表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/15

第十五話

前田家を倒し越中・能登・加賀・越前・飛騨の五国を束ねた男。今や北陸の王である。

だが、戦のたびに体は削れ、薬湯の香りが軍議の香となっていた。

京極攻め‥。

次なる標的をそう定めた矢先、ひとりの女が現れた。

浅井三姉妹のひとり、京極お初。

「……大谷殿、あなたの軍略、天下に鳴り響いております」

深く礼をした彼女の声は、絹糸のように細くも、明確な意志を持っていた。

吉継は唇の端で微笑んだ。

「……だが今は咳しか鳴らん。‥ヴォエエ‥」

その返しにお初は一瞬だけ息を呑み、やがて微笑で応えた。

笑みの裏には、女の計算があった。

両者は密かに盟約を交わす。

大谷家と京極家‥。繋がれた細い絆。

吉継はその夜、灯明を前に独り呟いた。

「あの瞳に誠が宿るか、あるいは裏切りが潜むか……」

燃え尽きる灯の光が、彼の顔の片側を紅く染めた。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ