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 インポッシブル フォー 5


「ほら、くまもんだ。僕もついてく」


 妹の友達はくまもんを取ろうとするが、僕は抱き締めて渡さない。


「なんで、お姉さんには関係ないでしょ」


「関係なくは無い。一応家族だから」


 あ、靴は荷物の中だ。ジャンヌブーツでいいか。


「タクシー待たせてるから乗ってください」


 タクシーに乗ると、びっくりするような金額にメーターがなってる。


「僕、そんなにお金もってないけど」


「あ、私が払うから大丈夫です」


 それからヒソヒソと成り行きを説明してくれた。

 くまもんのヌイは元々はクマさんと呼ばれてる男の持ち物だった。桃たちは健全なパパ活をしてて、そのケツ持ちをクマさんにしてもらってるそうだ。パパ活に健全もクソも無いと思うんだが、要はエッチ無しって事だろう。けど、その前に、高校生にそんな事させる事自体が違法だよな。

 桃たちはクマさんの家を拠点にしてて、その家にあったくまもんを桃が気に入って勝手に持ってきたそうだ。それを知ったクマさんが桃と彼女を拉致して、くまもんが家にあるって知って、彼女にくまもんを取ってくるように言って家にやって来た。


「それなら、警察に任せた方がいいんじゃないか?」


「ダメよ。ヤクって持ってるだけで犯罪になるんでしょ。私たちも捕まるわよ」


 ああ、やっぱくまもんの中に入ってるのは麻薬なのか……


「いやいや、警察だって馬鹿じゃないから説明すればわかってもらえるよ」


「そうかもしれないけど、パパ活学校にバレたらクビになるわ」


 それは自業自得だと思うけど、ケツ持ちって言ってる時点で、そのクマさんは、反社グループの一員だろう。ケツ持ちって確か反社の人にお金を払ってなんかあった時に守って貰うってやつだ。確かこれも違法。違法な事をやってる人は、警察に守ってもらえないから、そういうグループにお金を払って守ってもらわないと、なんかあった時に酷い目をみる事になるという。悪い事をしてもロクな事にはならないって事だ。僕的には、自分が悪かったにしても、素直に警察に任せた方が賢明だと思う。けど、今回は警察に駆け込んだのがバレたら、桃の身が危険だ。馬鹿のふりして、くまもんと桃をトレードするのが一番平和的かも。まあけど、僕はツイてないから、間違いなく一番最悪な状態になるだろう。

 到着したのは湾岸地区。その一角の倉庫に来るように言われてるそうだ。その近くの公園に降ろしてもらう。なんと、ここら辺は行政のエリアの関係で商業施設が無いってタクシーのオッサンが言ってた。要はコンビニがないんだよ。当然モール系の巨大商業施設も近くに無い。駅もない。なにが言いたいかって、無いんだよトイレが。ツイてない僕はトイレにも困る事が多い。それでトイレにも精通している。やはり一番多いのは紙が無いというトラブル。だからいつもポケットティッシュも常備している。あと良くあるのは詰まってる。地獄だ。個室の鍵が壊れれてて開けられた事もある。挙げれば枚挙に暇ない。それに個人的には和式は苦手。和式にはウォッシュレットがついてないから。それゆえ、僕はトイレの場所に序列をつけている。一番は巨大商業施設。ここは掃除が行き届いていて、数も多いから待つ事も少ない。次はコンビニ。使ったら何か買うのがマナーだ。そして駅。駅にはどうしても当たり外れがある。そして、公園。公園は基本的に地獄。公園のトイレはどうしようもない時にしか使わない。臭いはヤバいし紙も無いのがスタンダードだ。けど、背に腹はかえられないので致し方ない。さすがにこのジャンヌの格好で立ちションしてたらよろしくないだろう。


「すぐ戻るから」


 どうしよう? 男子用? 女子用? 迷う事一瞬選んだのは男子用。なんとか小用を足して思う。玉、戻るのか? 一瞬嫌な予感が頭を過るがそれは後だ。桃をなんとかしないと。個室の横の用具入れが空いてる。今から反社に会いにいくから、なんか武器は欲しいな。ラバーカップ? ないない、嫌がらせにしか使えない。んー、デッキブラシくらいしか武器になりそうなもの無いかー。あんま使ってない、て言うか新品っぽいな。借りていこう。大事に使って帰りに返そう。

 そして、胡乱げに女の子に見られながら指定された倉庫に向かう。そこでは女の子曰く、今日、バザーなるものが開催されてるそうだ。なんだよ、反社のバザーって。武器やクスリでも売ってるのかよ。

 はい正解でしたー。見張りのいる入り口で、女の子がクマさんの名前を出すとすんなり通れた。そして、コンテナに囲まれた中に広くスペースが空いていて、厳つい男共がいるわいるわ百人くらい居るんじゃないか? 床にゴザとかビニールシートの上に商品? が並べられてる。原始的だなー。まあけど、昔、違法露店を警察が捕まえようとしてるの見た事あるけど、敷物を茶巾しばりみたいにして商品をまとめて撤去してた。逃げる準備に十秒かかってなかった。まあ、ここもガサ入れ入ったらすぐ逃げられるようにしてるんだろう。けど、僕ら目立ち過ぎるだろ。ジャンヌコスの僕と、私服の女子高生。


「おうっ。きたか」


 ゴツい体にタトューばりばりのオッサン。こいつがクマさんか?


「くまもんは返す。桃を返してくれ」


「好きにしな。じゃ返してもらうぜ」


 クマさんが顎で示した先には人混み。そっちに居るのかと行ってみると椅子に縛られた桃がいた。しかもセリにかけられてるみたいだ。なんだここは人身売買もしてるのか? 

 

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