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 インポッシブル ファイブ 4


「げっ、はずっ……」


 舞ちゃんから借りた鏡に映るのは、髪をかき上げた額にうっすらと『肉』って文字が書いてある僕。これって昭和の伝説的アニメのヒーローのトレードマーク。子供内では、居眠りした友達の額に『肉』とか『米』とか『中』の文字を書くのが流行ったという。これ、油性マーカーだったら洒落になんないんじゃないのか? 消えないかなー。え、字が消えてく? 薄くなって見えなくなった。桃と密着してて少しムラムラしてたのも消える。肉より、カレー食べたい気分になる。なんて危険な能力なんだ。人の心を弄んでる。今確かに僕が消えろと思ったら消えた。僕が使徒だから? 僕がカルマの使徒? そんなはずは……

 確かに全てのトラブルに深く関わったのは僕だけ。けど、カルマの力はマーカーで文字を書かないととか言っていた。僕はマーカーを持って……手にマーカーが現れた。『消えろ!』マーカーは消えた。『出ろ』また出てくる。


「ちょっと手を出して」


「え、何、やめれ。くすぐったい」


 桃の手のひらに『眠』という漢字を書く。


「ふぅわぁあああ。眠っ……くかー」


 うわ、なにこれ。すかさず寝たよ桃。どうでもいいけど、これって油性なのか? 僕は桃の手のひらの『眠』の文字をこする。


「何すんだよ。バカッ!」


「いたっ」


 即座に頭を叩かれた。けど、凄い。これは本物だ。


「なにそのペン?」


「手出して」


 舞ちゃんの手には『笑』の字を書く。


「キャハハハッ。なに、なんなのよこれ」


 舞ちゃんが手のひらを擦って字を消すと、笑いは止まる。


「これ、カルマのマーカーみたい。いつの間にか持ってた。今みたいに字を書くと、その欲望が増幅される力がある」


「なんだそれ、ヤバっ。あたしにも貸せ」


「ちょっと、それ、もらっていい」


 二人が手を伸ばしてきたから、ペン消えろって思ったら無くなる。


「で、兄貴、それどうしたんだ?」


「わかんない手にもってた」


「じゃ、もしかして……」


 いつの間にか知らないうちに僕はカルマのマーカーを持っていた。もしかして、僕は知らないうちにこれで他人に迷惑をかけてたんじゃ? もしかして、僕には僕が知らないもう一つのサイコパスな自我があって、僕が眠ってる時とかに暴走してるとか……

 とにかく、早く家に帰ってスパサラに聞いてみよう。

 僕は自分で自分が信用できない。だけど、確かにスパサラに会う前には、周りのみんな死んでしまえばいいのにとか、でっかい隕石でも落ちてきて世界が破滅すればいいのにとか思ってた。特にイチャつくカップルとかを見てた時。けど、今は違う。どんなにツイてなくても、最終的には帳尻が合うって信じてる。もし、スパサラの力が無くなったとしても、不運な日々を過ごしても、絶対にいい事があるって信じられる気がする。そんな僕が、カオスの使徒として悪さしまくるのだろうか? けど、僕は僕だ僕自身が信じられない。

 

「兄貴?」


 桃が僕の顔を覗き込んでる。


「なんで、桃、僕から離れないの? カオスの使徒かもしれないんだよ。今日酷い目にあったのは全部僕のせいかもしれないんだよ?」


「はぁ? お前がそんな事する訳ねーだろ。こっちは付き合い長いから知ってんだよ。お前はヘタレだ。人様に迷惑かけれるほど根性ない。もし、そんな根性あるのなら、いつもウジウジしてねーだろ」


 確かにそうだ。僕は根性無しだ。人を傷つけるくらいなら、自分を傷つけるだろう。


「まあ、少なくともあたしは信じてるよ。お前があの変態の手下じゃないってね。まあ、今の格好は、あいつとあんま変わらんけど」


 桃、言ってる事は嬉しいんだけど一言多いんだよ。早く家に帰って着替えたい。


「そうよねー。お兄さんがそのカルマの使徒ってやつなら、自分で自分の足引っ張ってるようなものだもんね。なんかおかしいと思うわ」


 舞ちゃんも僕を信じてくれてるみたいだ。

 二人とも僕を信用してくれてる。それなのに、なんで僕は僕を信じられかったんだろう。僕も僕を信じる。それなら、カオスの使徒は……


 僕らは無事列車を乗り継いで家まで帰ってきた。途中何度もナンパされたけど、桃の黄金の右足が火を噴きまくった。まじ、よく警察の厄介にならないな。あと、スパサラは呼んでもこない。何してんだろう? 本当に役立たずだ。

 僕と桃はシャワーを浴びて着替えて、舞ちゃんの家に向かった。舞ちゃんも着替えて、僕らはカオスの使徒と思われる人の家へと向かう事にした。家はたまたま舞ちゃんが知っていた。中学の部活の先輩だったそうだ。危険かもしれないから二人には帰るように言ったんだけど、巻き込まれた以上、どうなるか見たいと押しきられた。まあ、桃が言いだしたら、いつもの僕ではどうしようも無いからしょうがない。金的やローキックは勘弁して欲しい。あと、舞ちゃんには桃の服代とか、移動に使ったお金とか借りてるから逆らえない。ポイントが貯まったら、スクラッチで返してやろうと思ってる。驚く顔が楽しみだ。ポイントはナンパにあう度にほんの少しづつ増えて45。たいした奇跡はつかえない。それにスーパー状態は五分保つかどうか。もっと溜めたいとこだけど、カルマの使徒を放置したらもっと面倒くさい事になりそうだから突撃する事にした。


 読んでいただきありがとうございます。


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