出会い
菊川タカセの上司は宇治宮タスク
菊川タカセと同じチームの長尾マヤ
2年前
タカセはプロジェクトリーダーで、同じ大学出身の宇治宮に気に入られていた。今考えるとタカセは幹部候補生の1人だったのかもしれない。宇治宮は穏やかな性格に似合わず、鋭い取捨選択でタカセ自身も何度助けられたことか…。こうゆう人が世界を支配しているのかもしれないと考えるようになっていた。
宇治宮の役職が上がるにつれタカセも重要なプロジェクトを任されるようになった。
いつものように宇治宮の部屋で打ち合わせをしている時に、ノックが部屋に響いた。
「おっ着いたな。」
宇治宮の普段あまりみせない機嫌にタカセは違和感を感じた。今日は、誰かのアポイントメントがあった記憶はない。
「失礼しまーす。長尾マヤ到着しました!」
タカセはチラリと声の主を確かめた。自分とあまり変わらない年齢、人懐っこい笑顔こうゆうタイプって距離感が分からないよな。
洞察されていることに気づいたマヤは体は宇治宮に向けたまま顔だけタカセにむける
「怖い、怖い。そんなにジッと見ても何もでてこないよ。」
自分で自分を抱きながらクネクネさせていた。
宇治宮は自分の席から離れマヤの近くに行った。
「長尾君はあいかわらずだね。タカセ紹介しよう、今日から君と一緒に行動する
長尾マヤ君だよ」
タカセも素早く立ち上がり軽く会釈をした。
「菊川タカセです。よろしくお願いします。」
「長尾マヤです。先月まで、包み料理がおいしい支社に行ってました」
マヤも軽く会釈しながら、自己紹介をした。
あそこの支社は上の情報統制が厳しくなったから撤退予定だったはず。後処理班として対応しに行ってたのか。
「それは、大変お疲れさまでした。こちらでは、しばらくゆっくりするのですか?」
タカセはなんとなくマヤの予定が気になったので質問してみた。
「それは、少し違うかな。今日からタカセと一緒に動いてもらうよ」
宇治宮はマヤが発言する前に予定を言い出した。
「お休みでも大丈夫ですよ~」
マヤはニヤニヤしながら宇治宮に希望を伝えた。
「あっちで十分遊んでただろ」
宇治宮は苦笑いしながら、マヤに新しい社員IDを渡した。
「ゲストIDは今日中に必ず人事に返却してほしい。遅れると私でもうるさいんだよ」
宇治宮は自分の席に戻ると、タカセが事前に準備していた資料をマヤにも渡すように促し三人でこれからのことについてミーティングを始めた。
最後までお読みいただきありがとうございました。