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12 悪役令嬢移動中

どうもこんばんはヴィルでございます。

今日はお子様達のプリデビュタントということで、お隣のファストロット男爵のお家にお呼ばれしております。

こちらの地域もサイズ感としてはナーラック領とそんなに変わりなく、似たり寄ったりといったところでしょうか。


基本的には農家が多く、少しだけ工業地区もあるのか煙が立ち上る地区を通り過ぎたところ、街の中央付近に少し大きめな邸宅がございます。

こちらが今回の目的地となっております。


町の中心にあるのは、何かあった場合にすぐ村人を保護できるようにということでした。

こちらの地域は比較的魔素濃度が低く、作物の生産量はやや低めながら魔獣もあまり強いのは出てこないという長閑な地です。

とはいえ牧歌的な雰囲気ながらも町の周りの柵は少し私の記憶がある風景よりは頑丈にできており、最近の魔獣による被害の増加をまざまざと自覚することになりました。


魔素が何なのかは未だによくわかってはいませんが、生命体にとってある種養分のような挙動をするものといわれております。野生の動植物はそれを成長に使うことが多く、その中でも魔術のように、変質して使う事ができるものは魔獣と言われます。


話は戻りますが、大体この辺りでは3から4人ほどの男爵相当な方々が持ち回りでプリデビュタントをしているようです。

今回はご当主様奥様そしてリア様と私そしてレンツ様と何人かの使用がついてきております。


「リア様、緊張なさらずとも練習通りされれば大丈夫でございますよ。」

私はリア様の襟元をなおしつつ、笑顔で励ましております。少し元気がなさそうに見えるのは緊張のせいでしょうか。

「うん。がんばるね。でもバイクくんがしんぱい。」

バイク様とはこことはまた別、テューダーローズ領の次男様で、リア様のお友達です。

先日、移動のさなか森の中でマンティコアに襲われたとのことです。御本人は無事だったそうなのですが、彼のお父様が毒に侵されて日の半分は眠っているような状況とのことです。

そのため現在王都に聖女様の派遣をお願いしているさなかでなかなか大変のご様子です。

「せいじょさまきてくれるかなー」

「来てくれると良いな。この辺りは被害が少ないから聖女様の割当も少ないからちょっと時間はかかるかもしれないけれどね。」

ハノイ様はリア様を慰めるように優しく撫でられます。

「解毒が出来るとなると中級以上になるからちょっと時間がかかるんだよ」

レンツ様がさり気なく教えてくださいます。

「成る程。私あまり聖女様とは関わりがございませんでしたので、そのようなシステムになっていたのですね」

回復の業はいわゆる貴族にはない奇跡の技です。魔力との相性が悪いなどの噂はありますがなんとも言えません。

魔法に長けた貴族は基本的に自力で治すことがほとんどです。自分自身には特に反発は有りませんので。

「ということで、今回はそういったまあ慰問も兼ねている感じなんだよ。」

「地方は地方で大変なのですね。」

「コメントが為政者目線だよね」

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