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 インポッシブル エンディング

 かなり書き足しました。よろしくお願いします。


「ううん……」


 華さんが目を開いた。


「きゃっ」


 華さんは僕から離れると服を着てない事に気づき体を隠す。


「僕の服を着て」


 僕は背を向けてシャツとパンツを脱いで渡す。


「夢を見てたようだったわ」


 それから華さんがその身に起きた事を話してくれた。カルマと契約したのは2年生前で、ここ数ヶ月は自分で自分を抑えられなくなって、ポツポツと記憶が抜け落ちてるとこがあるそうだ。

 スパサラに帰り道を教えて貰って出口へと向かう。猫が喋る事に華さんは驚いてたけど、僕の神という事ですぐに納得した。無事外に出られたけど、目立たないように暗くなるまで待ってタクシーで帰る事にする。

 スマホがかかってきて出ると桃。


「兄貴、大丈夫だったのか?」


 僕も華さんも無事だという事を伝えて、場所を伝えて華さんの着替えとスマホを持ってきてもらう。これで待たなくても帰れる。桃と舞ちゃんがタクシーで来て、華さんは着替えてまずは華さんの家に。またスパサラはどっかに逃げた。華さんのマンションは野次馬と警察に囲まれてたけど、華さんが住民である事を伝えるとマンションにはすんなり入れた。華さんは荷物をトランクにまとめ、業者に部屋の修理を頼んで、ホテル暮らしするそうだ。さすが金持ち。それから華さんが借りた部屋で桃と舞ちゃんに事の次第を説明して黙ってるようにお願いした。半信半疑だったけど、華さんが変身したのを見てたので納得してた。舞ちゃんは大丈夫そうだけど、桃はおしゃべりだから心配だ。そして、僕と桃は帰宅した。桃と別れ自分の部屋に行くと、黒い猫スパサラと、白に黒い柄の見知らぬ猫もいる。やな予感がする。


「やあ、すこしぶり。私だよカルマだよ」


 後ろ立ちになった猫の柄はバニーガールみたい。僕は身構える。


「心配しなくていいよ。私は君の眷族になったんだよ」


 カルマと舞さんが負けを認めた事で、彼らの力は僕に奪われ、カルマはほぼ普通の猫だそうだ。神だったので、姿を消す事くらいしかできない。言われて試してみると、カルマペンを自由に出し入れ出来るようになってた。けど、微妙な能力だな。書いた漢字一文字の欲望を増幅する能力。

 スパサラ言うには、これからも神の使徒が現れたら倒して、その力を奪って行くしかないらしい。僕は平和主義なのに、ほとんどの者は使徒になったら他の使徒を倒して力を奪うように神にそそのかされてそうするそうだ。勘弁して欲しい。スパサラは疫病神なんじゃないのか? それに使徒を倒す度に猫が増えてくのか?

 あと、スパサラが調べたとこ、僕が使徒って事は国にはバレていて遠くから監視されてるそうだ。色々もみ消してくれて、僕への対応は協議中で、近々接触があるかもとの事だ。なんか自分の事ながらなんとも言えない気分だ。


 まあ、けど、僕はとってもツイてないけど、スパサラのお蔭でその不幸をひっくり返す事ができるようになった。どんなに不幸でも、その分、後から帰ってくると思えるようになっただけでも良かったと思う。

 それに、妹とくらいしか話した事ない僕に、数人女の子の友達ができた。それだけで、僕は十分幸せだ。





 それから数日後……


「それで、困ってるのは……」


 僕の前にはアイドルの栞さん。相談があるって事で、しんみり系のカフェに呼び出された。ここって高いんじゃないの? 割り勘って言われたら払えないかも……なんか女の子にたかってばっかだな。俗に言うヒモってやつなのか?


「あー、陸くん奇遇ねー」


 奇遇じゃないよね。華さんが図々しく僕の隣に座る。もしかしてストーカーってやつなのか?


「あー、あなたアイドル」


「あ、配信者の……」


 初対面の二人は名刺交換なんかしてる。そっか二人とも働いてるからね。大人だなー。なんか置いてかれた気分。二人が話してて暇なので窓側を見ると読書してる女の子。目が合う。げ、もう1人の志織だ。席を立ってこっちに来てる。


 カランカラン。


 喫茶店の扉が開く。なんで奴がここにいる。妹の桃と舞ちゃんだ。


 なぜ、なぜ僕の栞さんとの初デート? に知ってる美少女全員が揃う? 打ち合わせでもしてたのか? 僕をからかうためにみんな結託してるのか? いや、そんなはずはない。みんな初対面っぽいし。もしかして、僕が誇る超不幸か? え、300ポイント? 最高ポイント。最高の修羅場が待ってるのか?


 僕らは広い席に移り、僕そっちのけで、女の子に同士自己紹介しあって、めいめいに自由に話している。あのー、栞さん困ってるんだよね。なんかめっちゃ楽しそうなんですけど。悩みって友達居ないとかなの? 騒がしくてめっちゃ目だってるんですけど……


「兄貴の能力知ってる人ー」


 桃の言葉に全員挙手。そうだよね。それからはヒソヒソ話に変わった。静かになったけど、これはこれでなんかやだ。


「それで、栞さん、うちの旦那に何か用なの?」


 華さんの言葉に場が凍りつく。旦那とは、ハズバンドの事だよね。結婚した相手。僕は結婚してないって。もしかして僕は華さんのイマジナリー旦那になってるのか?


「旦那って、陸くん、つき合ってるの?」


 冷たい口調の栞さん。


「そんなわけないじゃん」


「えー、酷い。こないのよアレが」


 アレがこない? 僕だってそのセリフの意味は知ってる。どうしたんだ華さん? それってただの不順だよね。僕はDTだから子供ができるはずがない。子供ができる行為にはめっちゃ憧れてるけど。


 けど、その言葉の力は凄まじい。華さん以外は身を仰け反らせて僕から距離とってる。美少女たちの冷たい視線が突き刺さる。さすが300ポイント。怖い。ちびりそうだ……


「兄貴、高校でおばちゃんになるのはヤバいって」


 気丈な桃ですらドン引きしてる。いつもだと首を絞められる流れなのに。


 僕は高校生。それで子供作ったとかだったら鬼畜だもんな。華さんにはちゃんと言わないと。


「華さん、みんな誤解してるから、冗談は止めようよ」


「冗談、そんな事ないよ。病院行ったら……妊娠してるって……」


 華さんがポッと顔を赤らめて俯く。小声だったけど、確かに『妊娠』って言ったよね?


「訳わかんないって顔ね。私はその、あの、シた事は無いんだけど、学校で撃たれたわよね。あの時の弾、陸くんのあ、アレを通ってきた訳で、それで、たまたま、上手くできちゃったみたいで……病院の先生が言ってた」


 華さんは真っ赤。他の女の子は絶句。


 まじか。たまたま、たまたまを通った弾で、たまたま妊娠したって訳か? じゃ、僕、高校生でパパになるの? DTパパ?


「クッハハハッ!」


 桃が吹き出す。


「兄貴、クソ格好ええーっ。ドーテーでパパになるのか? ウケるー。けど、最高だなー。華と兄貴の子供、絶対可愛いよ」


 さっきは叔母さんは嫌って言ってたのに手のひら返し早すぎ。


「ねぇー。パパ、産んでいい?」


「いいにきまってるじゃん。正直、衝撃が大きくて、混乱してるけど、嬉しいよ。僕に子供かー」


 それから何があったのかあんまり覚えてない。夢見心地でフワフワしてた。そっかあの時の弾丸には超幸運が詰まってたのか。僕はパパになるのか。嬉しいけど、不安がいっぱいだ。頑張らないと! 


 けど、DTパパ……



  おわり


 読んでいただいてありがとうございました。また、次回作もよろしくお願いします。

 少しでも楽しんでいただけたなら、ブックマークと、下の☆の評価を少しでもいただけたらとても嬉しいです。

 

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