表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無理なく始める節約生活!  作者: 琥珀 大和
従兄弟のFPは有能だった!
3/24

甘くないぞ、出産育児休暇③

「保険屋さんか銀行の人かな。」


ファイナンシャル・プランナーっていうと、そういった業界の人が持っている必須の資格のように思うんだよね。


まあ、他にどんな職業の人が持っているのか思いあたらないだけなんだけど。


「そう思うよな。」


「うん。お金に関わる仕事をしていると、必要な資格だと思うんだ。」


「半分正解で、半分はハズレだな。」


「え、そうなの?」


「別にファイナンシャル・プランナーの資格がなくても保険は売れる。まあ、別の資格はいるがな。銀行なんかもそうだ。不動産屋は宅地建物取引士という資格がなけりゃ土地建物の売買はできないけど、ファイナンシャル・プランナーにはそういった意味合いはない。」


「もしかして、あれば信頼度が高まるからですか?」


遥香がそう答えた。


「そう。保険や投資なんて一般の人からするとわけのわからない商品だから、それを売る人間は信頼できる人の方がいい。ファイナンシャル・プランナーの有資格者だと名刺に記載されていると、それだけで何となくすごそうだろう?でも、実情は勉強すれば誰でも取れる。」


「え、誰でも取れるの?」


「3級なら受験資格もないから、学生でも受験できる。就職活動の際に履歴書にも書けるから、大学生で受ける人も多いらしいよ。」


「でも、難しいんでしょう?」


「いや、問題集を買ってきて1週間も勉強すれば取れる。2級を受けるためには実務経験2年以上か3級資格、もしくは所定の研修を修了する必要があるけどな。だから、俺は先に3級に合格してから、大学在学中に2級も取得した。」


ほえ~、俺の就職先には関連性がなかったから知らなかったけど、みんな学生時代からいろいろと考えているんだなぁ。


「やっぱりファイナンシャル・プランナーの資格を持っていると、いろんな知識がつきますか?」


遥香の質問は俺も興味のある所だ。


3級がそんなに難しくないのなら、勉強してみるのもいいかもしれない。そう思ったが、次の隆人兄ちゃんの言葉で驚くこととなった。


「いや、資格を持っていても、ただの肩書きにしかならない。」


「ええ、そうなの?」


「運転免許を持っていても、車の運転をしなきゃただのペーパードライバーだろう。」


「あ、そうか。」


「資格はただの資格。素人が基礎知識を得るためのものだ。2級や1級は難易度も当然高くなるけど、常に情報や知識を刷新していかなきゃ意味のない資格ともいえるな。」


「マジで?」


「マジだ。例えば2級資格を持っていても、関連性のない業界にいる人と、無資格でも長年保険や銀行の営業をやっている人なら、後者の方がより深い知識を持っている。まあ、だから優れているとは言い難いが、味方で頼りになるのは後者で間違いない。」


「最近多い来店型の保険ショップとかに行くのがいいってことですか?」


「信用出来る店員がいるなら、それでも良いかもしれないな。」


なんだろう。


隆人兄ちゃんの言い方にすごく含みがある気がする。


「え~と、もしかして、隆人兄ちゃんはファイナンシャル・プランナーだからといって、あまり信じちゃダメだって言いたいのかな?」


「That's right!」


「!?」


いやいや、急に英語で答えないでよ。


頭がフリーズしちゃうじゃんか。


「 I got it.」


遥香、君も英語で答えなくていいから。


俺だけ疎外感を感じるでしょ。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ