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狩人のディポラティア  作者: 深緑蒼水


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7:狩人狩り

『狩人のディポラティア【7:狩人狩り】』


登山中、狩人狩りに襲撃された一同。

奇跡的に難を逃れたが、運が良いか悪いか。

夜には吹雪が止み、晴天の夜となる。決行は今日だ。


―ズサッ…。ズサッ…。―

山の頂きを目指し、登る。


(ルナ)「…思ったより暗くないんだね。」

「月光は夜の太陽だ。…地を満遍なく照らす。」


夜の雪山は月が照らし、辺りが見えるほどには明るい景色であった。


「…止まれ。」

ディポラティアが静止した。


「狼の死体だ。…血が先に続いている。」


氷大狼:ジフレッドの子であろう。脚に怪我をし、息絶えている。


(サン)「逃げてきた…?」

「倒れ方を見るに…。そうなるな。」


―ザッ…。ザッ…。―

慎重に一歩を踏み出していく。


―フオオオオ…。―

静かな風が、吹いていた。

狼達の死体の中央に、剣と銃を持つ人間がいる。


(???)「彼はまだ来ないのかい?」


―ズサッ…!―

剣に付着した血を払う。赤が白を侵食し、火薬の匂いが漂う。


―スッ…。―

ディポラティアのハンドサイン。戦闘準備だ。


「また会ったな。名乗れ、”狩人狩り”。」


(狩人狩り:スレイン)「僕はスレイン。あの状況で失敗したのは驚きだよ。けれど今、チャンスが来た。…本当は、君だけでよかったんだ。けれどもう、全員抹殺対象さ…!!!」


ーーーーー


―バッ…!!!―

スレインは剣で雪を払い、煙幕を作った。


「ッチ…。小賢しい。…。」

皆と隔絶された。


―ザッ…!バッ…!―


「(奴の足音。…全員抹殺対象だと言っていたが、結局一番の狙いは俺だな。)」


―スッ…。―

槍を構え、集中する。


「悪いな。待つ戦法は最近、よくとっているんだ。」


―ブォン…!ガチャ…!!!―

斜め右から剣が。

後ろ斜め左から銃を持ったスレインが現れたと、目と耳で状況を読み解く。


―ザン…!!!―

剣を槍で払い除け、そのままスレインを狙う。


「…ッフ。甘いね…!」


―バッ…!!!―

スレインは地面を蹴り移動し、払われた剣を拾った。

ディポラティアは後ろを見ており、スレインはその背中を見ている。


「終わりだ。ディポラティア…!!!」


―グググ…!!!―

「…!?」


―キン…!―

強固な背中に、剣は弾かれた。


ーザン…!!!ー

振り返ったディポラティアから、深い一撃をくらった。


「ッグ…!!!」

即興の煙幕は晴れた。


(皆)「…!」

「大丈夫だ。すでに終わった。…所詮、小細工しかできない存在か。」

「ハァ…。まさか、獣化(けものか)するとはね…。しかも、情報にない…。」

「新しく手にした。情報になくて当然だな。だが獣化はお互いだろう。雪で見えなかったが、あの脚力。一部を変えるのは難しいが、あれは獣の動きだ。」

「貶すのか、褒めるのか。君は掴めない…。だけれどね…。」


―グググ…!!!―

「グァァァァ…!!!まだ動ける…!見たいなら見せてあげるよ…!僕も君と同じさ…!!!」


スレインは深い傷を負っていた。けれど立ち、姿を獣とし、今目の前にいる。


(ブラックソード)「人間の手負いも、獣と変わりはないか。」

「意志をもった存在は、侮れないということです。」

「…耐えれば勝てる。すでに傷は開いているんだからな。」

(スノーバーサーカー:スレイン)「グハァァァァァ…!!!」


「たとえ、凶暴な雪うさぎだとしても。」


ーーーーー


―バッ…!!!ボタボタ…!!!―

獣化したスレインは、先程とは比にならない速度で駆け回る。


(ミア)「確かに血が流れてるけど…。」


体格がデカイ獣ではないが、速度は力を増大させ、今までの獣とは違う。

意志と痛みにより、我を失ったスレインは本能のままに攻撃してきている。


―ダン…!バチ…!―

「ッグ…!」


オメガは腕でカードしたが、片腕がへこんだ。


(ルナ)「オメガ…!…!?」

離れていたスレインの腕は、もう目の前にあった。


―ガキン…!!!―

アメガミ、スズナリ。そしてサン。

ルナもサンも昔のような強さはないが、あの時はなかった力を、

今はもっている。


(スレイン)「ッグ…!!!」

―ボタボタ…!!!―


(ハザキ)「ラティア!」

「あぁ。…押した方が勝てる。」


出血が更に酷くなっている。


―バッ…!!!―

ディポラティア、ソード、ハザキ。

姿勢を低く、速度を上げて獲物へと近付く。


「…狩人狩り。命を狙うということは、常に死が付きまとうものだ。それが自然。対象が獣であり、人だとしてもな。」


―ザッ…。―

先行していたディポラティアには聞こえた。

スレインの後ろから聞こえる足跡と、低く唸る声が。


―グググ…!!!―

(ブラックソード・ハザキ)「…!?」


―ドス…!!!―

カメザメへと変化したディポラティアにぶつかる。


(ブラックソード)「どうした!」

「…下がれ。」

その言葉通り、二人は下がる。

ディポラティアは後ろを振り向く。


(氷大狼:ジフレッド)「…!!!」


そこには大自然があった。獣もまた、狩人であるのだ。


「現れたか…。」


―バキバキ…!!!―

骨の砕ける音が鳴り響く。


「子を殺され、怒っているな。だが…。」


―ガコン…!!!―

肌を展開し、鱗で狙う。

乱射してしまう要因はない。


「”雇い主”がいると考察しているんだ。…殺されては困る!」


―ダダダダ…!!!!!―


(ジフレッド)「…!」


―バッ…!―

ジフレッドは素早く、スレインを咥えたままディポラティア達の右側に移動した。


「…グググ!!!」


―ブオン…!!!―

獣化が解けていっているスレインを、投げ捨てた。

“今は、こいつらを排除してからだ”。


「構えろ…!!!第二ラウンドだ!!!」

(皆)「…!」

「ウォオオオオオオン…!!!!!」


月光の下、怒りに唸る声が響いていく。

こんばんは、深緑です。

最近、とあるオフラインイベントに行きました。

オフラインだからこそ身近に感じる人の熱量は、とてもいいものでした。

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