47 悪役令嬢は無理やり収める
「悪役令嬢だぁ?」
レムはヴィルを見る。
「どこの国だお前?」
「ベルクートアブルよ。」
「ベルクート‥‥。」
レムは首に剣を当てられたまま考える。
と、ハッと目を見開く。
「‥‥まさかな。」
「心当たりでも?」
「無いこともないが、お前には関係ねぇだろ。」
バァン!と手を振るうとレンツとエシオンの剣は弾かれた。
「ならば力づくで。」
エシオンは剣を構える。
「一つあと聞いていいかしら?」
「んだよ?」
「ハルカの力は何なの?」
「ああ。まあ判ってんだろ? あいつは対聖女用の勇者だよ。」
「なんで聖女と敵対するのよ。」
「あ? その発言自体がお前が関係ねぇっつった理由だよ。まあそうとも言い切れないのが謎だがな‥‥。」
ヴィル以外の三人を見て嫌そうにする。
「お前ら何なんだよ。人間じゃねぇのか?」
「私達は‥‥。」
アイオイは目を泳がせる。
とそれをぶった斬る。
「人間の定義に興味はないわ。私がそう、だと思ったらそう、なのよ。」
「ううむ。ヴィルさんが完全に悪役令嬢やってる。すげぇ違和感。」
レンツは渋い顔をする。
「サンドイッチ眼の前に出したら落ち着くのではないか?」
エシオンもひそひそする。
「聞こえてますわよ。私がサンドイッチごときでつられ‥‥つら‥‥この感情はなんなのよ!」
怒りに任せてかかとを地面に叩きつける。
「まさか魂が2つあるのか?」
エシオンは不思議そうにする。
「いや、1つしかねぇぞ。」
何故かレムも参加する。
「なんて言ったか‥‥そう、MODが近い‥‥、MODってなんなのよ!」
頭を抱える。
「とりあえず、細かいことはどうでもいいですわ。ハルカに呪いをかけたのはあなた?」
「広い意味ではな。」
「隷属の呪いね。反抗したら激痛が走るやつかしら。」
「よく知ってるな。」
「ええ、そっちはよく知っているわ。ちなみにあなたを倒したら消える?」
「うーむ、まあ、消えるか。そうだな。」
レムはニヤニヤ笑う。
「だそうよ。私は気が短いわ。2秒で決めなさい。」
「あん?」
その瞬間、体から力が溢れ出す。
懐かしい魔力と聖女の力だ。
「無茶言わんといてくださいな。」
そこには髪の毛が真っ白になったハルカが居た
「バケモンらの力封印するのに根こそぎ力をつかいはたしてるんで、解除にはマジの寿命削っとるんですよ。」
目と口など色んなところから血を流して倒れる。
「アイオイ。お願いしても?」
「‥‥そうね。元気にならないとボコボコに出来ないものね。」
アイオイは倒れるハルカに癒やしをかける。
「半殺しは勘弁してくれない?」
「何度でも癒やしてあげるわよ。」
「こわあー。」
ハルカは任せておけば良いだろう。多分半殺し位にしといてくれるはずだ。
「で、話の続きだけど、私が関係ないって言ったのは何で?」
「その疑問が出てる時点で違う、んだよ。俺らは同族が判る。お前は別もんだ。」
「じゃああなたは何なのよ。」
レムははぁーとため息をつく
ため息が紫色の煙となり、レムを包み込む。
「なんだ?」
そしてその中から現れたのは、角と赤く光る目を持つ存在。
「魔族に決まってんだろうが。」
レムが指を鳴らすと、バチッと音がして電撃が襲ってくる。
ただ、呻きはするが、皆体制は崩さない。いや、倒れてるハルカだけ悶えている。
「ぐええ。」
「お前らのその魔力の抵抗性の高さは何なんだよ。」
レムは眉をひそめる。
「貴方が弱いだけでしょう。」
「煽るねぇ。」
レンツは半目で見てくる。
「なかなか強そうだがどうする?」
エシオンは尋ねてくる。
「手加減してどうにかできる相手ではないかもね。」
レンツ様も油断なく構えてそうつぶやかれます。
成る程。確かにベルクートアブルの情報を吐かせる前に殺す訳にはいかないが手加減も難しいということですわね。
「まあ、問題はございませんわ。」
ヴィルはニコリと笑って、手を前にかざす。
「力は戻ってまいりました。」
「あ、なんか、懐かしいやばい気がする。」
アイオイ様は引きつった顔をされます。
「あん?」
『控えよ。』
言葉に魔力を載せてレムに叩きつけます。
「で、いつも通り?のヴィルさんに戻ったらまたこれなのね。」
レンツの前にはめり込むほどの土下座をするレムとユーズゥ、ウェアウルフ面々。端の方で国王は気絶してる。
アイオイがおざなりに回復してあげている。
「結局なにをしたのだ?」
「何と申されましても、よくある躾でしょうか。ペットにするものですわね。王宮でやったものの少しだけ延長上でございましょうか。」
ヴィルはニコリと笑う。
「でしょう?、皆様方。」
「「はっ!」」
カタカタ震えながら反応する魔族?の面々
「うわぁ‥‥。」
アイオイは見てはいけないものを見たような顔をする。
「ところで、レム様? 質問宜しいでしょうか?」
レムは顔を上げて慌てる。目の泳ぎ方が尋常ではない。
「直答を許します。」
「はっ。レムとお呼び下さい! まず、ベルクートアブルですが、神の国との事でございます。」
さて、地上から消えてしまったのでしょうか。我が母国は。




