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2_24 悪役令嬢一味 中心部到達

「アイオイ殿は何か不審な気配など致しますか?」

エシオン様は宝と聞いて挙動不審なハルカ様を無視して、アイオイ様に話しかけられます。

「何にもしないね。魔力濃度が薄いからなのかあんまり遠くの感覚が分からないのよね。」

アイオイ様はきょろきょろされております。

魔物の気配はわりと鋭敏にわかるはずとのことですが、今はいまいち自信がないとのことでした。

「これだけ感覚が薄くなるなら危険区域というのもあながち間違いじゃないかも。魔法の力も薄くなりそうだね。」

「ふうむ。」

「ただここら辺が禁止区域なのは魔獣が出るからじゃないぞ。」

疲れ切っているせいかすでに砕けた感じになってきているハノイ様。

「人間が知性のない魔物になるという話だったんだ。まあ、実際入ったところで何もないから誰も入らないので俺の生きている間に被害者が出たという話は聞かないが‥‥。」

「そういえばそういう話だったな。」

エシオン様はふうむと考えられております。

「王都の研究所でそれらしき検体を見た気がするな‥‥。ただ何がどうみたいなのはなくて封印されていただけだった気がするが。」

「噂は事実だとすると、いろいろと信憑性が出てまいりましたわね。」

「んー、身体強化でもなんか見えづらくなってきた。」

ハルカ様はめをごしごしされております。

「魔力濃度が薄くなりすぎると身体強化剝がれちゃうんだよね。ぬうう!」

こめかみに血管が浮き上がるほど集中されております。

「んんんん! ん? 中央が見えてきた。なんか人影がいっぱいみえるけど、動いてない。」

「‥‥人影だと?」

エシオン様も目に集中されます。

「確かに何か見えるな。人‥‥か? 少し大きくないか?」

「かも。」

「よし、取りあえず用心して進もう。ハノイ殿は皆の中央に。レンツはしんがりを頼む。左右はヴィル殿とアイオイ様にお任せしてもよいか?」

「承知いたしました。」「任せて!」

「おんぶにだっこで申し訳ないがお任せする。」

ハノイ様はしょんぼりされております。

「いちおうBランク程度で結構強いんだけどなぁ。」

「まあ、元勇者と人外ズですから。」

レンツ様は首をすくめられます。

「多分正直小国なら、この数人でうまくやれば王族の暗殺できるね‥‥」

アイオイ様は苦笑されております。

「うーん、人影以外は特になにもなし。遠くの方にウルフっぽいのがちらほらくらい。恐らくこのペースで歩くとあと1時間もあれば多分接触するので、みんな用心を。」

「了解。」


「人間じゃないねアレ。」

ハルカ様はいやそうな顔をされております。

「黒い縞が浮かんでいる、人型の何かだな‥‥。ただ布の切れ端が残っているから一応元人か‥‥?」

数百メートル離れたところの岩陰でこっそり確認中でございます。

爆心地と言って差支えがない場所は、不毛の地を通り越して一部ガラスのようにキラキラ光っている土地でございました。

あまりの高温だとそうなると聞いたことがございます。

そこにのそのそと動いている人影が、恐らく数十人でしょうか。ごくごく稀に土を食べて、水を飲んで、あとはぼーっとしているようでございます。

「顔も口以外は退化なのか、あんまり分からないね。目は小さいのがあるかもしれないけれど‥‥。」

ハルカ様はじーっと見てらっしゃいます。

「光合成でもしてるのでございましょうか。サボテンのような生命体かもしれませんわね。」

「そんな牧歌的な見た目じゃないけどね。孤児院に保護された直後の子供でももうちょっとマシな格好してるよ。」

レンツ様はイヤそうに見てらっしゃいます。

「強そうか?」

エシオン様はハルカ様に尋ねます。恐らく一番敵の能力を測れるとの判断でございましょう。

「分からないけれど、頭いかれてるほどの魔力もってるよ全員。アステアラカの王宮魔導士の10倍はあるね。とはいえVSユーズゥの時の人外ーズといい勝負かな。」

「亜魔人ね。」

一応レンツ様がツッコミを入れられております。

「何食べてるんだろ、普通の土?」

「手に持ってるのは‥‥なんか光ってる石‥‥水晶かな? あれってテレジア様に渡したやつと似てる気がする。でもあんなにキラキラしてなかった。」

うーんとハルカ様は唸られております。

「あの水晶自体、けっこう凄まじい魔力持ってない?」

アイオイ様がじいっと眺めていらっしゃいます。

「そうだね。ひょっとしてあの水晶が魔力吸ってるのかな?」

「おお、ということはあの水晶があれば魔力過多の地域が改善するのでは?」

ハノイ様はウキウキされております。

新しい産業が生まれる予感でございましょう。

「その可能性はございますわね。とはいえ、あの面々をどうにかしませんと‥‥。友好的であればよろしいのですが。意思疎通は可能なのでしょうか?」

「んー、わかんない。んじゃちょっと行ってくるね。」

ハルカ様はひょいっと岩から飛び降りて近くに寄って行かれます。

「大丈夫か?」

「まあ、ハルカ様でダメそうなら我々もどのみち危険でございますし、そうなればそもそもナーラック自体が危険でございますわね。」

「立ち入り禁止区域がこの魔物っぽいのが凶悪だからって理由じゃありませんように‥‥!」

ハノイ様は祈られております。

そういえば創造神様は今何されているのでございましょうか。特に用事がないので忘れておりました。


と、魔物?の合間をうろうろしているハルカ様が、大きな〇のマークを出しております。

取りあえずは安全ということでございましょうか。近くを歩くハルカ様に全く魔物?は興味を示していないようでございます。

「大丈夫そうだな。よし、行くか。無茶苦茶用心しながら。」

ハノイ様はすごく嫌そうな顔をされております。

「とりあえずあのキラキラした水晶は持って帰って分析に回そう。」

「ふむ、ちなみに皆さま、なんだかあの、あちらの魔物?の方々が一斉にこちらを向いている気がするのですが‥‥。」

「え?」

ハルカ様に一切興味がなかった魔物?達は岩陰から出てきた我々を完全にロックオンしております。

「あれ、ひょっとして水晶の魔力をかじって生きてるなら‥‥。ひょっとしてハルカ、あいつ元勇者だから魔力0なので無視されてた? で、此方に魔力の豊富な面々がいると‥‥。」

ハノイ様はひきつりながらそうつぶやかれます。

「その様だな。小さな口かとおもったら大きく裂けておるぞ。」

魔物?達の口は耳まで裂けており、光る牙が見えます。

「食べる気満々でございますわね。」

「ああいう挨拶って可能性はない?」

「ハノイ様。多分無理かと。」

レンツ様はツッコミを入れられます。

「だよねぇ。」

往年のゾンビ映画のように、魔物?たちがのそのそと此方に向かってこられます。

「取りあえず手加減してどうにかできそうならどうにかして無理そうならどうにかしよう。」

「いろいろがんばれってやつでございますわね。」

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