インポッシブル ファイブ 8 後
「くっ、あと50ポイント」
目の前には化け物が倒れている。なんか足元には光る魔方陣が書いてある。その光る塗料みたいなのを足でゴシゴシしまくると、光が消えた。なんだったのか詳しくはわからんけど、カルマ作のろくでもないものだったのは確かだろう。
「あー、やっと解放されたわ」
黒猫スパサラがいつの間にか足元にいる。
「おいおい、お前、何やってたんだよ?」
「カルマの動向を調べてたら、魔方陣に取り込まれちゃったのよ。あれって厄介だったのよ。神気、霊気、妖気その手のものを吸い込んで変換するものだったのよ。うわっ、何あれ? 鬼?」
「なんか、華が変身した」
「えっ、まじ? あ、カルマと合体したのね。普通の人間は神の器にはなれないからしょうがないわね」
「あれ、なんとかならないのか?」
「無理ね。完全に混じってしまってるから」
「相変わらず使えねーな。お前には期待しねーよ」
俺は化け物に向かって歩を進める。奴はビクンと震えると、ユラユラと立ち上がる。しくじったか、さっきの魔方陣は化け物も捕らえてたみたいだな。
さっきスパサラは、カルマと華が完全に混じってるって言ってた。今は華は化け物の姿だけど、それに違うものを混ぜればまた違う形になるんじゃないのか? できればビューティフルな姿に戻れば意識が戻るんじゃないのか? スパサラは猫形態じゃないときは可愛い女の子だった。これ混ぜればいい感じになるんじゃないか? 俺は黒猫スパサラを掴む。
「あんた何してんのよ。猫の首根っこ掴んじゃだめって学校で習わなかったの?」
ギャーギャーうるさい猫だ。
「お前、猫じゃなくて神なんだろ。少しは役立て。混じってこい!」
「ふにゃーーーーっ!」
俺は思いっきりスパサラを化け物に投げつける。やはりな。スパサラはぶつかると吸収されていった。
「ぐわ、なんだっ!」
俺も凄まじい勢いで化け物に吸い込まれる。当たるが衝撃もなく吸い込まれた。
「あんた、ばか? あたしとあんたは一心同体なんだから、あたしが合体したら、あんたも合体するわよ」
闇の中スパサラの声が聞こえる。そうか、俺も化け物と同化したのか。それなら好都合だ。
「クソカルマ、華と分離しやがれ」
「無理よ。混ざったものは戻らないわ」
「そんなの知るか! 俺に不可能は無い! 華とカルマ、分離しろ」
「ちょっと待って、一部、ほんの一部混じってないとこがあるわ」
まじか、混じってないとこがあるなら、そこからペリッと分離できるんじゃないのか? やるだけやる。今の俺には幸運がついてる。やった事が全て最高の結果を生むに違いない! 目の前に小さな光が見える。もがいて、そこに近づき光に手を当てる。ここから分離させてみせる!
「戻ってこい。華! みせてやる! 愛の力っ!」
光を中心に何かが形作られ始める。それはみるみる大きくなり華の形になる。その手を取り、俺は前を蹴りつける。背中で何かが破けたような感触。そして、俺は地面に投げ出された。目の前には化け物。その腹がおおきく破けている。そこから突き出してる白い手を俺は掴んでいる。力を入れ引き出すと、ずるりと華が出てくる。華を抱き締め。後ろに下がる。
「まさか、こんな陳腐な奇跡が起きるとは……」
化け物の声はカルマの声。直立してた化け物はゆっくりと後ろに倒れる。裂けた腹から黒猫も出てくる。そして、化け物は黒い炎みたいなものに包まれて煙になって消え去った。
「ミッションコンプリート!」
なんか訳わからないが、上手くいったみたいだ。多分カルマは滅んだんじゃないだろうか?
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