表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/138

2_29 悪役令嬢と出発前のゴチャゴチャ1

結局アステアラカには、私、レンツ様、エシオン様、アイオイ様、シーリカ様の5人で行くこととなりました。厳密にはお供の方々を入れるとそこそこの大所帯ではございますが。

「なんだかアステアラカに何度も向かっている気が致しますわ。」

「確かにねぇ。でも急がないと、寒くなってきたらアステアラカは大変だから。」

レンツ様はそう仰います。

そういえば冬は凍結して、天然の要塞のようになるみたいな話を聞いていた気が致します。

「ちょっと急ぎだけど一瞬グランヴィディアでメトスレ様に会って良い? 一応中間報告しとかないとなもんで。」

アイオイ様は不承不承という感じで仰います。

「ですと、前と同じと考えますとグランヴィディアまで10日ほど、それからまた船で10日ほどでございましょうか。」

「いえ、今回は私たちのご用意いたしました馬車が御座います!」

シーリカ様はなにかキラキラされております。

「と言いますと?」

「スレイプニールが引きますので早いですよ! 荒地でも何のそのです。なので恐らく前回は遠回りルートを通られていたと思いますが、今回は最短直結で参りましょう。恐らく4日ほどで着くと思います。」

「そんなに早いのか、まあ、魔獣だもんなぁ。」

レンツ様はしみじみされております。

「スレイプニールって普通にAランクの魔物だからね。集団で出てきたら大災害だからね。」

こっそりハノイ様がツッコミを入れられております。

「あと船は潜水艇を用意しております。」

「せんすいてい・・???」

「此方にもございますのですか。」

「メガタートルの背中に乗っていく形ですね。天候の影響もありませんし、メガタートル自体眠りませんので此方も3日もあれば到着すると思います。」

「メガタートルはSに近いAランクだからね。」

「ちなみにクラーケンはどの程度の強さなのでしょうか?」

「我々に襲い掛かってきたのはSランクで間違いないと思うぞ。水上というのもあり少し上方補正ははいっているが。」

エシオン様はそう仰います。

まあ確かに平原と水中だと難易度も段違いなのでしょう。

「ただ、接岸すると大騒ぎになりますので、洋上での移乗とはなりますが。」

「そらそうよね‥‥。」

アイオイ様も遠い目をされております。

「移動の準備はお任せくださいませ。ユーズゥは現在ゲーキで残務をこなしているとのことで、今回はこのような移動になりましたが‥‥。」

「空の旅はまた今度にしよう。多分発着地点がえらいことになる。」

「さようでございますわね。あのあとハノイ様は方々に説明に回られておりました記憶がございます。」

「気のせいで押し通したから二度目は無理だぞ。」

何を聞かれても 気のせいでしょう 何のことでしょう どういうことでしょうの3点セットで乗り切ったとのことでした。

「私が護衛をしますので大船に乗った気持ちでのんびりしてください。」

シーリカ様はぐっと指を立てられております。

「ちなみにシーリカさんってどれくらいの強さなの?」

レンツ様はエシオン様とひそひそされております。

「ユーズゥを一蹴できるくらいの強さとのこと。」

「おお、それは強いね。」

「ウフフ! ではお互いの確認のために出立前に手合わせいたしましょう!」

シュパッと残像の残る速度で現れたシーリカ様。

「ゲーキではあまり動けなかったのです。この機会を逃すわけには‥‥!!」

「わ‥‥わかった! 分かったから! 目が血走っているぞ!」

「わたしも!」

「リア、最近バイオリンがおろそかと聞いていますよ。さ、続きをやりましょうね。」

「ええ!?」

手を上げるリア様をテレジア様が連れていかれます。


「さあ、ということで! ナーラック2位決定戦を致しましょう!」

裏山の少し開けた土地でシーリカ様は軽く運動してアップされております。

「3位じゃなくて良いの?」

「リア様は単純な力は私以上ですが、戦闘になると流石に‥‥。」

シーリカ様は言い淀んでおられます。

まあ、リア様は大型魔獣との戦闘等は想定されておりません。

「ではエシオン様からお願いいたします。」

「順当だな。」

エシオン様は木刀を構えます。

「本物の剣でなくてよろしいのですか?」

「殺し合いをするつもりはないからな。」

エシオン様は体に魔力をみなぎらせます。

右手が一瞬膨れ上がり、黒い縁取りが浮かび上がります。

「なんという魔力! 素晴らしい!」

シーリカ様はぐぐぐ、と力を入れると半狼のような姿になられております。

「此方が戦闘スタイルです。エシオン様、準備はよろしいですか?」

「いつでも。」

「それでは、始め!」

レンツ様の合図とともに、シーリカ様が一瞬で間を詰め、右手の爪を振るわれます。

ふっとバックステップして紙一重でエシオン様はそれを避けますが、目の前の地面が大きくえぐられております。

「良い動きです!」

其の儘左の爪を振るいますが、沈み込むように前転して躱されます。

「ふむ。」

それと同時に左の脇に一撃入れられていたようです。

「なるほど。素晴らしい。ではこれは躱せますか?」

シーリカ様の右手が光り輝くと、巨大な4本斬撃がエシオン様を襲います。

「フンッ!!」

エシオン様の魔力を込めた木刀が斬撃に当たり、斬撃を吹き飛ばします。

と同時に木刀もぽっきり折れてしまいました。

「ううむ、まだ魔力の使い方が慣れていないのか‥‥。」

「ふむふむ。ゲーキでいうところのB+位はありそうですね。本気のユーズゥと同程度くらいでしょうか。」

「やっぱり結構手加減してた?」

レンツ様は薄々感づいていたとのことでした。

「流石に他国の王城で全力で暴れますと被害が悲惨なことに‥‥。本来は炎を纏って突っ込むのが得意スタイルですからねぇ‥‥。焼け野原になりますね。まあ、とはいえ万全で戦えるとは限らないのが世の常ですので、負けたのはユーズゥが弱いからです。お気になさらず。さて、次はレンツ様お願いいたします。」

「その前に回復しとくね。」

アイオイ様が脇腹に手を当てて癒しの力を使われます。

「ふむ、これは気持ちが良いですね。妙におなかがすきますが‥‥。」

「あ、やっぱり魔物の方もそんな感じなんだね。皆おなかすくみたいなんだよね。ヴィルさんの癒しの力に上書きされたっぽい。」

「なるほど。しかし普通の聖女の力はあまり魔獣とは親和性が良くはないのですが、とてもよく効きますね。魔力が混じっているからかもしれませんね。ゲーキの研究者が目の色を変えそうです。」

「うっ、それはちょっと。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ