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 インポッシブル ファイブ 3


「あなたの妹ちゃん、めっちゃ強いわねー。あの娘をわたしの使徒にしとけばよかったわ」


 人っ子一人居ない列車の座席の向かい側に変態がいる。なんかバニースーツが派手になってて、大胸筋が発達した胸の先端にはキラキラしたボタンからキラキラしたピラピラが飛び出している。なんか母乳が吹き出してるみたいでキモさ百倍だ。リオのカーニバルかよ。

 窓の外は田園風景。雲一つ無いのに薄暗く感じる。

 僕たちは家に向かう列車に乗ったとこだった。そこそこ込んでる車内でなんとか座ったとこで、疲れが出たのかウトウトしてたとこだ。


「なんの用なの? ここどこなの?」


 なんかバトルする的な事言ってたのに、なんで目の前に現れるんだ?


「ここはあんたの夢の中よ。アンフェアだから、ヒントあげに来たのよ。ここにいるわたしは実体じゃないわ。遠くからオラクルしてるだけ」


 夢にまで出てくるってなんてやな奴なんだ。それなら多分僕は今うなされてる事だろう。


「おらくる?」


「うもぅ。サラちゃんオラクルも教えてないのね。オラクルって神託って意味。神の言葉を伝える事よ。結構ポイントを使うから勝手が悪いんだけど、こういう時に便利よねぇ」


「えっ? スパサラからそういう事された事一度もないんですけど?」


 つい、奴の風体に推されて敬語になっちゃう。


「だからぁ、ポイントが重いんだって。あんたんとこのサラちゃんは、あんたの幸運のポイントを使ってるから、すっからかんにしたら何もできないのよ」


 ん、僕のポイントを使ってる? もしかしてスパサラって僕に寄生してるのか? まじ役立たずな妖怪だな。


「それで、わたしは気付いてもらいに来たの。あんたも気付いてるでしょ。わたしの使徒が誰なのか」


 え、こいつの使徒って僕が知ってる人なの? まじか、という事はあいつか?


「もしかして、ケイシなの?」


「違うわよ。あたしの能力は相手の希望を増幅する文字が必要なの。あの時あんたに襲いかかってきたお兄さんたちには『暴』の文字が書かれてたのよ。彼には書く暇ないわよ」


 カルマの手には一本のなんの変哲もないマーカー。


「なんで、そんな事教えてくれるの?」


「それは、あなたにわたしの使徒が誰か思い出してもらうためよ。ほらほらよーく考えて。誰ならできたかを」


 最初に栞と会った時は多分こいつはかかわってない。

 バラムツ食べて漏らした時に居たのは、ケイシ、ケイシの取り巻き、華さん。

 学校ジャックの時は、クラスメート全員。

 華さんがチャリぶつけてたのは、こいつがかかわってたのかわかんない。

 志織の家では志織と志織家族。

 エロコスプレ撮影会の時は、もう一人の栞。

 桃が攫われた時は舞と桃。


 んー、関わってる人がバラバラだ。けど、この中の誰かがカルマの使徒。人の欲望を増幅させてたクソヤローがいるって事だよな。クソと言えばローキックマシーンの桃が怪しいが、学校も違うし、全部に関わってたとすると無理がある。それに、桃はひねくれてるけど悪党じゃない。

 

「本当に僕の知り合いにいるの? カルマさんが言ってる事が本当って保障ないわけだし」


「わたしを疑うの? わたしは神の一柱よ。神って面倒くさいルールがあって。嘘をつけないのよ」


 うん、よくラノベとかでそういう設定ある。まあ、けど、カルマが僕を騙してメリットはあるのだろうか? 考えても答えが出ないから、嘘はついてないって前提で話してみる事にしよう。


「僕と親しい人なの?」


 あんまり話した事無いクラスメートなら誰だかわからない。


「親しいって言えるんじゃないかしら」


 親しい人? んー、まじでわからない。


「わからないようね、いるでしょ。あなたに起こった事全てに関わってた人が。じゃあね。バイバイ」


 カルマは僕を指差しながら消えていった……




「兄貴! 起きろよ。ほっぺた引っ張るぞ」


「いてててっ」


 引っ張るぞって言いながら引っ張ってるじゃないか。


「え、ここどこ?」


 僕は桃の肩に頭を置いている。


「寝ぼけてんじゃねーよ。列車の中だよ。ほら、股閉じろよ。盗撮されてるぞ」


 僕はマントの前をはだけて足を開いて寝てたみたいだ。足を閉じてマントを被る。どうでもいいけど、列車の中でマント着てる人って僕の人生初だなー。


「お兄さん、うなされてたわよ」


 舞ちゃんは桃の横に座っている。そりゃうなされるよ。変態が夢にも出てきたら。なんか寝たのに逆に疲れた。けど、忘れる前に話さないと、夢って十分経つと覚えてないもんな。二人に夢で起きた事を話す。


「ええーっ。じゃああの変態の子分がお兄さんの近くに居るの? 私は違うわよ」


「当然、あたしも違う。けど、兄貴気づいてるんだろ。兄貴に起きたトラブルに全部関わってるのは、兄貴だけなんだろ? お前が変態の手下なんじゃないのか?」


 うん、全てに関わってるのは僕しか居ない。もしかして、僕がカルマの使徒なのか? 無意識的に人にペンで字をかいてるのか? 僕は頭を軽く搔きむしる。


「兄貴、なんだそれ。おでこになんか書いてあるぞ? 『肉』」


 え、まじか、僕もいつの間にかカルマの力の影響下にあったのか? 『肉』と言えば『肉欲』。やたらエッチな気分になったり、肉を食べたくなったりしたのはカルマのせいだったのか! けど、いつ書かれたんだ? ウィッグ被った時には何にも書いてなかったはず。

 


 読んでいただきありがとうございます。


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