41 悪役令嬢 久しぶりの連絡
「良かったのかあんな安請け合いして。」
バーロットはひそひそとマルチアに話しかける。
ちなみに今は大本尊に向かう最中と、その用意をしているところである。
「悪くない話でしょう。お互いの人質のようなものです。リアとやらが学園に居る間はセントロメアに融通をすることで、代わりにヴィルヘルミーナ様は敵対しないということでしょう。小さい国です。大したマイナスではありません。」
「大国主義者がちょっかいかけないようにしとけよ。カルネイル王子の長男が丁度入学するだろ。あいつは子供に甘いからなぁ。」
「まあそこはどうにかいたしましょう。介入の名目にもなりますしむしろ個人的にはプラスですね。」
「こええこええ。」
二人は元々一緒に冒険していた事もあり、わりと砕けた関係である。
「まあ、他にも問題が多いのが悩みのタネですがね‥‥。」
マルチアは王城に視線を向ける。
「見たことねぇ兵士が多かったな。ただあいつ等ただもんじゃねぇぞ。魔力だけでも全員Sマイナスくらいはあるぜ。」
「結局何者かは分からずじまいです。」
「嫌な感じだな。」
「ええ、とても。」
そんなこんなで大本尊の前で御座います。
本来は大神官しか入ることのできない催事場といいますか、祈りの場所に通していただいております。
「あちらとこちらは時間の流れが違うのであったか?」
カルネイル様はエシオン様に尋ねられています。
何方も王子様ですが、方や大国ですので気を使われているようです。
「本人は1〜2分程度しか話していなかったとのことですが、此方は2週間程経過しておりました。1万倍程異なっている可能性があります。」
「まあ下々の細かい挙動を見守るのに等倍だと気が遠くなるか。」
ふうむとカルネイル様は顎に手を当てて考え込まれております。
「国王陛下はおいでにならずとも宜しいので?」
「ハイリスクハイリターンに国王を出すわけにも行くまい。」
「その通りですね。」
「まあ、何れにしても御返答次第だな。ヴィルヘルミーナ様、準備は良いか?」
「問題ございません。」
今回は、念のためということで厚めのクッションやら、身動き取れないときを考えて用意していただいております。
「ふむ、ではこの赤の司祭、マルチアの名に於いて、創造神様への御祈祷の儀を始める。ヴィルヘルミーナ様、お願い致します。」
「ヴィルさん。手加減ね‥‥!」
こっそりレンツ様が伝えて来られます。
「同じミスは致しません。ご安心を。」
ぐっと手を握りますと、苦笑されました。
「確かに同じミスしているのは見たことないね。」
「おまかせくださいませ。」
前回連絡する際はふわっとした力を込めておりましたが、今回は何となく感覚が掴めておりますので、聖女の力を込めてお祈り申し上げましょう。
(アステアラカに到着いたしました。返答お願い致します。アステアラカに到着いたしました。返答を‥‥)
ふと光を感じて目を開くと、以前と同じ暗い部屋で、うっすら顔の輪郭がわかる程度の人影が、
無茶苦茶嘔吐しておりますわね。
「おぼろろろろ‥‥。」




