3 悪役令嬢と異文化コミュニケーション
どうもこんにちは。ヴィルヘルミーナ・ローゼンアイアンメイデンです。皆様ご機嫌うるわしゅう。
なお私はご機嫌最低点でございます。
現在2食屋根付きという待遇でもてなされているところですが、有り体に言いますと牢屋の中です。
正直本気を出せばこの程度の村は吹き飛ばせるのですが、どうやら全く違う国のようですので、外交問題に発展するとややこしいので静かにしております。
元でも公爵令嬢が牢屋に打ち込まれている時点で外交問題? たしかにそのとおりですが現状私の魂はまったくの貴族とはいえこの肉体が属しているのはこちらの国です。最終的には実家に戻るつもりではいるのですが不測の事態を鑑み情報収集に努めております。
この村は身なりから致しますとどうやら奴隷階級でほぼ構成されているようです。辺境の守りのためか、開拓村かのどちらかでしょう。カナリアのようなものですわね。
ただ、出てくる食事は保存食などでは有りませんので村としての形態は保たれているようです。そこそこ重要拠点なのかもしれませんわね。
ちなみに私が捕まっている理由は、どうやら立ち入り禁止区画から来た不審者とのことです。
この肉体のものはこの村出身ではない様子。となると遺棄でしょうか。急に犯罪味を帯びてきました。異国でも狙われるとなるとおちおち眠ってもいられません。
また、どうやらこの体、見た目は変わらないのですが妙に頑丈で、いまのところ100時間ほど起きているのですが、平気なのです。トイレの欲求もいまのところ我慢できております。不思議ですね。
お陰で見張りの男もだんだん胡乱な目つきで見てくるようになりました。ただ我慢できるとはいえあまり我慢しすぎると膀胱炎になると言われていますのでそろそろで動きがほしいところです。
そんなこんなで4日ほど経過したときに、やっと引きずり出されて上役?と面接と相成りました。
学校も色んな意味で休んだままですので、早く帰りたいところです。話が通じる方だとよろしいのですが。