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36 悪役令嬢 到着

そんなこんなでハルカ様を加えて5人+もともとの護衛や身の回りの世話用のメイドさんなどなどを引き連れて首都に向かっております。

「ねえねえ、エシオン様はアイオイ様が好きなのー?」

「ブッ! ハルカ殿! 何をいきなり。」

「えー、ヒマなんだもん。アイオイ様はどうなの?」

「平民と王族ですよー。シンデレラストーリーでももうちょっと現実的な設定にしようよ。男爵令嬢とか。」

「まあ、そっかー。」

「‥‥。」

エシオン様は赤くなったり青くなったりされております。

「ヴィルはレンツくん狙い?」

「ナーラック領の時よりお世話になっております。」

「なんだかんだでAランクになれたし持ちつもたれつだよ。」

「色気の欠片もないねー。」

ハルカ様は興味を無くされたようで、右手で小石のお手玉をされております。8個くらいあるようですのでなかなかの技でございます。

「ハルカ様は何歳ごろから今の仕事をされているのですか?」

「わたしー? 10歳くらいかなー。魔獣に村が襲われてねー。それまで普通に過ごしてたんだけど、急にこうボーンって力が出てきて、気づいたら石臼で魔狼をミンチにしてた。」

「ふむふむ、勇者の力は急に来るものなのでしょうか?」

「生まれつきあるはあるみたいだけど、気づかないまま大きくなるパターンが多いみたいだねー。なんていうの? こう、ぐっと奥底でなにかこう入れ替わるみたいな。」

「ふむ。私も似たような感覚がございました。」

リア様の涙を見た瞬間、なにやら奥底でエンジンが始動したような、何とも言えない気配を感じました。

「ヴィルは勇者なのかな? うーん、見てもわかんないね。正直聖女の力もさっぱり感じないから普通の人って感じなんだけど。ただ、普通なんだけど、なんだろう、すげえ違和感がある普通というか。」

ハルカ様は喋っていてどんどん眉間にしわが寄ってこられております。

周りの皆様も深くうなずいていらっしゃいます。

当の本人には良く分からない話ではあるのですが。

「普段は力が出ないようでございます。その分なのか瞬間的にはわりと力は出ているようでございます。」

アイオイ様が驚くレベルとおっしゃっていたので多分そうなのでしょう。プロのいう事は聞いておくものでございます。

「ためて放出するタイプなのかなー。勇者と大聖女を切り替えれる感じなのかも? うーん、研究室が解剖したがりそう。」

「外交問題になるのでやめていただきたい。」

「だいじょぶだいじょぶー。ここ最近はそんな非人道的なことはやってないって多分。昔の人魔戦争中は人類存亡の危機だったから人権なんて無いがごとしみたいな世界観だったみたいだけどねー。」

「うう、恐ろしい話。現代に埋まれてよかった。」

アイオイ様が胸をなでおろされております。

「ん、なんか微妙にヴィルから聖女の力が。」

「はて、漏れております?」

「若干ね。怖い話でビビっちゃった?」

「その可能性はありますわね。」

右手を開いたり握ったりしてみます。

どうにも何か心のどこかに引っかかることがございます。

「まあ、思い出せないという事は些事でございましょう。」

「ヴィルさんの案件で些事だったことが今一思い出せないけどね。」

「そうでしょうか。」

「あ、ちっちゃな魔獣が居た。」

ハルカ様の目線の先には、小さな鳥が飛んでいました。

「あれも魔獣なのですか?」

「今は小さいけど、大きくなるとウマくらいになるよー。ほい。」

右手がブレると、パアン!という音を立てて鳥が木っ端みじんになって、サァっと大気に溶けて消えました

「生まれたての魔獣はあんな感じで受肉してないから、活動とめたら魔素に戻るよ。」

「今のは先ほどの石か。凄まじい威力だな。」

「まあ、ノーモーションでほいほい出せるからスゴイけど、正直威力だけなら農民とかが使う弓のほうが強いからねぇ。一瞬の破壊力を上げない限りは大型魔獣とは戦えないんだよねー。だから私は後方支援というか、そんなかんじ。」

「一撃の威力‥‥ねぇ‥‥。」

アイオイ様が此方を見てこられます。

「自分でもあやふやでございますが、あれは多分魔力だと思いますわ。」

「なら鍛えても無理かー。すごかったんだけどねぇ。」

「なになに? なんかあったの?」

「後ほど国王にも報告するつもりだからよいのだが、此方に来る途中に数百メートル級のクラーケンに襲われてな。ヴィル殿が吹っ飛ばして危機を逃れた形だ。真正面からやり合っていたら船は半壊していた可能性が高かったな。」

「数百メートルのクラーケンとかギャグみたいな話だね。でも事実なんでしょ?」

「まあ証拠は木っ端みじんだがな。破片しかない。ああ、船に吸盤の跡があるから気になるなら調べてもらっていいぞ。」

「多分もう調べてると思うよー。なんか騒いでたからソレかな。私興味はなかったからスルーしてたんだけど。」

「お主のような人間が何人か居るのか?」

「そうだねー。一杯いると思うよ。わたしもわかんない。だってアステアラカだからねー。3つの大国の1つだよー。勇者がどれだけ稀だからって集めたら結構居るもんだしね。」

「まあ、人口が多ければ多い方が出現確率も上がるわけか。」

「そーそー。だから変なことは考えない方が良いよー。」

「私はそもそも行って何をするのかも良く分かっておりません身でして。」

「創造神様から何か言われてないのー?」

「アステアラカにご連絡いただけるとだけ。」

「何も情報が無いねー。」

「ハルカさんやさぐれ過ぎじゃない?」

「陰で支援するのが私なんですよーほんとはねー。表から王城に行くとかどないやねんってかんじですわー。」

「まあ、陰ながらというのにあこがれるのは分かりますわ。ちゅうにびょう、というやつですわね。」

「聞いたことないけどなんか悪口言われてる気がするね。」

ハルカ様はいやそうな顔をされます

「まあ、とりあえずこんな感じで道沿いに出てくるのはザコばっかりだから安心していいよー。子供でも多分頑張ったら勝てるレベル。町に近くなってくると大体駆除されてるからねー。」

「平和でよろしいですわ。町の魔獣被害とかもあまりない感じでございましょうか?」

「そうだねー。地方はちょいちょいあるけど、主要都市間ではほぼ0かなー。赤のオッサンが頑張ってくれてるんだよねー。ね、アイオイちゃん。」

「ああー、マルチア様か‥‥。」

アイオイ様はいやそうな顔をされます。

「知り合いですか?」

「エシオン様、言ってなかったでしたっけ? 私の後見人って、あのラウンドの一人、赤の大司祭マルチア・エインズワース様なんですよ。」

「大物ではないですか。」

「そうなんですよねー。運がいいのか悪いのか。悪い人じゃないんですけど、ギラギラ感がすごくてちょっと胃もたれが。」

「メトスレ大司教がニヤニヤしながら送りだした理由がやっとわかりました。」

エシオン様は渋い顔をされております。

「マルチア様はかなり武闘派ですよー。勇者の力自体はないですけど、聖女の力はむちゃくちゃ強いですからね。拳に浄化の力を乗せて殴ったら岩とか木っ端みじんになりますもん。」

「それもう浄化って言えるの?」

レンツ様の発言に皆様頷いていらっしゃいます。

「滅!って感じで殴るらしいよ。誰も同意してなかったから多分なんか特殊技能なんだと思う。」

「ある程度力ある人ってわりとなんか気合とかなんか適当にむちゃくちゃするからねー。わかるわかる。」

ハルカ様はお手玉しながらうんうん頷いていらっしゃいます。

「気合と根性でなんか道理が引っ込む感じだよね。」

「まあ、メトスレ様を見てると何となくわからんでもないかな‥‥。」

レンツ様も思案顔です。

「そういやそろそろ王都が見えてくるよー。あの城壁が入口。」

ハルカ様が指を刺した先に、つるつるした壁が見えます。遥か地平線の先までつながっているそれは太陽の光を浴びてキラキラ光っておりました。

「昔の大魔法使いが作ったらしいよこの壁。むっちゃ頑丈。まあ壊しても魔力ある人なら治せるんだけど。」

「かなり巨大な壁ですわね。それだけ昔は戦が激しかったという事なのでしょうか。」

「多分ねー。今となっては歴史の話だけど。取りあえず関係者用の入り口から入るからノーチェックで大丈夫だよー。私がいるしね。で、今日は中心街の五つ星ホテル取ってあるからそこで1泊してね。で、その間に私が予定聞いてくるから。多分明日のどこかになるとおもうので今日はゆっくり寝ててね。多分午後かなー。」

「ご配慮感謝する。」

「アイオイ様はマルチア様のお屋敷ねー。」

「えー‥‥。」

「半分家出みたいな感じで国外に出たんだから怒られましょーね。」

「はーい‥‥。」

「ええ! そうだったのですか!?」

「私も反抗期だったの!。」

「人に歴史あり、ですわね。」

「なんかきれいにまとめたね。」


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