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道標  作者: 鈴木澪人
過去編

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21/40

桜井の過去と野望

株式会社アトラス 社長 桜井サナ

         契約社員

            海瀬シュンヤ 九条ツクモ 池田ゴウキ

桜井は、少し姿勢をただすと静かに話始めた。


「実は、私も昔ダクト社に在籍していたんですよ。皆さん、現社長の伏見レイコって知っていますよね。宇治宮の時の副社長です。宇治宮がトップに立つ前に社長の椅子を争っていたのが伏見だったんですよね。私はいわゆる伏見の右腕と言われるぐらいの立場でした。そして、伏見はダクト社初めての女性のトップになるかもしれない立場の人でした。」


桜井は昔と思い出し少し微笑んだ

「伏見と私はほぼ同期でした。一緒に昇進していった感じですかね。その頃の私達は、理想と希望に燃えてましたね。こんな大企業で自分達の道標をかかげて世界に発信していくんだって、よくお酒を飲みながら話し合いました。当時の私は本当にダクト社に心酔していました。」

そして、一番会社と仕事が楽しい時期でもあったのです。と小さく付け加えた。


桜井は話を続ける

「本社の評価も社内の雰囲気も伏見が次期社長という流れが来ていました。私は分からないのですが次期社長には本社から何らかの通達があるみたいなんですよね。後は、伏見がそのなんらかの通達を待つだけという状況だったのですが…。」


「そんなある日、私は伏見に呼ばれました。いよいよ本社に呼ばれるのだと思いました。残念ながら私自身は人の上に立つ器はないと思っていました。その点伏見は人を惹きつける何かがあると思っていました。」



「当時の伏見の部屋に入るとそこには本来いないはずの宇治宮と伏見の二人がいたのです。」


桜井は当時の様子を思い出したのか苛立ちを隠しきれず。

「伏見は、アイツは

  『今までご苦労さま。色々考えたけど私達の道標では通用しない事が分かったの宇治宮さんと話し合った結果彼の道標に軌道修正することにしたわ』と」


桜井は握りしめた拳にいっそう力をこめた。

「宇治宮には『そうゆうことだから、君には残念だがここからは一緒に前に進みことはできない』と言われたわ。まぁ、今のあなた達と同じよね。クビよ」

といいながら苦笑いした。


「結局、伏見派閥のトップは実は私だったということで失脚させられたわ。宇治宮と伏見はどうゆう契約をしたのかは分からないけど副社長とう椅子を手にいれていたと」


桜井は笑いながら

「私が一人で舞い上がっていただけなのよ。一人で希望に満ちて一人で責任をとらされて」


「ばかみたいでしょ。道標も私達が考えたものとかけ離れていたわ。外部から見れる道標なんて本当にそこら辺の看板と同じレベルの内容だけどね。」


 桜井は三人を再び見つめると。



「だから、壊してやろうと思ったの。ダクト社をね」



男性三人は、殺気だった桜井の異様な雰囲気を見て思わず息を詰めるのだった。


驚いた三人を見た桜井は少し苦笑いしながら

「と言っても現状では、何もできないのよね。本当に巨大な会社だから。あなたたちに私と一緒に立ち向かって欲しいとかでもないし。ただ、知ってる内容を話せる範囲で教えてもらえたら何かの手がかりになるかもしれないかなって」


「もちろん、普段は通常業務をお願いするしね。この話は、私とあなた達だけの間の話にしてほしいの。今の会社の社員達には、元ダクト社の社員はいないわ。だた、昔私がダクト社に在籍していた事は知ってるみたいけど」


「彼らには、常識の範囲でダクト社と関わってもらわないと。色々大変だからね」

という桜井の言葉に三人は、入社前に読まされ契約させられた膨大な紙の量を思い出し苦笑いした。


シュンヤは桜井の話を聞いた後

「そうですね…。僕も少しダクト社に残っている気になる人がいますし、できることがあればお手伝いしますよ。多分三人の中では一番深くかかわっていると思います」


ツクモも続けて

「何かできることばあればお手伝いしますよ」といいその言葉にウンウンと頷くゴウキだった。


 桜井は笑いながら

「では、改めてようこそ我がアトラス社へ!」


と言って一人ずつ握手をしたのだった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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