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七回忌  作者: nats_show
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(3)

 湿った布団にくるまる僕。

 今時エアコンもない生活なんて馬鹿げている。


 今日も一日無為に過ごす。

 何かに反抗するわけでもなく、目的も理由もない毎日に、僕は飽き飽きしている。


 四月、僕は太秦を歩いた。潰れた喫茶店で二時間余り、そこにいた仲間との想い出なんてどうでもいいと思っていた。

 広隆寺の特別拝観も何度も見ていたし、蚕の社に至っては普段の散歩コースだ。かつて30円コロッケを買いに行った肉屋の前を通り過ぎ、やたら息子の話ばかりする古本屋を覗いて、乗り心地の悪い電車の駅へ。

 そう、あれはまだ四月。


 「大学生になったからには」、誰かがそんなことを言ったかもしれない。

 あるいは、僕だったか。


 何となく世の中には逆らってみる。それも知的にやれたらかっこいい。

 だから教室には行かずに喫茶店で語り合え、学生よ。

 …そんな牧歌的な主義主張がふさわしい場所が、今でもどこかに転がっているのだろうか。


 そして、やたらと重い僕の瞼に、何かが張りついた。


 S&Gなんて聴いてみようか。

 もちろん、そんな話はないけどね。

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