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七回忌  作者: nats_show
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(5)

 半年ほどの憂鬱。

 消えていった影。

 すべては、何事もなかったように動いている。


 あの日、電話を受け取った僕は、自分の匂いの染みついた布団にただくるまっていた。

 それから、おもむろに起きあがると、同級生の彼女の家に出掛け、一万円を渡して立ち去った。


 何も変わらない、と彼女は言った。

 確かにそうなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。ただ、ぼおっとした頭で彼女を励ます。

 そして、静かに列車は故郷へ帰っていった。



「結婚なんてしたくねぇなぁ」

 京都の町に雪が降る。

「そう?」

 ちょっと淋しそうに彼女はつぶやく。

 誰かのため、と考えれば生きる意味だってあるに違いない。


 交差点からふと見上げると、双ヶ岡にはそれでも緑が残っていた。

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