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道標  作者: 鈴木澪人
過去編

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ポストオフ

(現)ダクト日本支社 社長 宇治宮タスク

   菊川タカセの上司は宇治宮タスク

タカセと宇治宮の2人きりになった部屋は少しピリピリしていた。

重要な情報がいくつも重なっているせいか、現実を受け止めることができていないのか

タカセが落ち着くまで宇治宮は自分の席で静かに待っていてくれた。


「宇治宮さん退任なされるんですか?」


聞いていいのか判断がついてなかった、自分の声が震えているのはまだ動揺がおさまっていないということだと思った。


宇治宮は言葉を選びながらタカセの目をみてゆっくり話し出した。


「そうだね、僕はこの立場になってずいぶん時間がたつなと思っているんだよ。輝かしい地位にはとても魅力を感じるんだけど、この会社ではそれ以上の責任がね色々伴うんだよ。」


小さい子に言い聞かせるように言葉を続けた。


「タカセはこの会社が時々発表する『道標』は知ってるかな?」


「はい、確か新しい社長が就任する時に、社内用と社外用で発表されているやつですよね?

 社員の役職によって開示される内容の量が違うって有名ですよね。」


「タカセは僕の道標は見たことあるかい?」


「もちろんですよ!私はそれを見て宇治宮さんに認められるようにがんばったぐらいなんですから」


タカセは、初めて宇治宮の道標の全容を見れる立場になったときの興奮とその内容に鳥肌がたったことは忘れたことがない。


「嬉しいね。ところで、タカセだったらどんな道標を示すんだろうね。」


「私ですか…。」


突然の質問にタカセは困った自分は少しずつ形にしようと思っていたがまだまだ導かれる側だと考えていたからだ。


「すぐにはちょっと方向性も見えないかもしれないです」


その答えをききながら机に肘をつきハラグロ紳士は一言


「2日ぐらいで考えを教えてね。タカセも戻ってもいいよ」


小さくハイと答えるとタカセも退室した。


「…ちゃんと道標見つけてね」


誰もいなくなった部屋で独り言がでる。

これで、自分の退路が見えてきた。このまま順調にいけばいいけど意外と敵が多いのはハラグロ紳士故の性だと思っている。


2日後、マヤは日本支社での裏方に回ることを了承し、タカセは道標について自分の考えを宇治宮に伝えた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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