インポッシブル ファイブ 6 前
「撃つわよ。どきなさい」
華さんがキッと桃を睨む。キリッとしてて美しい。
「嫌よ。撃つならあたしを撃ちなさいよ!」
ああ、なんか嬉しい。美少女二人が僕のために争ってる。僕は罪作りな男だな。こういうシチュ憧れてたんだ。
「あんたの欲望の色は、ヤバっ。この娘、撃ったら凶暴化するわ。多分、私たちやられる。カルマっ!」
「華、大丈夫。寝かしつけたよ」
桃が力を失って倒れる。それをカルマが支えている。そして、床に横たえる。カルマの手にはペン。やりやがったな。姿を消して桃のどこかに『眠』の字を書いたんだろう。
「ちょっと卑怯よ。スピー」
舞ちゃんの声、途中で寝息に変わった。寝かしつけられたのか。厄介だな。けど、なんで? 直接僕に文字を書けばいいのに? カルマが光って消えて、華さんの手には弓が現れた。ファンタジー的には、カルマが武器になったのかと思ったけど、見えなくなって隠れてただけだった。なんか裏をかこうとしてるようなセコさがみえる。もしかして、カルマの力って強くないんじゃ? 策を弄さないと戦えないのでは? それに、今までは近くに居るだけでみんな欲望増幅で少しおかしくなってたのにそれがない。なんかカルマは弱ってるように感じる。
「陸くん、ごめんねー。あなたの力、私が貰うわね」
ほら、そのセリフ、言う前に撃てばいいのに。けど、もうやるしかない!
「インポータント・インポッシブル!」
ヒュン!
俺が唱えたのと矢が放たれたのは同時。けど、即座に反って片手ブリッジして片手でマスクをはめて戻る。それから立て続けに矢が放たれるが、ジャンプして避け、身をくねらせて避け、屈んで避ける。
「なんで当たんないの?」
「なんで当てられないんだ? ヘボなのか?」
「カルマっ!」
「おっとあぶ……」
右手に何かが触れたから、急いで身を引くと、ペンを手にしたカルマ。書かれた! 見ると細長い『貝』の字。『敗』の字を書いてる途中で回避出来たって事か。口が動かなくなったけど、擦って消したらまた動く。『貝』のように黙るって事か。
「華、一回仕切り直そう。こうなった彼は私たちでは倒せない。時間を稼いで解けるのを待つんだ」
「ダメよ。それじゃ陸くんは負けを認めない。正面から倒さないと意味が無いわ。カルマ、やるわよ」
「駄目だ。まだ早い。今の華の力じゃ制御できない」
「やってみないとわかんない。カルマ、力を貸して!」
華さんが声を張ると、華さんの手にしてた弓とカルマが光って粉になってくるくる回りながら華さんに吸い込まれていく。魔法少女の変身かよ。
「上手くいったわ。私はカルマの力を取り込んだわ」
華さんは笑う。けど、その目がおかしい。ガンギマったように見える。
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