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(本編完結、番外編を更新しています)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?  作者: 水無月 あん
番外編

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閑話 ウルスの休日 8

ウルス視点が続きます。更新が遅くなってすみません!

フィリップの話に茫然としているロクサーヌ嬢。


「あれー? どうしたの、ロクサーヌ嬢? 開かずの間は、気に入らなかった? 今の君にぴったりで、一番おすすめだったのに、残念! 

うーん、それじゃあ、次におすすめは、どこがいいかなあ…。あ、そうだ! 庭にある池も君にぴったりかもね。…フフフ」

と、鼻歌でも歌いだしそうなほど、楽しそうに話すフィリップ。


まるで、お気に入りスポットを紹介する勢いだが、紹介されるのは、また、さっきみたいな不気味な所なのか?!

良くない感じのドキドキがとまらない…。


そして、やっと普通の単語がでたからか、

「池、ですの?」

と、気を取り直した様子で、ロクサーヌ嬢が聞き返した。


どうやら、さっきの話を、いまだ自分のことと結びつけて考えられていないのか、まだ、フィリップを見る目は上目遣いで媚びている感じだ。


もう、悪い予感しかない…。


やたらと笑顔だが、今のフィリップの目は獲物を狙っている目だ。

こんな目になったフィリップは、もはや猛禽類。危険だ。


ロクサーヌ嬢、ロックオンされてるぞ。早く逃げたほうがいい…! 

が、手遅れか…。


フィリップは、獲物…いや、ロクサーヌ嬢から目をそらさず、嬉々として話し始めた。


「その池のほとりにね、小さな石碑があるんだ。12代前の王の側妃が刺されて死んだ場所なんだけどね。その石碑は、側妃のためのものじゃない。刺した人を弔うためにたてられたんだよ。なんでだと思う? その側妃はね、色仕掛けで王を篭絡して、王宮にはいったんだ。でも、そんな方法で王宮に入る奴なんて、ろくなもんじゃないでしょ? 贅沢三昧するし、使用人をひどい扱いするしで恨みをかってね。ある日、メイドに刺されたんだ。が、刺されながらも、しぶとくて、逆にメイドを池に突き落としてね。可哀そうに、メイドも死んでしまったんだ。それを弔う石碑なの。

ほんとに、王族も長く続いていると、こんな女にひっかかる馬鹿もいるんだよね。驚くでしょ?」

と、流れるように一気にしゃべってから、ロクサーヌ嬢に猛禽類の目で微笑みかけた。


…なにが、驚くでしょ、だ?! そんなことを言う、フィリップに驚くわ! 

そもそも、池のほとりに石碑なんてないだろうが?!


と、ここで、やっとひどいことを言われているのに気づいたのか、ロクサーヌ嬢が上目遣いをやめて口を開いた。

「…王太子殿下。さっきから、何が言いたいんですの?」


フィリップは、

「えー、そのまんまだけど? 説明しないとわからない? 権力のある男に媚びるだけの女が、王族に入った場合の末路かな? …まあ、ぼくもルイスも色仕掛けで転ぶ馬鹿じゃないから、君が王族になることは、あり得ないんだけどね。でも、ほら、ぼくって親切だから。君が、王族に入った先を想像できたら、無駄な望みをだかなくてすむかなあって思ったんだ」

そう言うと、黒すぎる笑顔を見せた。


やめろ…。ストレートすぎるだろ…。

ほら、腹黒に耐性のない、脳筋ローアンと純朴なマリー嬢が銅像のように凍りついてるじゃないか…。


ロクサーヌ嬢、ここまで言われたら怒るか?! 怒るよな?! 


と、思ったら、

「ひどいですわ、王太子殿下。 私、そんな女じゃありませんっ…。誤解ですわ!」

潤んだ瞳からぽろぽろと涙をこぼしはじめた。


いや、びっくりだ! 

ここまで見抜かれ、あからさまに言われたら、怒って帰るか、いたたまれなくて、逃げ帰るよな?


が、泣きながら反論するって…。まだ、食い下がるのか? 

しかも、猛禽類のような目をした、毒舌フィリップにだぞ。

怖いものしらずというか、図太すぎるというか…。

うん、すごいな…。


そこへ、

「兄上、食べ終わったから、俺、帰るけど?」

と、ひょっこりルイスが顔をだした。


涙を流していたロクサーヌ嬢が顔をあげ、ルイスを見た。


あ、まずい…。嫌な予感がする!



不憫なウルスのお話が、もう少し続きます。

更新が遅くなってしまいましたが、読んでくださった方、ありがとうございます!

できるだけ、今週末に更新したいと思っています。

ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みにさせていただいています。

ありがとうございます!

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