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 インポッシブル フォー 3


「ちょっとぉ、まずいわよ。アイドルが抱きついたらぁ♡」


「問題ない。女同士」


「あのぅ。私、女じゃないんですー♡」


 栞を引き剥がし、ビキニのようなブラをぺろんちょと下げる。可愛い女の子がブラジャーを自分で下げる。垂涎のシチュだ。悲しいかなやってるのは僕だけど……


「私以上の逸材。問題ない」


 逸材じゃねーよ。マイペースな人だなー。


「うわっ。だからぁ。抱き着かないでぇ♡」


 なんと、微塵も聞く耳持たない。おっぱい頬ずりしないでーーーーっ! 変なものに目覚めそう。

 これはおかしい。多分僕らは今また謎のスタンド攻撃を受けている。頭の中にバニー男の姿が浮かび僕は冷静になる。危ない。アイドルに抱き着かれて頬ずりされて、僕のピストルがマグナムになるとこだった。両手で栞を引き剥がす。


「だからぁ。話を聞いて。僕は男の子なんだってぇ♡」


「男の娘? それでも良し」


 今の「子」は「娘」に変換されてたのでは? それでもよいのか?

 カクカクしかじかを、栞に丁寧に説明する。


「じゃ、陸は男。追い詰められて女装した。けど、ついてない。私はめっちゃついてるし嬉しいけど」


 何言ってるのかわかんないよ。


「これは琉球空手の奥義で引っ込めてるのぉ♡」


「琉球空手、凄すぎ。極めれば逆に付ける事もできるのか?」


「ないない、それは無いわよぉ♡」


「そか。残念。男なら、その甘ったるいの止めるべき」


「女子更衣室に男の子がいたらぁ。問題になるでしょぉ♡」


「そうか。改めてお礼。ありがとう。私にはそんな破廉恥な格好無理無理。けど、陸、私より美少女」


 うん、確かに今の僕は栞より可愛く見えるような気もする。栞はうっすらメイクでテレビで見るオーラが無い。だから気付くのに時間がかかった。メイクって凄ぇなー。


「私は陸に助けられた。また、助けて欲しい」


「その前に私を助けて欲しいわよぉ♡」


 断言しよう。何かに栞は困ってるようだけど、僕の方が百倍困ってる。

 状況を整理しよう。


 まず、お金が無い。財布、銭湯だし当然スマホもロッカーだ。しかも忘れて焚けど、いつの間にかロッカーの鍵も無い。僕にあるのはただこの体と、栞が着る予定だった忌まわしきエロコスプレコスチュームだけだ。(借り物)

 まずどうやって銭湯から装備を取り戻すかだよ。なーんにもいい考えが浮かばない。けど、スーパーになる程は困ってないしなー。んー、どうしよう。たかる事を視野に入れて栞に相談するか……


 そして、僕は今、エロコスプレにマントで電車のつり革にぶら下がってる。そこそこ多い車内なのに、僕の回りだけ半径三メートルくらいの結界が出来てる。怪し過ぎる格好だからなの? 僕が取った席を取り上げた栞が(私パトロンの一言で接収された。電車台を出して貰ってる)ニッコニコしてる。何がおもろいのやねん。なんかチラチラ撮影されてるよ。電車が揺れてマントが捲れる度に携帯持ってる奴らが動く。おもろいなー。帰って動画で楽しむのかもしれねーが。あいにくワシは男やねん。

 なんとか銭湯について服を返して貰おうとするが、当然上手くいく訳もない。鍵は落ちてて、荷物は保管してて貰ってたけど、僕が男というのは全く信じてもらえなかった。店員さんに学生証の写真と僕の写真を顔認証アプリで撮影してもらってなんとか荷物は帰ってきた。けど、店員さんは納得してないようだった。また、困った事が。着替えるとこがない。男子トイレにも女子トイレにも入れない。こういうとこの多目的トイレって渋滞してるんだよね。栞は用事があるらしく、レインを交換して別れて、やむなくこの格好で帰宅する事に……これって捕まらないのか?


 そして、数時間後……


 僕の前には屈強な百人近い反社の男たち。手にはドス、ポン刀、チャカなどよりどりみどり。それに対峙する僕はジャンヌのコスプレで手には一本のデッキブラシ。

 禿げ頭の親分と呼ばれてる奴が口を開く。


「ねぇちゃん。完全犯罪って意外に日本じゃ多いんだぜ。失踪とかの一部はそうだ。わしらは土建しよるやろ。バラして基礎に埋め込んで上が出来たら二度と出て来ねー。そのビル取り壊す50年後くらいには出てくるかもしれんがな」


 怖ぇ。コイツら僕をビルの下に埋める気なのか……まじか、それなら禿げ頭が言う通り死体は出てこないんじゃないのか?


「外国に売り飛ばすよりもこっちの方が面倒くさくねー。ねぇちゃんツイてなかったな。アレさえ見なけりゃお天道様の下で生きてけられたのによー」


 あのー。アレってなんですか? そんなの見てないんですけど。勘違いですよ。


「おい、てめぇーら。コイツらを可愛がってやれ」


 可愛いがるって。猫ちゃんとかを可愛いがるのとは違うですよねー。シクシク。


「おうっ!」「犯ってやるぜ!」「ヒャッハー!」


 なんか皆さん楽しそうですね。そうですね。またやるしかないのですね……

  

 男たちが得物を手に僕を囲む。


【インポッシブル・スリー! 群れ寄るモリモリに武装した反社のお兄さん約百人を捕まった妹たちを傷つけずにデッキブラシ一本で討伐せよ!!】


 あー、前回が緩めだと思ったけど。やっぱりエスカレートしていくのですね。誰か助けて……



 読んでいただきありがとうございます。


 少しでも気に入っていただけら、読んだ所を開けて便利ですので、ぜひ、『小説家になろう』さんにログインして頂いて『ブックマーク』をお願いできたら有難いです。

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