15:生きる道
『狩人のディポラティア【15:生きる道】』
燃える松明が左右に光る。
少し薄暗い王への道。
ーダッ…!!!ー
決意の足音で走っていく。
(サン)「見回りだとかはいないみたいだ。」
「いないのなら好都合だ。このまま、奴の首を搔き切る。」
再び、石扉が現れる。先程よりは小さいが、先に続く道だ。
ースタッ…。ー
足を止め、扉に手をかける。
ーギギギ…!!!ー
広い部屋に、ディポラティア達は入った。
レッドカーペットは続いている。正面には小階段。金色七色に輝く王への扉。その階段に座している者達がいる。
ーパチパチ!ー
拍手をする音から、流れが始まる。
(狩人狩り:スレイン)「いやぁ、この前ぶりだね。」
雪山にて対峙したスレイン。
まだ傷が癒えていないのだろうか、腹部に包帯が巻かれている。
(狩人狩り:グレイン)「灰にはならずまた現れたぞ…。」
「やはり、奴に買われた者達だったか。だが全員負傷していては、勝負にならん。命が惜しいのなら道を開けろ。」
(狩人狩り:ダライン)「狩人ディポラティア。お前は何を糧に道を進む?」
「身内のためだ。」
「そうか。我々も身内のため…。などといった、平和話はないが、我々も糧を得て道を進んでいる。」
「他人とは違うっていうのは、いいことだよね。」
「獣には飽きた。理性がある、人間との駆け引きの方がいい。」
「そういうことだ。我々は狩人狩り。危険な道を好む者。かかってこい、狩人達よ。」
狩人狩り達は、曲がっていながらも信念をもっている。
それは確かな障壁となり、王への道を塞いでいる。
ーーーーー
ーグオオオオオオオ!!!!!ー
巨大な影が三体。
「獣化か…。面倒だな。」
「兄さん。」
サンは提案する。
「あなたがあの扉に行くんだ。それが可能性。」
「なら合わせる。」
全員が走る構えをする。
ーダッ!!!ー
ディポラティアを中心に走り出す。
ーガガガ!!!ー
グレインの爪を防ぎ、ブレスを消す。
(ブラックソード)「さぁ、進め…!!!」
(ハザキ)「後ろなど振り向くなよ…!」
ーダン…!シュン…!ザン…!ー
ルナとオメガ。手数で、素早いスレインを相手にする。
「隙を狙って!あなたの一撃が必要だから!」
(アメガミ)「ーボリボリ!!!ー」
ーシュン!シュン!ー
オメガはブーストを続け、腕に高電力を纏い攻撃する。
「ブーストの先読みには、弱いみたいだね!」
ーザンザン!ー
(スズナリ)「…!」
「そのための絆なのですよ。」
ディポラティアは階段を上がった。
扉に手をかけ…。
ーグオオオオオ!!!ー
「待て…!!!」
這いずり状態で、後ろから上がってくるダライン。
「一つアドバイスだ。必ずしも、獣になればいいというものでもないぞ。」
ーグッ!ー
扉を強く押す。
ダラインは近付いてくる。
「任せたぞ、サン。」
ーダン…!!!ー
サンは跳躍し、兄の後ろ。
ダラインの前に現れた。
ーザン!!!ー
熱を帯びた槍は、ダラインを怯ませた。
「二人の帰りを待っている!!!さぁ来い、狩人狩り!自然の力をなめるな。その脅威、それらと戦う者達を!」
弟の声を聞き、残る皆の無事を信じ、元凶の元へ進む。
黄金が続く道を。




