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なんなの?!

今回も、ローラ視点になります。

それから、ルイス殿下を見かける度に突撃していった。

わざと倒れこんでみたり、物をころがしてみたり、あとをつけたり、やれることをやってみた。

何をしても、全く、目はあわないけれど、気にしない。


次に、私は、どんどん話しかけた。恥ずかしがり屋なのか、なかなか返事はないけれど、ちゃんと、聞いてくれているのは間違いない。

だって、追い払ったりされないもんね!


そして、ついに、ルイス殿下が私に言葉を発した。


「婚約解消したい。手伝ってくれたら、報酬として、宝石を渡す」


やったわ!! ついに、私に落ちた!! 


婚約解消して、私と婚約してくれるのね! 


しかも、報酬だなんて言って、宝石をプレゼントしてくれるのね!


じゃあ、私って、お妃さまになるの?! 

やっぱり、埋もれるには惜しい存在だもんね!!

やったわ。最高じゃない!!


早速、ルイス殿下に連れてこられた先にいたのは、ひとりの少女。

あれが、公爵令嬢ね。


確かに、かわいらしいけれど、私ほどではない。

第一まだ、子どもっぽい。

やっぱり、私の大人の色気には、かなわないわね!


見せつけるために、私は、ルイス殿下の腕にからまる。

ほら、ルイス殿下も何も言わない。嬉しいのよ!

悪いわねえ、アリスさんだっけ。あなたの婚約者、私のものになりました! 


いい気分だわ。悔しいでしょ?

と思ったら、にっこりと微笑んで、婚約解消を受け入れた。


あ、そうか。相手が私じゃかなわないと思ったのね! いい子じゃない。


ごめんなさいねえ、アリスさん!


そして、公爵令嬢が去っていくと、ルイス殿下は、小さな袋をくれた。


「これが報酬だ。確認してくれ」


照れ隠しなのか、言い方が少し仕事っぽい。ほんとにはずかしがりやさん!

飾りけのない袋をあけて、手のひらにだしてみる。

小さなダイヤがいくつか転がりでてきた。


きれいだけれど、想像していた豪華なアクセサリーとかではない。

不思議に思ったとき、

「その方が、換金しやすいだろ。好きに使ってくれ」

と、ルイス殿下は言い放ち、さっさと歩きだした。


はあ?! 換金?!


「ちょっと、待って! ルイス!」

と呼びとめる。


振りむいたルイス殿下の顔を見て、思わず、ふるえあがった。

無表情だけど、殺されそうな鋭い視線で私を見ている。


そして、冷たい声で言った。

「敬称なしで名前を呼ぶことを許してはいない」


「だって、私たち婚約するんでしょ? 私、お妃さまになるのよね?」

と、おびえながらも聞いてみる。


「まさか。俺は婚約解消を手伝ってくれと頼んだだけだ。報酬も渡しただろ。俺の伴侶は、この世にただ一人。アリスだけだ」

そう言い放ち、歩いていった。


いったい、なんなの?! 

しかも、アリスって、さっき婚約解消した公爵令嬢のことよね?!


結局、私はこの一連のことで、男爵家の養女は取り消しになり、伯爵家の息子との結婚もなくなった。


が、それで良かった。

あの王子みたいな人がいる貴族社会なんて、大変そうで嫌だ!


それに、あのダイヤ、相当価値があったし。 

しっかり換金して、それを資金に私は商売をはじめた。


平民が一番。私は、ここで成り上がるわ!

あと一話で本編は完結です。今日、更新します。

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