第一話「全てのはじまり」
18xx年
場所はとある雪の降る国、秘密都市と呼ばれる場所で私は生まれた。
私の名前はレナート、とある貴族家のお姫様の護衛兼お世話係をしている。
お嬢様の名前はイェシカ様、身の回りお世話を含めすべてを任されている。
私は家無し子で、街で飢え死にしそうになっていたところを、今のイェシカ様の当主に拾われこの家で働くことになった。
本来、この街では以下のルールの名のもとに、自由がない
・外に出ること
・この街の名前を表で出すこと
・指定された職業以外の仕事を行うこと
・貴族に逆らうこと
これらに違反するとすべてを失うことになる。
私の両親はルールを破って街の外に出てしまった。
両親がどうなったかはわからない、だが私は今の生活に少しだけ満足感を得ている。
私は今イェシカお嬢様のお世話をしているが、とてもきれいでお美しい。
見ているだけで、この世でこれ以上のものがなくてもいいと思った。
目が青色ですんでおり、髪は光り輝く白銀のような色をしている。
顔立ちは意外と大人びており、13歳とは思えない美貌をしていた。
私はいつも通り、彼女の洋服を着替える手伝いを済ませ、当主に報告へ向かおうとした時だった。
「外の世界を見てみたいの」
彼女の言葉を聞いて私はお嬢様へこう答えた。