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22 悪役令嬢と嵐の前の静けさ

どうもお久しぶりです。ヴィルでございます。あけましておめでとうございます。

そんなこんなで現在グランヴィディア聖国にたどり着いております。


リア様と涙の別れが御座いましたが、思い出すと悲しくなりますので心の奥にとどめております。

そして道中天候にも恵まれ、ほぼ予定通りの11日でたどり着きました。

合間合間で、観光‥‥ではなく情報収集等しつつ参りましたので多少時間がかかった感じでございます。特に魔獣なども出てこず、とても平和な道中でございました。


「御者やっただけだったんだけど、これでこんだけもらってよかったのかねえ?」

アリサ様は渋い顔をされます。

「金は大事だけど、手軽に手に入れすぎるとタガがゆるんじまうからね。ほどほどが一番だよ。」

「貯金しよう!。」

ソーマはぐっと手を握る。

「そうだね。さて、レンツ、これからどうする?」

「取りあえずついたばっかりだから、大聖堂に近いところに宿を取るのと、連絡を出しておこう。面会の日取りを神官様に聞かなければならない。入国時に先ぶれは出してはいるけれども。」

という事で、中央付近の宿を取ることにいたしました。

「セントロメアよりかなり発展しておられますね。」

土から石へというような感じでございましょうか。

綺麗な石畳で町中は舗装されております。遠くに見える大聖堂は大理石でございましょうか。白く輝いております。

「とはいえ、これでもまだ中堅なんだよね。」

「そうなのですね。」

「大国3つ、中堅国10、小国20って感じかな。上司と部下みたいな感じだけど、属国って感じでもない関係って言われてるね。詳しいことは分からないけど、特に上納金みたいなのも無いみたいだよ。ある程度持ちつ持たれつなところはあるみたいだけど。」

アリサ様は分かりやすく伝えてくださいます。

「ふうむ、国というよりは、貴族的な上下関係のほうが近いのでしょうか。となると厳密にはもはや一つの大国といっても過言ではないのでしょうか。」

「まあ、小競り合い自体はチョコチョコあるみたいだけど、今のところはそれに近いかな。」

レンツ様は首をすくめます。

「あとは神官様に御目通りして、ヴィルさんの聖女鑑定をして、あとは大聖堂でなにかあるんだっけ?」

「ご本尊なるものを一度見てみとうございます。」

「ああ、あのでっかいやつね。」

「すごいぞ! キラキラしてる!」

「ふむ、楽しみにしておきましょう。」

ええもう、言いたいことが山ほど御座います。

「なんか悪い顔してない?」

「気のせいでございましょう。」


そして宿にチェックインしたところ、既に手紙が届いておりました。

「え、この宿取るのなんでわかったの??」

レンツ様は疑問顔です。

「こりゃあ、アレだ。全部の宿に同じ文が置いてあるな‥‥。」

アリサ様はいやそうな顔をしております。

「めっちゃ重要人物扱いじゃん。」

「そのようでございますわね。」

「丁寧なのは良いことだ!。」

「ちなみに内容は?」

「何やら長々書いてありますが、纏めますと明日の午前中の何時でもいいから来てほしいみたいな感じですわね。」

「コレ何件分書いたんだろ。手首壊れてない?」

「聖女様がいるから多分大丈夫!」

「そういう問題かなぁ?」

まあ、考えても仕様のないことでございます。

「では、明日の朝を食べてから参りましょうか。」

「朝一で行かなくていいの?」

「腹が減っては何とやらでございますわね。」

「完全にカチコミの人だよね。」


その夜、レンツ様はソーマ様と、私はアリサ様と一緒の部屋で寝ることとなりました。

窓から外を眺めますと、レンガで作られた家々が並んでおります。ベッドタウンなのか、産業系の家屋は外側にあるようです。

今日もとても良い夜空でございます。夏場とはいえ、夜はここら辺は少し涼しいようです。

網戸から流れてくる、夜特有の湿気た香りのせいでしょうか、妙にざわめきます。

「寝られないのかい?」

「起こしてしまいましたか?」

「いんや、昼寝してたからね。」

といってベットから上半身をおこして此方に笑いかけてくださいます。

「この年でも、見たことのない地はワクワクするものでございますね。」

「遠足の前の日みたいなもんかね?」

「そのようなものかもしれませんわね。」

ただ、それだけでも無いようですが‥‥。それがどこからくる感情なのかは未だ良くわかりません。

「ヴィルさんは目的が達成できたらどうするつもり?」

「一度お父様には連絡をしたいとは思っております。私が弑されていると勘違いしたまま放っておくと世界を滅ぼしてしまう可能性がございますゆえ。」

「‥‥比喩表現じゃなさそうなのが怖いとこだね。」

色んな意味で比喩でないのが悩みの種でございます。

「まあ、私もそうであって欲しいとは思ってはおりますが。」

心配事の一つがそれでございます。

下手をしたら国の一つくらい平気で滅ぼしてしまうような苛烈な性格を持つのがもともとローゼンアイアンメイデンの血でございます。現状滅んだ国が無いというのは逆に言うとここもお父様の手の届かない地である証左であるという事でございます。

「正直、明日どのような話し合いになるかもわかりません。万が一の時は私を捨て置いて、御逃げくださいませ。」

「それは聞き入れられないね。プロだからね。」

「一人のほうが安全の可能性があるとしてもですか?」

「24時間そうとは限らないだろう?」

「‥‥そうですわね。」

「気遣ってくれてるのはありがたいが大丈夫さ。他国の貴族を害するなんて戦争を吹っ掛けるようなもんだ。そうなれば大国が黙っちゃいない。」

「珍しい力を持っているようではございますので、大国が出てくる可能性も考えておくのがよろしいかもしれません。」

「そうなったらお手上げだな。」

全世界で指名手配になって生きていくのは難しい。とのことでした。

「一旦引いたくらいだ。悪くはなら無いと思うよ。」

「私もそう祈っております。」

祈る相手があの神様?であれば不安なところではありますが。


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