インポッシブル ファイブ 6 後
「私は力が欲しかった……」
華さんが呟く。
ビクンと華さんの体が震えると、その体が爆発したかのように見えた。服が弾けて落ち、一瞬だけ残像のように裸が見えたような? コマ送りで見てみたい。
華さんが巨大化した? 黒い、まるでよじれた巨木のような体。天井ギリギリまで膨れ上がり、その上に可憐な華さんの頭が乗っている。なんだ、何が起こってる? 物理法則がおかしい。けど、マッスルな肩に注射の跡みたいなのがある。華さんの体が進化したのか? という事は俺は華さんのフルヌードを拝んでるのか? う、嬉しくないな。嫌な予感がするから、立ち上がりジリジリと後退する。
「もっと可愛くなりたかった……」
いやいや、もう十分可愛いって。けど、女の子って自意識低い事多いよな。可愛いのに、自分は可愛いくないって思ってたり、痩せてるのに自分は痩せてないって思ってたりする。どうしてだろう。
次は目に変化が。どんどん目が大っきくなってる。顔の半分を超え、さらに膨れ上がり、顔からはみ出しても大きくなる。止まった時には、頭に頭と同じ大きさくらいの目玉が二つついている。何かに似てる。トンボ。そうトンボみたいだ。確かに目が大っきい方が可愛いって言われがちだ。けど、限度がある。華さんだったものが僕を見てまばたきする。ブラシのような睫毛が生えている。キモいと言うか怖い。
目の前には、ファンタジーでゴーレムとかタイタンとか呼ばれてる硬質っぽいずんぐりむっくりな筋肉ボディにトンボの頭みたいな肉塊が乗った醜悪な化けもの。
「みんなコロスコロスコロスコロス。コロコロコロコロコロコロ」
やばっ。華さん、間違いなく頭もバグってる。
「華さんしっかりするんだ!」
俺は醜悪な目を見つめる。華さんは首をコテンと傾げる。可愛くないよ。
「華は私、私は華、私はコロスコロス、私はコロコロ。私はコロコローッ! コローーーーッ!」
ドゴン! 華さんがテーブルを蹴ったと思ったら、俺の横を高速で飛んでいって後ろに衝突する。ヤバっ。全く反応できなかった。コントロールが悪くて助かった。あの筋肉っぽい体は見せかけじゃないって訳だ。まずいな、桃と舞ちゃんは寝たままだ。二人をかばいながら逃げきれる自信がない。倒すか? いや、形を変えてもあれは華さんだ。どうにかした戻るかもしれない。けど、戻るのか? どう見ても骨格が変わっている。元に戻るんだろうか?
「コロコロッ!」
華さんが床から何かを拾って投げる。見えない早さで後ろの壁に当たる。考えるのは後だ。今をなんとかしないと!
【インポッシブル・ファイブ! 欲望に堕ちた魔神コロコロを倒せ!!】
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