表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/138

8 悪役令嬢 はじめてのおつかい

「わあー! おっきなまち(街)がみえてきた!」

「本当に、大きな(相対的に)町ですわね。リア様、顔をそんなにお出しになられると危のう御座いますよ。」

「はあーい。」

リア様は本当に可愛い方で御座います。もし不埒な輩が万が一出ようものなら一年はかけたいですわね。まだやり方覚えているかしら。

あら、お久しぶりでございますヴィルで御座います。なんとなく会話の感じもばあやに近くなっている気がして我ながら才能に震えますわ。

今はナーラック地区から地方の首都といいますか、まあすこしおおきな村のドルックスに向かっているところです。

ドルックスはナーラックなど地方の領主をまとめておられる、まあ大村長みたいな感じでしょうか。どうにも牧歌的であまり昔の貴族!という感じが無いので気が抜けてしまいます。こちらの馬車も作りは荷馬車のような感じで、馬も農業用なのかずんぐりしております。それが可愛らしいのもまあ間違いないのですが。

ちなみに今回こちらに参りましたのはリア様のドレスを仕立てるためでございます。どうやら地方の割に腕の良い職人が居るとのことで拝み倒して予約枠を勝ち取ったとのことです。腰の低い領主もいるものとカルチャーショックを受けました。それがこの雰囲気を出しているのでしたら私も見習いたいところと自省しておりました。


そんなこんなで馬車で揺られ丸一日。ドルックスの宿に到着致しました。簡易宿所かと思いましたがこの地区では二番目に高級な宿とのことです。

「リア様、なんとお風呂もついておりますよ!」

「流石に風呂なしの宿に止めるわけにはいかんでしょ。どんな田舎から来たの?」

どうやらラインを間違えてしまったようです。ここらの田舎でも風呂は普通‥‥と。私の知識がまた一つランクアップ致しました。

ところでこちらは御者兼用心棒?のレンツ君。元は冒険者をしていたけれどちょっとした足の怪我をしたので護衛に転職して居るとのこと。長距離歩かなければ大丈夫とのことでした。見る限りはCマイナスかDランク程度の腕前はありそうですので、ここらだと過剰戦力といっても差し支えない印象です。

「記憶にございませんのでなんともですが、共用語が通じる範囲内のようですわね。私も早く自分のルーツを探すたびに出たいのですがリア様が可愛らしくて後ろ髪を引かれております。」

下手に大々的に連絡してまた謀殺されても面倒というのが一番ではあるのですが。国外に限りは素直に歩いて帰るのがおそらく一番安全かなというのが現状の結論です。

「一人歩きは物騒だからもし遠出するなら昔の仲間紹介するよ。ギルドで出せばわかるはずだ。」

口は悪いけれど心配してくれているのが面映ゆいですね。対人戦では記憶のある限り負けたことが御座いませんので正直その方々の安全のほうが心配です。

いや、でも最後に一度だけ負けたからここに居るのでしたね。反省をしなければ。

「偶にフリーズして自問自答してるのはなに?」

「日々反省して前に進もうと思っております。」

「ほんとかなぁ‥‥‥」

「ねえヴィル!レンツ!おなかすいた!」

リア様がほうっておかれていたせいか少し膨れております。ほっぺを押してしぼませて遊びたい欲をがまんしなければなりまああ手が勝手に。

「それでは宿のものに食事の手配を。先に軽食を出してもらうようにいたしましょう。」

「ひょうだにぇ」

「ヴィル。お嬢様のかおがえらいことになってるからやめような?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ