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道標  作者: 鈴木澪人
再び現在編

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30/40

桜井の暴走 後編

ダクト日本支社  社 長 菊川タカセ 妻 菊川 シノン(旧 久世)

ダクト日本支社  副社長 伏見レイコ

株式会社アトラス 社 長 桜井サナ

         契約社員 海瀬シュンヤ 九条ツクモ 池田ゴウキ

株式会社エヌマヤ 社 長 長尾マヤ


これは、わが社の海瀬とエヌマヤの長尾さんの会話です」


その行動に驚いたタカセは再生させようとする桜井をみて動揺する。


「えっ?」タカセの声を無視しながら桜井は再生ボタンを押す。


『お久しぶりですね! 長尾さん…。』


タカセは、この声は多分海瀬かな?と思いながら二人の会話のやり取りを聞いていく。

話が進むたびにタカセの顔色が悪くなり口元を抑えてしまう。


 伏見の表情を確認したいができない。タカセの本能が覗いてはいけないと訴える。

同時に、宇治宮が辞めた経緯とチームが解散した時系列のパズルが恐ろしいほど当てはまって行く。


初対面の桜井を見ることもできず、淡々と流れてくる音声をただ見つめる事しかできなかった。


最後まで聞き終わると静けさのみが残った。

誰も話し出さないまま時間がすぎる。


「伏見さん、今回も同じような事をしたんですね。」

桜井が話し出す。


「前回は私を排除し、宇治宮を立て、今回は菊川さんのチームを排除し、菊川さんを立てた。

 そしてあなたは裏から傀儡を操るんですか?ご自分の意のままにこの巨大な会社を動かすのはとても気持ちがいいですよね。」


桜井は、伏見を睨みつけながら話を続ける

「今日あなたに会いに来たのはこの事を告発するためよ。いつまでもあなたの手の打ちにあるとは思わない方がいいわ」


タカセを見ながら

「菊川さんは、今回のクーデターの首謀者の一人として扱われているけれど、どちらかと言うと被害者だと思うの。この伏見があたなだといい感じに動いてくれると思ったのじゃないかしら」


タカセは驚きながら伏見の方を見た。彼女の表情は変わっていない。


タカセは、伏見を見たまま疑問に思ったことを聞いてみた。

「何かきっかけでもあったのですか?宇治宮さんの体制のままでも私が言うのもあれですが、引き継ぐのは私だったはずです。」


急かさなくても社内をかき回すことなく時期がくれば順当に回ってくるはずだった椅子だ。

タカセは不思議でしかたなかった。失うものが多かったのでどちらかと言えば迷惑だった。


伏見は凛とした雰囲気を出しながらタカセを見ると


「シノンが不安がったのです。」


と言った。


 タカセは一瞬言葉の意味を理解できなかった。なぜそこで自分の妻の名前が出てくるのか。妻が自分の仕事で知っているのは会社名と役職ぐらいだと思っているからだった。


 タカセが伏見に詳しく話そうとした時


「シノンってあの久世シノンの事なの?」


桜井が先に反応したのだった。その名前を出された伏見は少し気まずい表情になる。


「すみません。どうして桜井さんが妻の旧姓を知っているのですか?」

タカセも気になったので桜井に質問した。

桜井も驚きながら


「菊川さんの奥様は久世シノンなのですか?」


「はい。そうです」タカセは答えた。


桜井は絶句しながら伏見を見る。

伏見は、桜井に関係性を聞こうとするタカセを見て

「菊川さん、今日の打ち合わせはここまでです。あなたも仕事にはならないと思うので今日は退社してもらっても大丈夫ですよ」部屋を出るように伝えた。


 何かを言おうとしたタカセは、そのまま席を立ち去る時に


「家に帰ってゆっくりと話し合ってください」と伏見に言われたのだった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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