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(本編完結、番外編を更新しています)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?  作者: 水無月 あん
番外編

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閑話 ウルスの休日 11

ウルス視点のお話が続きます

そして、ロクサーヌ嬢は、震えながら声をしぼりだした。

「…出て行けばいいんでしょ…。こんな王太子がいる国なんて、出て行ってやるわ…」


その答えを聞いて、にっこり微笑むフィリップ。

今回の獲物を仕留めて、満足そうだ…。


「良かった! あ、出来たら早めにお願いねー。それと、引っ越し報告はなくても大丈夫だからね。監視を送って、逐一報告させるから、お気づかいなくー」

と、楽しそうに話す。


なんとも軽い口調と内容がかけ離れすぎていて、まさにホラーだ…。


バーンと席をたったロクサーヌ嬢。すでに震えは止まり、怒りの炎を燃やした目で言い放った。


「…私は、このままでは終わらない。終わってたまるもんですか! …覚えてなさい!」

ロクサーヌ嬢は、そのまま出て行った。


場がシーンとなった。

ローアンとマリー嬢は今や石化している。


「あれ? みんな、どうしたの? 黙っちゃって。…あ、そうか! ぼくとしたことが、勝手にぺらぺらしゃべってごめんね? みんな、まだ注文したなかったんだ。お詫びに、ここは、ぼくがご馳走するから」


そう言うと、ウエイトレスさんに合図をして、テーブルまで呼ぶ。


「さあ、好きなだけ注文して?」

と、フィリップがにっこり笑って皆に言う。


が、誰もメニューに手をのばさない。


「待たせたら悪いから。じゃあ、ぼくが注文するね」

と、フィリップが聞く。


「じゃあ、ぼくはもうルイスと帰るから、この3人に珈琲を。それと、ケーキだよね。ここのケーキは、本当に美味しいんだよ。ここは奮発しちゃお! ここに載っているケーキを全部ください!」

そう言うと、にっこり笑うフィリップ。


「おい! なに、そんなに頼んでんだ?! 3人で食べられないだろっ?!」

思わずフィリップに文句を言う。


「ウルス、何、言ってんの? 食べられないんじゃなくて、食べるんだよ? 残したらダメだからね?」


「は?! なんでそんな…?」

フィリップの行動のわけがわからず、俺はつぶやいた。


「ルイスに変なものを見せたから、ウルスも連帯責任だよ。でも、美味しいケーキがたらふく食べれるなんて、いいでしょ。かわいい部下だから、特別に甘ーい罰を考えました。フフ」


なにが、フフだ! なにが、かわいい部下だ! 俺が甘いものが苦手なことを知ってる癖に!

微笑むフィリップが、もはや邪悪な悪魔に見える。


そこで、石化がとけてきたローアンが言った。

「ウルス、悪い。俺のせいで。ケーキは任せろ。こう見えて、甘いものは得意だ。俺がたいらげるから心配するな」


ローアンっ! なんて、いい奴なんだ! 脳筋が初めて頼れる奴に思えた。


ローアン同様、石化がとけてきたマリー嬢もにこにこして言った。

「私もケーキは得意なんです。近所にあるケーキ食べ放題のカフェは、出入り禁止となってますから!」

と、胸をはった。


…ん? それは、胸をはることか?! 令嬢として、いかがなものか?


すると、ローアンが、

「マリー、一緒にがんばろう! 二人でケーキをたいらげるぞ!」

と、熱く語りかける。


変わった二人だが、お似合いだ。そして、二人とも、ありがとう! 助かった!



「じゃあ、ウルスには別の罰を考えないとね?」

と、悪魔の一言。


やめてくれー!


今日、3回目の更新です。読んでくださった方、ありがとうございます!

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