宣言すればよい。パリスが契約を終了したい場合はお前に相談することになる」

「まぁ、貴族との契約ってのは大抵そんなもんっすから。このパリスがきっちり契約を守れば良いだけなんで、旦那は何にも気にしなくても大丈夫っすよ」


別にパリスの事は全然気になんてしてないけどね。

この世界に来てから魔道具らしい魔道具を使うのはこれが初めてだからちょっと緊張してるだけだ。


「親父殿、この契約だと魔道具の完成に期限がついてないですが、その辺は問題ないですか?」

「うむ。新たな魔道具開発は必ず期限通りに完成するわけではない。期限を切って完成しなかった場合、都度、更新の手続きを行わなければならなくなる。また、開発に着手しなければ契約不履行になるが、完成するまではパリスの持ち出しになるため、完成にこぎつけなければ損失が出てしまうため、それがパリスを縛ることになる」

「そうっすよ。魔道具開発なんて一体いくら金がかかるかわかんないっすからね。ちゃんと完成させて利益を上げてみせるっす」


パリスが良いって言ってるなら別に良いか。

最悪、魔道具が完成して設計図を受け取り、動作を確認したらすぐに契約を解除してしまえば良いんだし。

まぁ、それをするとこっちも有用な情報が自動的に入ってくる契約をフイにすることになるから、本当に最後の手段だけど。


「うむ。では、私が立会人となる。ロックから名前と血判を押しなさい」


そういうと親父殿は契約書2枚を石版の下に挟み俺を促した。

親父殿に促されて俺は石版に備え付けられているインクとペンで盤面に名前を書く。

この石版、ご丁寧に血判を押すために指に刺す針まで備えてると言う新設設計だ。

いや、痛いから全然嬉しくないけど、ナイフとかで切れ込みを入れるよりはいいのか?

病気の人間がこの針を使ってたら感染とか怖いけど、大丈夫なんだろうか?

心配してもしょうがないので、ちっちゃな針に親指を押し付けてから血を絞りだし、自分が書いた名前の横に押し付けた。


「うむ。ではパリスだ」


パリスは馴れてるのか俺みたいに逡巡したりせず、親父殿に促されるままに名前と血判を石版に記した。

それを確認してから、親父殿が同様に名前と血判を押すと、石版が微かに光を放ち、すぐに収まった。


「うむ。両者一枚ずつ契約書を取ってこの契約を締結したものとする」


こうして俺はパリスと情報と魔道具と魔石に関する契約を締結した。

親父に殺されなかったパリスも、納得の行く契約だったのかほくほく顔をしながら『冥土の土産は必要なくなったんすけど、契約締結のお祝いとしてカヤヨ男爵の料理を味わってみたいんですが? 』とかのうのうと言ってきた。

だが、親父殿による食事の席での会話でから情報を仕入れるかわからないと言う判断のもと、厨房に声をかけてカヤヨさんの料理を包んでもらって持たせて帰らせた。

まぁ、契約の内容はお互いWinWin?だと思うから、親父殿も矛を収めてパリスの言うことを聞いてやったんだろう。

そうそう、俺に料理の話を聞くために料理をしに来てくれたカヤヨさんとは、食事の後にゆっくり話した。

俺のうろ覚えのマヨネーズのレシピとか、ソースはいろんな野菜と香辛料を煮込んだものを絞ったものだと言う、これまたうろ覚えの調味料系の話をしたら、かなり食いついてきた。

その後、この前のパーティーではラーメンやパスタなんかの小麦粉の麺料理が無かったのが気になったので、聞いたらそういうものは伝わってないそうだ。

とりあえず俺の知識で覚えてる範囲で、塩、水で練って繋ぎに卵を使い、細長くしたものを茹でて、何らかのソースをからめて食べると言うことを教えたら喜んでた。

この前のパーティーの時のお好み焼きは、小麦粉に具をぶち込む実に家庭的な形状をしてたが、小麦粉料理とかあれば思いつきそうなもんだけどな。

類記憶を話したら、調理済みの料理を置いてこっちの挨拶も聞かずに嵐のように去って行ったよ。

前の世界の俺は、基本的に食べる専門だったし、食に対するこだわりは3食全部カレーが3日間続いても行ける程度だし、得意料理はお湯を注いで3ミニッツ待つあれだ。

いや、もちろん不味いものより美味い物が食べたいし、カヤヨさんの作る料理は懐かしさを感じるが、アクティブに食を求める感じではない。

飽食の国ハポンに生まれてたからと言って、必ずしも食に対するこだわりが強くなるわけではないのだ。

俺の唯一のこだわりはお湯を注ぐ焼いてないソバ(ソース味)は3ミニッツでは無く4ミニッツ半待ってかなり柔らかくしてから食べるのが好きだと言うことだ。

むしろ、緩くなったお湯を注ぐあれの触感が非常に懐かしい。

そんな俺がネットでチラ見した程度のうろ覚え知識に何も期待しないで欲しいものである。



契約内容については穴が無いようにと考えながら作りましたが、問題点があった場合は書き直す予定ですので、変なところが有ったらご指摘いただければと思います。


脳内アーカイブに【魔法・魔術・魔道具(共通項目)】と【契約の石版(魔道具)】を追加しました。

【契約の石版(魔道具)】は話の筋で何らか契約方法が必要で()()()()使用によって設定した魔道具なので、設定がちゃんと詰まってないです。


先に投稿した104・105話については作者が思い余ってブチ切れた黒歴史として封印させてください。

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