2 悪役令嬢とワイルドライフ
どうもこんばんわ。皆様ご機嫌如何でしょうか。元公爵令嬢ヴィルヘルミーナ・ローゼンアイアンメイデンでございます。
いま何をしているか? ですか?
繊維質の多い木を割いて周りの草をまとめて簡易の胸当てと腰蓑を作っております。
以前読んだ、サバイバル王ナーグの本によりますとファーストは水源確保だのなんだの書いておりましたが、こちらの方が現状上位かと思います。
その理由は2つあり、そもそもこの体の持ち主が居るということはそこまでの未開の地ではないであろうこと、また第一村人と遭遇した場合に全裸のうら若き乙女が闇からまろび出てくる場合最悪魔物扱いで討伐される可能性があるという点ですわね。
さて。公爵令嬢どころか農奴でもあり得ないくらいのワイルドな格好になったとことろで驚くべき事実なのですが、この体、前世?の私と全くといって同じなのです。
小川で顔を確認しましたところ、誤差についてはわかりませんがほぼ全く同じと言って良いレベルでした。
お父様に色々聞くことが出来た気もしないではないですが、それもこれも色々一段落してからにいたしましょう。
曇で闇夜のおかげか、空に反射する明かりで村の方角はなんとなくわかります。ここから歩いて朝までにはたどり着くでしょう。足の裏が持てばですが。
見た目も同じであれば、おそらく耐久性も同じ程度でしょう。
見たことはありませんが獣人なる種族ならもう少し早く家には帰れたかも知れませんが、まあ命があるだけありがたいと思うことにしておきましょう。
この最近は謎の魔力増加があり、以前はほぼ滅びたと言われる魔物が増えつつあるとのことです。
そのため、石器ですが槍を作成して装備しております。運動神経は悪くはないと自負しておりますが、流石に野生の魔獣と張れる程ではございません。
まあ出たら出たときのことです。闇夜でのんびりするくらいなら村へ向かいましょう。